【感想・ネタバレ】小説 イタリア・ルネサンス4―再び、ヴェネツィア―(新潮文庫)のレビュー

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ネタバレ

塩野先生が描く「小説」の最終巻。先生が理想とする男性像のマルコと女性像のオリンピアが織りなす物語。
最終巻では、ヴェネツィアに戻ってきたマルコの活躍が描かれる。国政に戻ったマルコは相変わらずトルコの相手をすることとなる。彼が戦地に赴くわけではないので、章題にもあったように血を流さない戦争を主として。
また、レパントの海戦もストーリー仕立てに描かれており、海戦の想像ができ、良かった。
もう少しマルコを活躍させてほしかったな、っと思わせるところがやり過ぎない男性像で、塩野先生の理想だったのかな、とも。

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2022年09月02日

匿名

購入済み

主人公マルコ・ダンドロを通して垣間見る、ルネサンス期ヴェネツィア共和国の激動を描いたシリーズの第4巻。

正直、前巻までを読んでから時間が経っていたので、経緯を思い出すのに苦戦したところもあり、再度1巻から読みたいと思いました。
特に実在の芸術家がまるで息を吹き返したかのように生き生きと活動している場面や、刻々と変わっていく海戦の描写には心躍りました。
実際の絵画の画像や海戦が行われた地名を地図で探したりして、実物を見たくなったり。

後半はもはや全盛期ではないヴェネツィアの今後の道筋を模索していくマルコに寂寥を感じざるを得ません。
当時のヴェネツィアの活気ある街並みを見てみたかった!

私にとっては一生本棚に置いておきたい、大のお気に入りの作品です。

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2021年12月01日

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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史

サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた

「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の教えを、現代の日本に伝えたいとの使命感を感じる本書
国家・国民に殉じる覚悟のエリート・リーダーなき組織は滅ぶしかない

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2021年01月19日

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主人公マルコダンドロの人生をとおして、
ヴェネチアという国の人生も垣間見ることができた気がする。
西方と東方の狭間で、1000年以上共和国として生き抜いてきたヴェネチアのドラマは壮大だなぁと思った。
旅行でヴェネチアを訪れた時、華やかさと美しさにとても感動したが、とても長く深い歴史を背負っていることに改めて感動を覚えた。
またヴェネチアを旅したいなぁ!トルコにも行きたい!

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2021年11月25日

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ヴェネツィアは海軍国であり、経済国家であった。有能な人物が多々いたが個人主義には陥らず国家として成り立ち続けた。
朝日文庫の頃は3巻ローマで終わっていたものに、4巻再びヴェネツィアを加えて完結。『レパントの戦い』(新潮文庫)『海の都の物語』(単行本で読んだ)の復習にもなり、
今シリーズで追加された挿絵や写真が旅行に行けない今日の慰めにもなった。リアルな海外旅行に行きたいですけどね!

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2021年03月21日

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中央集権化が進む中、ヴェネツィアは中世で最も長く独立を保ち続けたこと、共和国であり続けたことの理由が本書にはある。

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2021年03月04日

Posted by ブクログ

帰国後のマルコの活躍。小説形式だが実態は歴史エッセイ。トルコ・スペイン・フランス、領土型国家と肩を並べて強国といわれた都市国家ヴェネツィア。マルタでの騎士団の勝利、その煽りを受け占領されたキプロス。国家の危機の中、レパントの海戦へ持ち込む。キリスト教国連合の中ヴェネツィアの果たした勝利への役割は大きい。海軍力と交易、そして共和国という特性。人材登用と外交。自国の個性を踏まえた上での戦略。損して得とれ。名を捨てて実を。・・オリンピック開催にメダルの数。名誉ばかり追い求める今の日本が見習うべきはここだ。

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2021年02月11日

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マルコがまたベネティアへ戻り10人委員会の 委員となり、政策決定をしていくところから最後引退してベネティアのその後までを描く。 途中では
大国トルコ、スペイン、ドイツ、法王庁との間での交渉の過程と最後のレパントの海戦が描かれるが、やはりベネティアの衰退は止まらない。海戦には勝つものの、キプロスはトルコに奪われたまま。とりあえずの平和を取り繕った所でマルコは引退で終わる。 マルコ・ダンドロの生涯を描いるが、実ははベネティアのピークから少しずつの衰退を描いた物語であった。

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2021年01月05日

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ほとんどがレパントの海戦。シリーズ1からの伏線の回収もあるが、さまざまな登場人物像は面白く描けているが他のシリーズほど面白くはない。全四作、読み応えはあったと思う。

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2023年01月19日

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シリーズ前3作は、
「緋色のヴェネツィア―聖(サン)マルコ殺人事件」
「銀色のフィレンツェ―メディチ家殺人事件」
「黄金のローマ―法王庁殺人事件」
上記3作の改題であるので、要注意。

国政に復帰したマルコを中心に、
またもや濃密な物語が展開されるのかと思いきや、
この作品は「海の都の物語」と「レパントの海戦」の改作かと感じてしまう。
その意味では、シリーズ前3作とはまるで毛並みが違う作品。

個人的には、前3作の物語の続きとして、
純粋に楽しみたかった感が大きいので、評価が下がるところである。

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2022年01月08日

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マルコ・ダンドロとオリンピアを主人公にしたルネサンスの3大都市の物語の続編になります。ヴェネツィアやレパントの海戦を主題にした塩野さんらしい作品だなと思いました。塩野さんにヴェネツィアやレパントを書かせると,やはり上手いなと思いましたし,続きを書くのならこういう感じになるのだろうなと。そう思える作品だったという印象を持ちました。

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2021年05月16日

Posted by ブクログ

マルコ・ダンドロが主人公となるベネチアを舞台にした小説の最終シリーズ。前3作は青年期の主人公が、ベネチア、フィレンツェ、ローマを舞台に恋も仕事も精力的に活動していたのでに対して、今回はベネチアの国力の停滞を主人公の衰えに投影しているようだった。前3作はワクワクして読んだが、今回はワクワク感は物足りないと感じた。

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2021年02月13日

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