【感想・ネタバレ】歪み真珠のレビュー

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Posted by ブクログ

開けてはいけない箱を開けて中を見てしまったような、封印されていた獣を生き返らせてしまったような、後ろめたさと喜びを交互に感じながら読んだ。

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2020年01月14日

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美文。
文庫化してくれてありがとう、ちくま。
幻想こそが文章になるべくして生まれた物語だと思っている。世の中には色々な表現方法がある。その中でも、文章によってしか表すことのできない物語というのが幻想というジャンルの一つの特徴だ。(映像化できるものはファンタジーに分類される)
硬質で端正。まるで宝石、いや鉱石のような。

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2019年04月12日

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『夢の棲む街』を読んで山尾悠子の虜になったので、この小説も手に取りました。いきなり長編を読むのは難しそうだったので、肩慣らしに短編集『歪み真珠』を。「アンヌンツィアツィオーネ」は冒頭の文章から惹き込まれたな。もちろん他のものもすごく好きだった。澁澤龍彦から受けたであろう強い影響を感じつつ、それでも山尾悠子独自の世界がたしかにあることを勝手に感じた、至福の1冊。装丁も世界観に合っていて素晴らしく素敵。

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

薄さの割にすごく読み進めづらい。情報量が多すぎて脳内で情景を思い浮かべるのにとても時間がかかった。これが幻想小説か……。ゆっくり味わって読むべき本だと思う。
最後の一編が微笑ましくて(?)好みだった。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

山尾悠子三作品目。なんだかんだ癖になるところがある。
こちら今まで読んだ作品の中でもさらに読みやすかった。各作品は絶対に全て理解できない(感覚的にも)という感覚がクセになってきそう笑
また何か既存の作品を念頭に小説というアプローチを取ることが、僭越ながらそれなら自分にもできるかもしれないと思わせるので、少し親近感がわく。
特に好きだったのは、「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」「向日性について」「アンヌンツィアツィオーネ」の三作品。

「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」夢の棲む街を思い出しつつ、セイレーンの歌声を聞いたような感覚に
「向日性について」純粋に発想にうなった
「アンヌンツィアツィオーネ」美学的には一番好きだった。羽が髪の毛に編み込まれている様子など。
ーよもや竜(ドラゴン)と戦う天使ではあるまい。剣をお持ちではなし…天使を見た日の夜、編んだ髪をほどくとそこからは必ず数片の白い羽毛がこぼれ出した。…
ーあのかたとわたしとのあいだには約束がある。
ーどのような結末を迎えることになるのか皆目見当がつかないにしても、人としてのわたしの人生はすでに神ではなく天使の領域に侵犯されている。…

「美神の通過」最後に触れられているようにエドワード・バーン=ジョーンズの作品にまんまの一枚がある笑
「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」
「美しい背中のアタランテ」ギリシャ神話より
「マスクとベルガマスク」フォーレの曲より
「聖アントワーヌの憂鬱」フローベールの文学で、それに触発された絵画など
「水源地まで」勝手に夜叉ヶ池を思い出していた
向日性について
「ドロテアの首と銀の皿」聖女ドロテア。首は銀の皿と相場が決まっている。トマジ!
「夜の宮殿の観光、女王との謁見つき」「夜の宮殿と輝くまひるの塔」夜の宮殿!

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2023年07月08日

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ひとびとをおののかせる、大理石の巨大な女王ないし女神。ひそかに異世界と通じている魔女たち。娼婦たちの島。夢から覚めても忘れがたいイメージの断片を集めたような短編集。

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2022年08月24日

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ネタバレ

山尾悠子さんの世界観が大好きです。
理解出来てない部分が多いとは思うのですが、でもどのお話も定期的に読み返したくなる。
この独特な世界観と文章。
一度ハマると抜け出せない。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

面白かったです。バロック。
幻想的ですがシビアな世界で好きです。ふわふわでなはなく、ダーク。
「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」「火の発見」「紫禁城の後宮で、ひとりの女が」が好きでした。
「火の発見」は《腸詰宇宙》のお話で嬉しかったです。
「紫禁城の~」はラストシーンが美しくて力強くて好きです。これからは、纏足でなく自身の足で歩ける喜び…それが人間の足でなくとも。
充たされた時間でした。

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2020年05月06日

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この世界のどこでもないどこかで名前の無い誰かが見た夢のような一幕。今いる世界に疲れた、少しだけ喧騒から離れたい。そんな人におすすめしたい幻想の短編集。

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2020年04月25日

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夢を見ているような不思議なお話が15篇。

「歪み真珠」とは、ポルトガル語由来で、バロックの語源なのだそうだ。
ただ幻想的で美しいだけではなく、その中にダークさを感じられる。
ギリシア神話とか絵画がモチーフになっているお話もあり、その独特の世界観がよかった。
どのお話も、雰囲気たっぷりで、不思議な世界を楽しむことが出来た。

ドロテアの首と銀の皿がよかった!

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2020年10月04日

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バロック。

バロックのイメージではどれもとっつけなかったが、どの短編もすっきり終わらない、ファンタジー特有ぽさも出しつつの気持ち悪さを残し、あとのことは読者次第になる。
「奇妙な味」のような。

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2019年09月25日

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ネタバレ

「歪み真珠」とは「バロック」の語源。
ファンタジーとはちょっと違うけど、幻想的な短編集。
んー、あまり好みではないかな。

# ゴルゴンゾーラ大王と草の冠
蛙の王と蛇の女王が出てくるファンタジー的な設定だが、蛙たちがカエルツボカビ症でばたばたと倒れていくというなんとも現代的で現実的なオチ。

# 女神の通過
エドワード・バーン=ジョーンズの「The Passing of Venus」という絵画に着想を得た作品で、宗教絵画にありがちな、これいったい背景はどうなってんのという非現実的な構図をそのまま真正直に受け取って、物語にしたもの。ジョークとしか思えない。

# 娼婦たち、人魚でいっぱいの海
まさにタイトル通りの光景なんだけど、何のことだかよく分からない。

# 歪み真珠

## 美しい背中のアタランテ
神話の知識が必要。アルゴナウタイは金羊毛を求める船旅で、アタランテは実際には参加したことになっているが、参加できなかった場合の並行世界的な話。だがよく分からん。

## マスクとベルガマスク
よく分からん。

## 聖アントワーヌの憂鬱
ループから抜け出せなくなってしまった感じかな。

## 水源地まで
現代風で現実的な設定になっているのが珍しい。それでも「水源を管理する魔女」や「橋姫」などの不思議な登場人物がいるし、複雑な山道を通って来たはずなのに山奥から海までが一直線に見通せるという違和感など、すこしずれた世界という感じがする。

## 向日性について
人が日向では活動し、日陰では横になって眠る世界。なんだろう。不思議。

## ドロテアの首と銀の皿
木に囲まれた洋館で冬眠をする人々という設定をラピスラズリと共有している。
つい意味や答えを求めながら読む癖がついてしまっているけれど、文章から立ち上がってくる風景や雰囲気に身を任せていればいいのだな。これはなかなかよかった。
皿に乗っていた首の持ち主、自殺した街娘は誰だったんだろう。何があったんだろう。

## 影盗みの話
影盗みが何なのか分からないままだが、たぶん生まれつきそういう属性をもった人がいる世界の話。考えてみればラピスラズリの冬籠りもこの世界には存在しない属性をもった人がいる世界の話で、要は現実とは少しだけずれた平行世界のようなものにおける物語が多いことに気づいた。

## 火の発見
ボルヘス的。

## アンヌンツィアツィオーネ
って受胎告知って意味だったとは。
ラストの「ふたなり」「世界を滅ぼす」にはどきっとした。大丈夫なのかな?

## 夜の宮殿の観光、女王との謁見つき
意味や答えを考えずに読むとすれば、特にどうという感想もない。大理石の糞だから何なんだ。

## 夜の宮殿と輝くまひるの塔
女王の庶子の物語は誰かの想像なのだろうか。なかなか心を打つ話。この物語を聞いて、女王の表情が憤怒に見えたということだろうか。

## 紫禁城の後宮でひとりの女が
西太后と幼い溥儀が登場しているようだ。龍族という通り、西太后が龍だったと思わせる描写がある。纏足は龍の足を隠すためのものだった。

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2019年06月15日

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