【感想・ネタバレ】トリップのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

トリップはそんな前からの作品だったのね。名前だけインプットしてたけど、アウトプットしてみたよ。それぞれ登場する人物に思い入れがないけど、辛い経験してる小学生にただただLSDの主婦に冴えない肉屋に腹の中真っ黒な喫茶店中年女に、あーそうか同じ時期同じ時間に同時に起こっているのが重要なのかなぁ。ホント大量に出ていたけど、消化する前に次の小説に移るのかな自分。交差する訳じゃないし、続く訳じゃないし でも1人のお題が丁度いい長さだった。

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2023年08月21日

Posted by ブクログ

東京郊外のどこにでもあるような街の中で暮らす
どこにでもいそうな人々の葛藤、挫折、日常の閉塞感を見事に描いた天才!角田光代の秀逸な連作短編作品です!

角田光代作品はどれも面白いのですが
特に連作短編はめちゃくちゃ面白いので
読み初めから期待感が高まりました。

一話目で女子高生が河川敷で大声で叫ぶシーンがとても印象的で、この作品に出てくる人達のもやもや感や
閉塞感を象徴してるような感じがしました。

「百合と探偵」という話の中で
「今がものすごく充実、とか、満足、とかって気持ちじゃない。だからあたしはいつも、
ここを目指していたのかもしれないという思いに
とらわれるとき、本当に、唖然とするんだ。
こんなところだったのかって。
必死になって手に入れて、大事に握りしめてたものを
すべて手放して、代わりに今手のひらにあるものは、
これっぽっちなのかって。

この言葉はかなり胸に突き刺さる言葉でした…
ある程度年齢のいってる方ならば、
自分の人生を振り返ってみて、現在の自分の位置を見つめ直して、失望感やあきらめを抱いたこともあるんではないでしょうか。

この平凡な街の平凡な人々の人生を自分と重ね合わせて、思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
天才!角田光代 万歳!!

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2022年06月14日

Posted by ブクログ

角田光代さんの短編集です。各話に出てくる主人公は皆、何かが欠如しているように感じました。足りないものを埋めるように必死で過ごしているけれど、埋まらない、満ち足りない。そんな感じ。でも各主人公にどこか共感を覚えるのは全て悲観的に捉えて投げ出すことはしなくて、泥臭くも這いつくばりそして他者への優しさが垣間見えるからです。

読み終えた今、どんな感情でいるのか正直説明がつきません。

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

連作短編、意外な形で微妙に繋がっていくのが面白かった。いつも思うが、普通の人の暗い部分を描くのがすごく上手い。とてもリアルで、そういうことあるな、という気持ちになる。でもやはり普通の人を描いてるから、特段すごいことが起こるのでもない。みんなそんなもんだよなあと思う。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

10編の短編集、最後の2編がどことなく結びつく。それそれが晴れ晴れとした感じでは無く重い感じ現実的な内容に近いのでは…
(角田さんは好きな作家さんの1人
久しぶりに手に取りました。)

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2022年10月25日

Posted by ブクログ

連作というんですね、次のお話の主人公が絡んでて、その人なら私も知ってるという噂話に参加しているみたいないな感じで、楽しく?読み進めてしまいました。登場人物を自分と重ねたり、反論したり。毎日が充実している人が読んだら、退屈なお話となるのでしょうが、私レベルでは、本質は登場人物と大差ないのかな、という閉塞感を共有してしまい、ちょっと暗くなってしまいますが、おもしろかったです。

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2022年08月21日

Posted by ブクログ

感想に困ってしまう小説。
救いはあるのかな。
短編集の中でもぐさりときたのが離婚した初老の女性の話。彼女が見た現実と彼女の娘の見る現実とが全く違う。どちらが合っているのかは分からない。分かるのは二人は合わないのだろう。
けれども他の短編小説に書かれていたようにその瞬間だけは相手を思う気持ちはあったのだと思う。ただそれは永続的ではなく相手の気持ちを汲めなかったのかもしれない。誰にも答えなんて分からない。
すっきりしないまま終わってしまうけれどきっとまた読む日はくると思う。

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2022年08月18日

Posted by ブクログ

何というか、言葉で表現しづらい日常のもやもやした感覚を、うまく表現できるのだなぁ角田さんは、と思う。
私は面白かったです。

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2022年02月15日

Posted by ブクログ

ちょっと可哀想で、ちょっと繊細な、その場所に馴染めていないような登場人物たちが愛おしくなる。短編集で、色んな主人公たちが出てくるが、性格も境遇も立場も違うのに全員が生き生きとしていて、さすが角田光代さんだと思った。自分と性格の違う人間をリアルに描けることがまずすごい!角田小説、また読みたい。

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2022年01月17日

Posted by ブクログ

なんとなく生きてるような人たちの短編集

日常のなんとなくの色褪せたような感覚をかなりリアルな描写で書いてて上手いなーと読んでて何度も思った
もっと読んでいたいと思うような感じばかりの短編集だけど、全部の終わり方がふわっと、だけどかなり意味があるような感じでよくわからずもやっと。
文学的な色んな意味と取れるような、何も意味がないような文で終わる
まぁオチがあるような話なわけじゃないからそれが正解なんだろうけど。

薬物摂取してる主婦の話ですLSDだけで依存みたいないつもボーッとしてるような症状になる人っているんだって思った

処女とか童貞とか何も楽しみがないような人生とかなんとなく結婚して35年経っちゃってる人とか割とあるんだろうなー
みんな周りの人は幸せそうだけど、そういう人もまぁいるよねえ

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2021年12月18日

Posted by ブクログ

カフェとか、駅で人を待ってる時とかに、前を通り過ぎる人たちを見ながら、この人はどんな生活をしてて、今は何しにどこに向かってるんだろうと、ぼんやり想像してみたりするけど、その想像が小説になっている感じだった。
同じ街を舞台にそこに住む人達の話がいくつか入っているけど、それぞれの登場人物が事情を抱えながら、それぞれに考えながら、一見普通に暮らしている。短い話だけどひとつひとつ読み終わった後に一息ついて、思いを馳せたくなる。
ちらっと前に出てきた人が横切ったりして、それも他の話の続きを垣間見れたようで面白かった。
1番好きな話は、「秋のひまわり」

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2021年04月19日

Posted by ブクログ

“小さな不幸”と、紹介文には書いてありましたが、読んでみたらとんでもない。今後の人生に大きな爪痕を残しそうな凄惨な経験をした人も何人かいました。笑 が、みんなそれぞれ最後は少しだけ右肩上がりな気持ちで終わっていてなんだかホッとしまきた。

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2021年01月31日

Posted by ブクログ

日常の中で逃げ出したいと思うことや、どこか違う世界に行きたい、今の自分の生活に飽き飽きすることがある。
でも、街中にいるだれかも同じような思いを抱えているかもしれない。外から見ただけではわからない。
人間を少し好きになれるような話。誰もが不恰好で、いろんな思いを抱えている。
角田さんの小説は、この作品も含め、人間の嫌な部分やかっこ悪い部分、空虚な部分をあらわにする。だから読んでいて共感もするけど、少し嫌な気持ちになる。

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2018年12月01日

Posted by ブクログ

小さな町の日常の中に隠れる小さな不幸と小さな幸せ。
人間観察が好きな私はけっこう好きなお話です。
世間って 広いようで狭くて 狭いようで広い。
私もいつも行くスーパーやコンビニのレジの人とか、
ガソリンスタンドの店員さんとか、顔を知ってる人がチラチラいる。しばらく見ないと ふと、あら、そういえば最近見ないなって思ったりする。
私もそうゆう風に見られてるのかもしれないし、私がこの町に生きている証として見てる人がいたらいいなと思う。

2019/06/26 再読

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2019年06月26日

Posted by ブクログ

東京郊外にあるどこかぱっとしない商店街の小さな町が舞台となり、そこで暮らす人々の心模様を描いた連作短編。
一話一話がかなり短いのでサクッと読める。


『空の底』次の一瞬、わたしはあーとかぎゃーとか叫び出して(中略)暴れるかもしれない、
という描写があるが、自分も日常のふとした瞬間に、ここで急に暴れたら、どうなるのか?と考えることがある。実際はそんなことすることもなく杞憂に終わるのだけれども。ただ、こんなことを考えるのは自分だけだと思っていたのでとてもびっくりした。
角田さんは、形容しがたい心のうちを表現するのが上手だなと思う。

『橋の向こうの墓地』の黒田はインパクトが強く、すごく印象に残った。


どの話もリアルで、それでいて非現実的のような、読んでいると夢と現実の狭間にいるような感覚になる。

誰もが生きづらさを抱えながら、その中でささやかな幸せを見つけて生きているんだろうな。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

東京近郊の街に暮らす凡庸な人々が、日常に心の中でどこか違和感やズレを持ちながら毎日を淡々と生きるのを描いた連作小説。

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

少しづつ繋がっている人々の日常的な短編集。
その繋がり方がなんともいい具合になってる。
普通にありそうで なさそうで テンポ良く描かれている。面白いリレー小説でした。

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2023年09月06日

Posted by ブクログ

どの登場人物も、どこか思い通りにいかない人生を生きている。そして、何か不満や不安を抱えている。もしかしたら、この人物は、私だったかもしれない、と感じてしまう何とも言えない親近感がある。時々、手にとって読みたい連作集だ。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

読みやすい小説
曖昧だけど声優〜フラワー〜喫茶などなど毎回「私が本当にやりたかったのは」と言いながら学び続ける女の子(私じゃん)を肯定とも否定ともつかない文章で書いていて角田光代やさしー…

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

とある町で暮らす人たちの連作短編集

1つのテーマの絵をいろんな角度から
切り取ったみたいに感じた
読み終えるとすごーくじっくり観察した気分

性別も年齢も職業も多様な人たちなのに
彼ら(彼女ら)の日常がありありと描かれていてすごい
このすごさは解説で気付かされた

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2022年05月20日

Posted by ブクログ

角田光代さんらしいー!
周りから見れば、何の変哲もない「普通の町」に
生きる、「普通の人」。だけどみんな抱えていて。
狭い世界で、抱えて生きている。変わり映えのない
毎日の中でふとした時に感じる虚しさも、
自分でも何故かわからない孤独感も、
それと共に思い出される自分だけがわかる情景も。
少しの感情の揺れや澱み。
出てくる登場人物一人ひとりが、抱えた問題に向き合ったり寄り添ったり、共存しながら、生きていけますようにと願ってしまうような。

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2022年05月18日

Posted by ブクログ

アンダーグラウンドな感じと言っていいのかわからないけど、それでも最後には光を見させてくれる作品だった。映画館を出た後に、自分が今見ている世界が特別に思えるようなあの感覚をなんとなく思い出した。

いまいち入り込めなさがあったから、時間経ってからもう一度読み返したい。

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2022年02月24日

Posted by ブクログ

トリップという題名がピッタリな短編集。それぞれがそれぞれの生活を抱えながら、どこかささいなトリップをしながら、トリップに憧れながら生活を送る。 日常の中のちょっとした異質。異常であり、当たり前でもある。
角田光代は、こうゆう話がホントにうまいなぁ

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2021年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作のおもしろさが多分に詰まっていた。
自分のダメなところがえぐられるような、突かれたくないところをずっとほじられているような、苦しい感覚。私はすごくだめ人間なので、理解できてしまうところが結構あって、救いがあるようでないのが作り物感なくて、でも物語として結構好きだった。読みやすかった。

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

淡々と綴られていく様々な日常。
自分もこの物語のどこかに存在する感覚になり、登場人物たちと同じ時間軸を過ごすかのようなテンポで読み進めた。

同じ時間に起きて、会社に行き、仕事をして、帰ってくる…そんな生活の中にいると、誰も彼もが道を踏み外すことなどせず、正しく真っ直ぐに生きている様に見えてくる。

でも、本当はそんなことはなくて、いつも気取っているあの人も、自分の人生が正解と言わんばかりのあの人も、表に見えているのはその人のほんの一部で、実は「トリップ」した時を過ごしていたりして…。なんてリアルに想像してしまった。

つまずいて逃げたり、失敗してどん底に落ちたり、私の人生って、何でこんなにダメなんだろう。って思っていたけれど、案外みんなそんな一面を抱えているのかも…こんな人生だけど、まぁいっか。そんなもんかな。と気持ちが楽になった

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2020年08月01日

Posted by ブクログ

ありふれた町の、ふつうの人々の、すこしズレた日常…一人ひとりが居場所を探している。
平凡な町にもちょっと入り組んだところに、こんな「ズレ」が隠れているのかな…

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2020年06月25日

Posted by ブクログ

見知らぬ土地の商店街を歩いている時に、たまたますれ違った人の、少し世間からトリップした人達の物語。

駆け落ちに失敗した女子高生、ドラッグに溺れる主婦、日常に退屈している主夫など、世間という枠組みから少し外れた人々の日常や心情が良く表現されている。

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2019年09月15日

Posted by ブクログ

どの話も影があって救いようのない話ばかりだが、同情からかそこに光を見出してしまい何故か引き込まれてしまった。

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2019年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

角田さんの人物の描き方が好きで
この作品もその点は良かったですが...

最後に全てがぱっと繋がるのかな、と
勝手に期待してしまったために
意外と普通だったなあという感想が大きいです。

短編集だし、連載だし、
仕方ないのですが...

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2019年02月03日

Posted by ブクログ

ありそうでない設定がちりばめられた連作小説。
それぞれのお話につながっている部分がいくつかあり、違う角度から登場人物が見れたりしてわくわくしながら読んだ。

パッとしたインパクトはないし決して明るいお話ではないんだけど、読んだ後心がすっきりするような作品だった。
「秋のひまわり」がお気に入り。

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2018年09月26日

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