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Posted by ブクログ
自分がたまに楽しんでいる低山の山道を歩きながら、同行の仲間と、どうしてこの道が出来たのだろう?誰が作ったんだろう?という会話をなんとなくしています。ケモノ道だったところに修験道の行者が通ったり、山窩の人たちが通ったり、林業のために整備されたり、みたいなことかな、と想像して、いつもはそれで終わり。でもたまたま手にした本書によって、日本人にとって山というものの歴史をダイナミックに感じることが出来ました。それは、山頂というゴールについての物語ではなく、山と麓の間の中間部をめぐる歴史なのでした。そこに、神道と仏教、都と地方、天皇と上皇という日本という国の成り立ちのための要素がなだれ込んでいるのです。題名からは予想出来なかった、知的な興奮を覚えました。序章で著者は『古代における大陸からの宗教的影響、分権的な中世社会が統一権力の形成へ向かう過程、そして近世幕藩制社会の成立から宗教社会の近代化といった、日本列島全体を覆う大きな社会的変動とのかかわりを踏まえながら、山の宗教の輪郭を描くことを目指したい。』と宣言していますが、なんかその壮大な意気込みに巻き込まれました。本書の狙いの「山と人の宗教誌」は現在の登山ブームへの視点も与える現在進行形の日本人の心性の物語なのでもあります。一方、終章で、『「山と人の宗教誌」は、まもなく語ることさえ不可能な段階に突入しつつある。』と危機感も表明しています。次に山歩く時の目の配り方が変わりそうな読書でした。
Posted by ブクログ
ずっと気になってる修験のこと。
この本では歴史的な概略が一望できる。
その初期から中央と結びついていたこと、
信徒をガイドする特権、
地元との関係、
南北朝の頃はすっかり武士のようだったこと、
権力とかなり近い関係があったこと、
などなど。
だけど実のところその始まりから「それツァムやん」としか思えないんやけどね。
御嶽山に登ったとき、「講」の御一行も来ていた。白装束で六根清浄とか言いながら登るってなんか映画みたいじゃの〜と思いながら眺めてたのを覚えてる。
う〜ん。行場の山めぐりしてみたくなるやん。
#読書メモ #日本人と山の宗教 #菊池大樹 #修験