【感想・ネタバレ】アリ語で寝言を言いましたのレビュー

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Posted by ブクログ

あるラジオ番組で、著者の村上さんがゲスト出演されており、お話がすごく面白かったので、もっとしりたと思い、こちらの本を手に取った。
アリの社会がこんなにも複雑で、かつ、そのシステムがこんなにも多様性に富んでいるということを知らなかった。さすが5000万年の歴史を持つだけのことはある…
子どもを生まないけれど同胞のために休みなく動く働きアリ、勢力互角のため直接対戦を避けるハキリアリとグンタイアリ。働きアリを騙してコロニーを乗っとるサムライアリ…つい今の人間社会に投影してしまった。
人類より遥かにながい生命の歴史を持つアリから学べることはかなり多そう!研究は大変そうだけど頑張ってほしい。応援してます!

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

ひたすらに面白い。アリは社会性のある生き物、ということだけはよく聞くが、その詳細は知らなかった。多くの人はそうなのではないだろうか。

どうやら働き者らしい、この「アリ」という生物。
ひとくちにアリと言っても多様な種類があり、それだけの社会の形態がある。

直接的には子孫を残さない「働きアリ」がせっせと働く背景には「利己的な遺伝子」が暗躍していたり、「働きアリの法則」にはアリの種類による違いがあったり。身近なようで知らなかったアリの世界がらありありと提示される。

そして何よりも、村上先生の情熱。この情熱に触れられるという点が、本書のもう一つの醍醐味だ。

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2021年01月14日

Posted by ブクログ

生き物に興味がある人はとても楽しく読めると思います。
興味がなくても、村上先生のポップな文章で読みやすく、楽しめると思います。

環境に適応しながら生きているアリと環境に負荷をかけながら生きている私たち人間。ありからは学ぶことがたくさんありました。

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2020年12月30日

Posted by ブクログ

真社会性生物のアリ。5千万年前からほぼ現在と同様の形態。その魅力にハマり研究する筆者。真摯な研究態度に好感が持てる。

真社会生物とは、集団が協力して子育てを行い子供を産まない個体が存する、繁殖だげ行う女王が存在、世代が重なるという特性を持つ。ハチ、アリ、シロアリやハダカデバネズミなど。

筆者はハキリアリという巣でキノコを育てるアリの研究者。本書はハキリアリをはじめグンタイアリ今流行りのヒアリなどの不思議な生体と研究生活を実に分かりやすく語る。複雑かつ巧妙な生態がどのような過程で獲得されたか、謎が多い。

ヒトの歴史はたかだか20万年、5千万年の歴史のあるアリ社会は環境の変化に対するヒトの社会に役に立つ見本となるかもしれない。

バッタだったりウナギだったり鳥だったり、ニッチな研究について面白可笑しく語る本は一つのジャンル。だが本書で好感が持てるのは自虐、ウケ狙いが全くなく、筆者が本当にアリの魅力を語っているところ。専門的な内容であっても知的な発見の連続が本書で堪能できる。

筆者のアリ愛。一見無駄そうな基礎研究の大切さと楽しさを教えてくれる1冊でした。文句なしに五つ星です。

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2020年11月12日

Posted by ブクログ

世の中には色んなものを見ている人がいるんだなぁと思いました。
誰もが身近で知っている「アリ」について。
でも、読んだら全く未知の世界が広がってました。

おしゃべりをするハキリアリ、
キノコを育て農業をするキノコアリ
アギトアリ、アミメアリ、パラポネラ‥など、聞いたことのないアリ、アリ、アリ、アリ…
なんと多種多様なアリがいることか!
女王アリ誕生のメカニズムも実に様々。1つのコロニーに1匹だけかと思ってたら、多数いるものもあり。
知れば知るほど驚きの生態!
でもそれを知るためには地道でチマチマした実験と危険なフィールドワーク。
.
60匹ものアリの身体に個体識別のマーキング、顕微鏡で15分毎 10時間×5日の観察、アリ語の音声分析、アリのコロニーの発掘。
どれかを手伝うとしたら究極の選択だな…。
グンタイアリやダニなど、どんな危険な生物に出会うかもわからないアリのフィールドワークは想像以上の過酷さで命懸けのご様子でした。

著者は日本でも数年前に確認された外来種「ヒアリ」についても、研究をされています。
本書を読んで、生態系に及ぼす影響の大きさを想像できるようになると、研究者がいて警鐘をならしてくれるありがたみを感じた。

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2022年06月25日

Posted by ブクログ

アリの見方が変わる。
アリ語?農業?女王アリの存在?オス蟻って!?
最後のヒアリについてもためになりました。

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2021年06月08日

Posted by ブクログ

アリ研究者のエッセイ。タイトルがキャッチー。

著者の専門は「菌食アリ」と呼ばれる、ハキリアリやキノコアリである。彼らは農業を営むアリとも言われていて、巣の中に畑を作り、そこでキノコなどの菌類を育てて女王や幼虫の餌にしている。ハキリアリは葉っぱを切って運ぶことからその名がついているが、この葉っぱを直接食べるのではなく、キノコを育てるために使う。
アリは社会性動物であり、ハキリアリも女王を中心として、育児やキノコ栽培といった複雑な社会生活を送る。その際にはもちろん、コミュニケーションが必要なわけだが、従来いわれてきた「におい」によるコミュニケーションに加えて、音声のコミュニケーションがある、というのが本書の1つの読ませどころだ。

アリがどう話すのかというと、
キュキュキュキュ キュッキュキュキュキュキュ
キュキュキュ キュキュキュ
キュンキュン ギョギョ
という具合。
発音器官は、胸と腹部の間にある「腹柄節」という部分だ。昆虫の中でもアリにしかない。
小さなアリが小さな部分で立てる音を拾うには、高性能の小型録音装置が必要になる。まともに買うと飛んでもない価格だが、著者は安い部品を集めて工夫して高性能のものを用意する。
これを飼育ケースにセットして、キノコ畑を再現し、アリを入れる、というわけだが。
人相手の言語学者であれば、現地の人とコミュニケーションを取りながら、どの行動でどんな言葉が発せられるかを調べ、仮説を立てながら検証していく。
しかし、相手はアリ。ひたすら行動観察して音声と突き合わせていく。これが飛んでもなく地道な作業である。録音した音を聞きながら、あるシチュエーションで「キャ」が何回、このシチュエーションでは「キュキュ」が何回、この場合は「ギー」が何回と、「正」の字を書きながら(!)数えていく。あるアリなどは15分で7000回もしゃべっており、この15分の解析だけで1ヶ月掛かったというから気が遠くなる。著者も
「本当にお前、意味のあることしゃべってるのか?」
とぼやきたくなったというのもむべなるかな・・・。で、挙句の果てに、寝言でまでアリ語をしゃべるようになってしまったのがタイトルの意味。
この解析の結果から、行動と音声の関係に関して、いろいろおもしろいことがわかってきたそうで、近いうちに論文発表されるとのことである。

地道な解析に加えて、現地(ハキリアリはパナマなど中南米にいるため)でのディープな研究者生活の話も興味深い。
著者はヒアリも専門にしていて、最終章はヒアリにあてられている。近年、日本への本格上陸も警戒されているが、そのためにはまず、ヒアリについて正しい知識を持つことが大切だという。

特異なアリの研究から、「社会性とは何か」や、ヒトと「害虫」との関わりについても見えてくる。
軽く読めてディープで楽しい。

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2021年01月21日

Posted by ブクログ

キノコアリ種 ハキリアリ、ムカシキノコアリ ウロコキノコアリ(祖先)
 巣の中にキノコ畑 中南米生息
 マヤ文明神話集 Popol Vuhにもハキリアリは出てくる
 「そのう」で発酵させた食べ物を吐き出してキノコ酵母のつぶにする。
 女王アリと幼虫のえさに。
 アリの巣にしか存在しない共生菌。それに寄生するそこにしかいない寄生菌。 
 寄生菌の抗生物質をだすバクテリアがアリの体内に。

農業とは、人間が代わりに「穀物の社会」を進化させられたもの?
 世話するエネルギー>農作物のエネルギー

教科書が正解ではなく、自分のスキルとデータから論を構築。新発見につながる。

フェロモン
 アリは捨てられるにおいとそれを妨害するにおいを出す。

ハキリアリの女王アリ 
 巣の菌を口に、結婚飛行、
 数個体のオスと交尾し精子を20年間保存し生涯3000万個の卵を産む。
 ひとつの巣から200個体以上の女王アリ新たな巣を築くのは1個体程度。
 働きアリはすべて雌 寿命は3か月。長時間の休みはとらない24時間労働。
 女王が死ぬと働きアリの卵巣が発達して卵を産むがオスにしかならない。 
 最後の手段。

ハキリアリの言葉
 発音器官:腹柄節 
 音によるハキリアリの防除 コーヒー、オレンジ、野菜
 ヒアリも音で巣から誘い出す。

サムライアリ
 クロヤマアリの幼虫や蛹を奪い働かせる社会寄生種
 新女王アリ 巣の乗っ取り プロパガンダ物質でクロヤマアリを錯乱
 シジミチョウ幼虫 匂いの擬態と女王アリの音を真似る。

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2020年11月23日

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