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Posted by ブクログ
菌類と細菌類の違いさえよく分からない状態から読みました。
最初に生物の分類、それこそウイルスは生物ではないという話から入るので、ありがたかったです。
遺伝子解析の結果を踏まえたドメインとかスーパーグループといった分類が登場していて、押し入れから掘り出した高校生物の資料集の内容が覆っていることにも、時の流れを感じましたね。
この本では菌類だけでなく、アメーバや細菌についても触れてくれるので、十把一絡げにしてしまいがちな微生物たちを、切り分けて認識する端緒になりました。
菌類は、カビ、酵母、キノコというだけでなくて、その中でも個性を持った様々な種類がいるということは、本書の全体で強調されているところだと思います。
生活環の違いや、後半の方に出てくる酵母とバイオエタノールの話も興味深かったです。
ただ、生物の分類のところ以外は、あまり体系的な理解が得られるという本でもないので、菌類に興味を持った方の入口として気軽に読むのがいいと思います。
あと、特に序盤で「オピストコンタ」のようなカタカナ語(学名)が頻出するので、ラテン語・ギリシア語の知識がないと辟易するかもしれません。