【感想・ネタバレ】絵本の春のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

怪奇幻想ホラーは古典の方が怖いと改めて実感する。屋敷町の荒れ果てた裏小路、十歳くらいの「私」が土塀の一ヶ所にくっついて庭の中を覗いていた。占い師をしている小母さんがやってきて、恐ろしい伝説を聞かせてくれた。「あの組屋敷の侍が巳巳巳巳、巳の年月の揃った若い女の生肝で治るというので、侍は人買いから若い女を手に入れ、雨戸をまな板代わりに、女の裸を鎹で打ちつけ、真っ白な腹をずぶずぶと割く。そして蛇は美女に化け、洪水を起こしたのだ。」すべては蛇の怨念だった。口語体ゆえに怖さが倍増した。④

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

★新坊や、可恐い処だ、あすこは可恐い処だよ。
 絵が凄い。それだけでも持っておきたくなる。
 あやしい小路があり逢魔が時なは貸本屋の札が貼られているのが見えたりするのだが占いをやってる小母さんは一度死んで甦ったことがあり身体も大きくなかば魔に近い存在なので平気でそのせいか少年だった頃の「私」もなんとなく親しみを感じていたりしてひっそりと覗いてみたりするのだった。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

鏡花の妖しく美しい世界を画家である金井田英津子さんのスタイリッシュでノスタルジックな画が響き合い、より不思議な世界を作り出しています。逢魔ヶ刻、魔の小路を覗く少年。娘の時に一度死んで通夜の三日の真夜中に蘇った大女の小母さん。今はなき曰く付きの組屋敷。全てが薄暮にくすむ世界で妖しさだけが絢爛に輝く。憧憬に誘い込むのは鬼か蛇か。或いはもっと別の何かなのかもしれない。本作に登場する田舎町は鏡花の故郷である金沢がモデルであるらしい。彼が描き出す世界は何時でも故郷への哀愁と亡き母のへの思慕が彼岸と此岸のあわいに揺曳している。帯の澁澤龍彦の文も良い。比較的読みやすいので初めて鏡花を読む人にも本書はお勧め。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

なんて美しい画本だろう。
鏡花の名文から立ち現れたような絵が誘う、奇しくも美しい世界。
"…鏡花はまるで物語というものの永続性を言祝ぐかのようなタイトルにふさわしく、作品の舞台を花咲き誇る爛漫の春に置き換えた"…。

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2022年01月23日

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