【感想・ネタバレ】弟切草 小烏神社奇譚のレビュー

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Posted by ブクログ

続編が気になる終わり方!
ちょっと漫画みたいな感覚で読み進めた.
なんて言うか…弟にソレを頼むのは無しでしょ??

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

舞台は江戸初期。主役は小烏神社の宮司、竜晴。陰陽師の家系である賀茂一族の生まれだ。クールな竜晴と対照的に、友人で医者の泰山は人情派。最初は夢枕獏「陰陽師」のような感じかな?と思ったけど、それほどのコンビ感はなかった。でも付喪神が二柱でてきて、彼らが良い味を出していて楽しい。江戸鎮護に係わっていた歴史上の人物、天海大僧正も登場して、ちょっとワクワクした。明らかに続編がある終わり方だったので、続きも読みたい。

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2021年03月12日

Posted by ブクログ

読みやすくて、ぐいぐい引き込まれて、一気に読んでしまった。
陰陽師の血を引く宮司、人の良い医者、本体が行方不明で記憶を失っている付喪神、登場人物が魅力的で、これからきっと、どんどん人物像が深まっていって、面白くなっていくに違いないと期待させてくれる本だった。
この本は、薬種問屋一家の事件の話で、兄弟をついつい比べてしまう親や劣等感に苛まれる弟、そこに怨霊が絡んできたりと盛りだくさんなのに、違和感なく話が進んでいく。
小烏神社奇譚、続きがでたらまた読みたい。

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2020年07月26日

Posted by ブクログ

小烏神社の宮司・竜晴は風水や陰陽道にも通じていた。ある日寛永寺の大僧正に呼び出された。不忍池近くに身元不明の男の首が埋められているのが発見された。その男の正体、そしてどういう経緯でそこに埋められたのか内密に調べてほしいと頼まれる。

遺体の身元は薬種問屋の長男であると判明した。彼が殺されたと思われる夜、怪しい男も目撃されている。竜晴の親友、医者の泰山は道端で死にかかっている男に出くわし、神社で手当する。その男は泰山の幼馴染みで薬種問屋の道楽者の次男坊。そして目撃された怪しい男に風貌が似ている。
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何の前触れもなく、本屋でタイトル書いしちゃいました。てっきり梨木果歩みたいな小説を予想していましたら…ありゃりゃ?時代小説でした。普段時代小説ってあまり読まないのです。でも、あらすじに書いたように若干ミステリー仕立てになっていたので、そこそこ楽しめました。

陰陽師とかそういうスピリチュアル?な力を使って事件を解決するので、本格ミステリー派の人からみたら、ちょっと反則でしょうが…
謎も、まあ、想定の範囲内でドンデン返しなどありませんし、若干説教臭いところもありますが、毒はそんなになく隙間時間を埋めるのにはいいでしょう。

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

小烏神社奇譚 シリーズ1

江戸、上野の奥まった場所にある、小烏神社の若き宮司・賀茂竜晴は、整った顔立ちゆえに、少し冷たく見える。
小烏神社の庭に、2年前から薬草を育てている、醫者で本草學者の立花泰山が、唯一の友達であるが、陰陽師の血を引く、竜晴には「抜丸」と「小烏丸」という付喪神が二柱いる。
白蛇の姿をした「抜丸」の本体は神社に祀られているが、烏の姿をした「小烏丸」の本体は、海の底に沈んでいるらしい。

ある日、泰山が、幼馴染の薬種問屋の次男・千吉が、毒を飲み、倒れている所に出くわし、小烏神社に運び込んだ。
幸に一命を取りとめるが、同じ頃、千吉の兄の遺体が、将軍家の菩提寺・寛永寺で見つかった。
天海は「江戸の鬼門を揺るがす一大事」と、竜晴に事件の解明を求めた。

竜晴は、泰山と二柱の付喪神の協力を得、兄弟の秘密と、因縁に迫る。

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

タイトルの弟切草、漢字で書くと何とも意味深で怖い。
その由来はというと、鷹の傷に効くというこの植物のことを秘密にしていた鷹匠だがその弟が他人に明かしてしまったために鷹匠に切られて殺されたという。葉に散った無数の黒い点はその時の弟の血飛沫だとか。
…という禍々しい由来の植物をタイトルにしてあるが、作品の雰囲気はそこまで暗くない。

主人公は小烏神社という古い(というかボロい)神社のただ一人の宮司・賀茂竜晴。
一言主命と縁が深く言霊を操る力に長けている竜晴には二柱の付喪神が側に付いている。それが普段は白蛇の姿の抜丸と烏の姿の小烏丸だ。
二柱とも由緒ある刀の付喪神だが、小烏丸の本体である刀、その名も同じ小烏丸は行方不明。本体が傍にないからか、付喪神の小烏丸は時折自分でも制御出来ない動きをする。
この二柱の付喪神が愛らしく、人間的にはどこか危なっかしい竜晴を生活面でも精神面でも支える頼もしさもある。

そして竜晴の唯一の友人・医者の泰山も良い。貧しい者からは見料を取らないとかで常にお腹を空かしているくらいのお人好しだが、竜晴のことも常に気にしている。

事件は竜晴が寛永寺の大僧正・天海に頼まれ、敷地内で見つかった埋められた生首の主とそれが江戸城へ向けられた呪詛かどうかを調べることから始まる。
同じ頃、泰山は小烏神社近くで苦しむ男を見つけ神社へ運ぶのだが…。

読み進めるに連れてタイトルの意味が切なく響いてくる。
相手を想うが故に相手を苦しめ、誰かを強く想うが故に他の誰かを知らず知らずのうちに蔑ろにしてしまう。
そしてその念はこんなにも強く続くのかと驚かされる。

竜晴の力は一時的に物事を鎮めることは出来ても真の解決は当事者たちの心の有り様を変えるしかない。
そうしたスーパー陰陽師ではないことが描かれ、最終的には人と人のドラマにしてあるところは良かった。

小烏丸の本体の行方が分かっていない辺り、続編がありそうだ。
キャラクターや展開にはぎこちないところもあるが、続編があれば読んでいきたい。

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2020年08月16日

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