【感想・ネタバレ】パーマネント神喜劇(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

見た目は、趣味の悪い柄もののシャツを着たおっさん。でも「神様」なんです。それも主な担当は『縁結び』。小さな町の、名も無い神社で千年もお役目をつとめてきた。そんな神様のところに、取材が入った。髪をぴっちりと分け、メガネをかけた姿はまるでサラリーマン。だけどこちらも「神様」。さらに、神様の昇進をかけた試験も絡んでいるからなんだかややこしいことに…。

「神様」を主人公とした連作短編を一つにまとめた本書。単なる"縁結びのエピソード集"かと思わせて、実はしっかりと芯が通っていて読みごたえがあります。
理屈っぽい男•篠崎肇と恋人の坂本みさきのカップルの縁を取りまとめる「はじめの一歩」
昇進と異動を目前にした神様がトラブルに巻き込まれ、いい加減な暮らしをしてきた男•宇喜田英二が棚ぼたを手にするが…。「当たり屋」
小説家志望のトシと役者志望のシュンが、それぞれの夢を諦めかけるも、神様の昇進試験とかち合って…「トシ&シュン」
取材に来ていたライターの本が完成した。本を届けてもらったその時に地震が起こって…。「パーマネント神喜劇」

万城目学の小説は、神様などの"目に見えない存在"を扱うと無茶苦茶面白いですね。いい味出してます。


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2024年04月28日

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裏切らない万城目作品!
なんだろ、自然にスラスラ楽しく読めてしまうのはやっぱり万城目さんだから?
神様系も好きなので余計に楽しめた。
賞取った新作は何となくまだ読んでないけどどうしようかな。。

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2024年04月13日

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日本人の信仰心からしたら、日本の神様はこの位お気楽な感じかもしれないな。
でも、こうやって人間や街を助けて守ってくれてるのかもと、しみじみしてしまう所もあったり。
なんやかんや、イッキ読み必至の本でした。

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2022年06月09日

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久々の万城目学さん。やっぱり良いです、万城目学さん。
万城目さんの作品はどれも清々しい。作品自体が清々しいし、読者側の気持ちとしても読み始めから読み終わりまでずっと清々しい。
それを、解説で「品がある」と表現されていて、なるほど!!と膝を打った。確かに「品がある」はしっくりくる。

主人公は縁結びの神様。姿かたちはおっさん。神々の中でも下級に属するらしく、ノルマに追われているよう。この神を取材したいと常にそばにいるライター神様。姿かたちは、銀行員。もうこれだけでわけわからん設定だけど、「神喜劇」とあるだけに、本当に楽しめる。
このおっさん神様の言葉(セリフ)だけで物語が進んでいく部分と、おっさん神様に目をかけてもらったりした人間側のストーリー部分とが交互になる構成。うまく説明できていないけど。

以下、ネタバレあります!

このおっさん神様、ちょこちょこ文句や悪口を言ったり、上位の神々にはいい顔をしようとしたり、ズルいところがあったりして、神というより人間っぽくて憎めない。こんなふうなのに、大神様がお出ましになられ、大地震を起こすからと避難命令が出された時に、人間と街を捨てて避難できないと言い切ったときには不覚にも涙が出た。私たちがあの震災を経験したからかもしれない。楽しいエンターテイメントな作品の中に、作者の祈りにも似た思いが詰まっている気がした。そして、神社行ったらちゃんと参拝しようと思った。宗教とか神とかあまりよくわからないけれど、そこには何かあるんじゃないかと思った。

大神様に逆らった時や、言霊が勝手に使われた時に、「吐きそう」とかいうお茶目なこのおっさん神様、本当に憎めないので、ぜひ読んでみてほしいです。

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2022年04月21日

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万城目学さんのつくる雰囲気がとても出ていて、非常にテンポが良い!あっという間に読み終わってしまいます。クスッと笑えてワクワクする、そんな楽しい作品です!

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2021年11月19日

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バカバカしいながらもホロつとする話で結局、最後まで楽しく読ませてもらいました。まさに神喜劇という感じでした!

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2021年03月11日

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一見して緩い設定、軽妙な言葉、テンポよく肩の力を抜いてスルスル読める。時に声を出して笑い、おおおっと驚き、そして最後は前を向いていける、そんなお話。とてもとても面白かった。

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2021年02月18日

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面白すぎた♡
神様もノルマ達成に悩み、昇進を目指し頑張っている…。語り口が絶妙で、ライター神様はじめ神様たちのキャラが濃い。
疲れた時、やる気が出ない時、前向きになれない時…サクっと読んでまた頑張ろうと思える不思議な本。

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2021年02月06日

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主人公は「神」である。
比喩的な意味ではなくて、神社に奉られている
「本物の神さま」。

他にも色々と「人間くさい」神さまが登場して、
「千年間縁結び神社で仕事していた神さまが
 昇進試験を受けて格上の神社を担当するかどうか」
みたいな話が、一応のメインストーリー。

それと交互に、神さまによって大きな影響を受けた
人間たちの暮らしぶりが描かれていく。

構成はかなりトリッキーで、神さまだから何でもありだし、
でも妙にリアリスティックな部分があったり、
結構な「やりたい放題」の印象(^ ^;

基本的にはお笑いで、あははそんなアホなとか思いながら
気楽に読み進めることができますが、
その中でも社会的な問題を絡めてしんみりしたり、
うっかり(?)感動させられてしまったり(^ ^;

変幻自在で比類無き万城目ワールド(^ ^
お好きな方にはたまらない一冊です(^o^

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2020年11月16日

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ファンタジー物だけど、神社に行ったらこの本に出てくるような神様に本当に出会えるんじゃないかと思ってしまうような物語だった。
あっという間に読み終えてれちゃうすごく読みやすい

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2022年11月02日

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なんとなくおもしそうと思って読み始めた本
人が良さそうな人間臭い?神様
日本人の八百万の神様への信仰心とほっこり神様
うっかりウルっとしたところも
楽しい本でした

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2022年08月20日

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 神社を護る(縁結び)神のお勤めを描いたコメディファンタジー。4話からなる連作短編集。

     * * * * *

 縁結び神の語りで始まるのだけれど、何か神のイメージとはズレていて、舞台喜劇を観ているようでおもしろかった。

 各話もそれぞれ味があります。
 1話目は言霊で以て煮え切らない男の欠点を封じることで恋人の仲を鮮やかに成就させる縁結び譚。 
 2話目は当たり屋をして生活しているどうしようもないぐーたら男を見事に改心させ、縁結びまでしてしまうという御利益譚。
 3話目は恋人の「男女の仲」を進展させつつそれぞれ芸道での成功に導くこの話は『杜子春』をモチーフにしたパロディ譚で、最も笑える出来栄えでした。
 そして4話目は、阪神淡路大震災と生田神社をモチーフにしたような描写で、心を打つ展開になっていました。
 最終話にこの話を持ってきたのは、万城目氏が関西に縁のある作家だからでしょうか。だとすれば作品タイトルにも納得できます。

 ともあれ、笑いあり、感動ありの、よくできた作品だったと思います。

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2022年08月19日

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最初は表紙に戸惑ったけど、終わった後はこの表紙でよかったなと。我々の日常も神さまの日々のお勤めあってこそと思うと感謝ですね。

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2022年07月07日

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面白くてするする読めた。
神様部分は1人語りなので落語の様だった。
野草好きで丁度どんぐり(スダジイ)クッキーを作った所だったので、御神木のマテバシイにはおぉっ!となった。
マテバシイは公園でよく見られる木、大きめの実でアク抜きすると食べられる秋の味覚なんだよねぇ。

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2021年12月30日

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ネタバレ

目次
・はじめの一歩
・当たり屋
・トシ&シュン
・パーマネント神喜劇

万城目学の小説ってARみたいだよなあ。
普通の日常の中にポンと異物が登場する。
ホルモーや、鹿男や、しゅららぼんや…。
小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。

日本の神様って、元々はすごく人間臭い。
だから、ここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。
神様の直系の子孫であるところの天皇家にしたって、日本人の精神性の大本ではなく、日本人の食の安全と安定供給をつかさどるものだからね。
実に実に具体的かつ現実的なのが日本人のメンタルなのでしょう。

出世のために、取材中のフリーライター(神)に、いいところは大げさに、まずいところはカットしてもらうように、いちいち注文を付ける神様のセコさよ、ブラボー。

『トシ&シュン』は、これはもうあからさまに『杜子春』のオマージュだろうと思ったけど、まさかそういう展開?な。
そして大震災によって一世一代の危機に面する神様は、セコくて器のちっちゃい神様は、それでも人間のことを愛してくれていて、ありがたくてハグしたくなるくらい。(ひれ伏すほどではない)

そんな神様の様子をじっと観察して本に書いた、フリーライターの神様の名前が「ちはやふりー」には、激しく噴いた。
だって私もノンアルビールみたいって思ったもの。
万城目学の書く変さが、私にはめっぽう面白い。
忙しい毎日で凝り固まったものが、ほぐれていくような心地よさでございました。

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2021年07月18日

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にわかに信心を起こし、神社詣でするお正月休みに読むといい感じだろうか?
うららかな新春の雰囲気に、ぴったり。

縁結びの神として千年、小さな神社で務めてきた下級神が主人公。
何と神界にもノルマがあり、査定があり、転勤も昇進もある!
そして、この神さん、小心で出世欲もあり、ちょっと小ずるかったりする。
なかなか「人間的」なお方。
でも、いざという時、出世より、人間に寄り添い、縁結びをすることを選んでしまう、泣かせる神さんでもある。

物語は凝った構成を持つ。
神の世界の話と、神を見ることができない人間の世界とを交互に描いていくのだが、時に交錯したり、夢が何層にも入れ子になっていたりと、多彩だ。

表題作のパーマネント神喜劇。
地震の被害を受けた地域を舞台とする。
大きな余震が来るたびに、下がってきていた不安の目盛りが元に戻ってしまう、という感覚。
自分は震災を経験していないが、きっと被災地の人たちはこんな不安の中にいるのだろうな、と胸が塞がる。
つい最近も震度六の余震があったばかり。
神さん、早く地震を止めてください。

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2021年02月28日

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縁結びの神様(おそらく下級)のお仕事に真面目に取り組む姿勢が、まるで日本の下っ端サラリーマンの様でおかしい。
偉い神様からの縁結びノルマも、ノルマ至上主義に対する批判はあるものの、自分の昇進を気にしペコペコするあたり、神様も日本のサラリーマンと一緒だ。
「はあ...参った。困った。吐きそう」
...神様に共感しかない。

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2021年01月14日

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1文目から表現がおもしろい。
肩肘張らずに読めるけど、その中でちょっとした気づきを得ることができます。
自分たちが崇める対象である神にも苦労があるんだなあとおもしろがりながら読むことができました。

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2020年12月10日

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京大卒の作家には独特のワールド感がある。森見登美彦さんと万城目学さんその双璧。
万城目ワールドでは京都を表立ってモチーフには余りしていないが、行間にふと漂う古の都ならではの魑魅魍魎感がやっぱ好きだなと思う。

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2020年09月29日

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 うちの産土さんにもきっといる憑神様の努力と苦労の物語です。小さいお話が4つで成り立っていて最後の一つが表題作になっています。3つ目までは内容が分かりやすく愉しく読むことふ

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2020年07月28日

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再読3回目。
おもろー。こんな毒にも薬にもならん作品(最大級の賛辞)、最近あんまりないのよね。読んだら、人にやさしくなれそうな気がした。

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2020年05月31日

Posted by ブクログ

語り形式で読みやすいので気軽に読めた。
人間味のありすぎる神様が主役の話。
出てくるキャラが濃くて愛着が湧く。

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2024年01月05日

Posted by ブクログ

身近にいる様な神様のお話。
この神様、とてもいい加減で打算的で、人間臭い。
関わってくる周りの神様もおんなじよう。
本来神様はそんなものと言うのを何処かで聞いていた気もするけど。

そんな神様だけど、やっぱり人間が好きで見捨てれず、神通力?で色んな人の願いに、真摯に向き合っている。
神様も完璧ではない部分が愛せてしまいます。

各篇の登場人物の欲や悩みも、共感できるようなもので、読みやすいものでしたが、表題作の「パーマネント神喜劇」はテーマも壮大であったが、こちらも神様っぷりを見せつけ気持ちのよいものでした。

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2023年04月18日

Posted by ブクログ

内容はほっこりしていてそれなりに面白いものの、神様の扱い方が他の作家さんの作品でもたまに見られる感じであまりオリジナリティが感じられない。
万城目氏の最大の特徴であるオリジナリティ溢れる作品をしばらく読めていないのが寂しいなあ。

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2023年02月21日

Posted by ブクログ

面白かった事は面白かったけど…
ファンタジーなのかな。
神様のイメージがオッさんというのが自分には違和感を感じました。
ベタ過ぎるのかな。

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2022年02月11日

Posted by ブクログ

神様の奮闘記。
どこか人間的で憎めない神様。
独特の世界観であっという間に読み終わった。
楽しく読める本って感じ。

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2021年12月11日

Posted by ブクログ

万城目さんの作品は京都を舞台にして独特なものが多く、たまに読みたくなる。
これは京都は全く関係ないけど、本当に気軽に読める作品。本当にこんな感じで神様は仕事してるのかも。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

ちょっとショックを受けてる。
話はおもしろかったよ。
万城目先生が悪いわけでもない。
でも、この前に辻村先生の【家族シアター】を再読して、そのまま先月買ったこの本を読んだら、どっちにも【時の罠】に収録されてる話が入ってたので、こっちもかよー!って2作分損した気分に勝手になっただけ。
文庫オリジナルってあったのにー。

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2020年08月19日

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パーマネントの意味を表紙から間違えたせいで、いつアフロの神様(もはやパーマでもない)が登場するのかと読みだしました。
が、そんな話ではなく、どこか人間くさいような一柱の神様を中心にめぐる人と人のお話でほっこりしたりほろりとしたりと、まさに某新喜劇のような作りで、安心して最後まで読める内容でした。
篇の物語のうち、最初はうさんくさく、二つ目もうさんくさく…でも憎めない、三つ目でうさんくさく……はあるけど、神様の行く末にどきどきしつつ、四つ目でほろりとする落ち着きのある話に収まっていくのが印象的で、神様と接触したこの物語の人々と同じような気持ちになりました。
タイトルの意味も読み終える頃には納得のタイトルで、町などで見かける神社やお寺にもこんな世界があるのかなと思わせられる良い一冊でした。
個人的には、二編目の悪いやつだけど悪すぎない人の顛末と四編目の些細なようで大きな奇跡がある救いのある話が面白かったです。
また、さらっと鹿男やバベル九削等の世界と繋がっているような描写やワードがあるのは、ファンとしては嬉しいところです。

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小心で小狡いのだけれども,最終的には決して人を見捨てない,愛すべきおっさんの神様のお話.物語はおっさんの神様の語りと,それにまつわる人々視点のストーリーで構成される.
「はじめの一歩」はじめの一歩にこだわる肇君のお話.実はみさきさんの掌の上.
「当たり屋」後任と思っていた神様に,貯めていた言霊の源を勝手に使われてしまってさあ大変.運をもらった当たり屋が最後にとった行動は・・・.
「トシ&シュン」これぞ縁結びの神としての矜持というお話

「パーマネント神喜劇」試すなんて大神様も,お人ではなくてお神(かな?)が悪い.

物語のはじめのうちは,神様の語りが読みにくく感じたのだけれども,読み進めるにつれて違和感なく面白く読めた.お気楽に,楽しく読める作品.

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2020年08月03日

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