【感想・ネタバレ】緑の窓口 樹木トラブル解決しますのレビュー

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Posted by ブクログ

『全ては樹木が語ってくれました。』
柊さんの決め台詞が出ると、スカッとします。

樹木にまつわるトラブルを請け負う『緑の窓口』。
まるで新幹線の窓口の様ですが、ここは区役所の一部署。
異動初日に、区役所職員の天野くんは、人より植物を愛する不思議な樹木医・柊 紅葉さんと出会う。

様々な揉め事に巻き込まれる天野くん達。
しかし、柊さんの知識に助けられて、徐々に成長する自分に気づく。
そして、柊さんと天野くんの仲も?
心温まるハートウォームミステリー。

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

作品ごとに新しい分野を小説世界にする著者が、今回取り上げたのは、マイナーな存在とも言える樹木医。
樹木に関する相談を受け付けるために新設された『緑の窓口』に配属された、真面目でお人好しの区役所職員天野と、人とのコミュニケーションに難があるが植物に関しては無敵の美人樹木医柊紅葉。
区民から寄せられる揉め事に携わるうちに、二人の仲はほんわかムードに。
著者の今までの作品とは一線を画するような、文庫の表紙とも相まってライトノベル的感覚の心温まるミステリー。
しかし、巻末の参考文献で、この作品に対する著者の並々ならぬ創作スタイルが感じ取れる。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

作者の作風らしからぬカジュアルな雰囲気が良かった。
割と怖さのある物語が多いイメージだったので。

樹木の何気ない様相でとんでもないトラブルが起こってるなんてよっぽど木が好きじゃないと気づかないよ。

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2022年08月08日

Posted by ブクログ

市役所新しくに設置された樹木に関する相談窓口「緑の窓口」に異動になった天野くんと、たまたま知り合った樹木医の柊紅葉さんによる樹木関連の日常の謎

まがりなりにも森林生態系の学問を修めた身として、樹木に関する知識が少しはあったので、よく理解できるものもあったりツッコミを入れられるものもあったり
でもまぁ、個別の品種の特性までは知らないからなぁ

収録されているエピソードは6つ

・スギを診せてください
・クヌギは嘘をつきません
・モッコクの落とし物です!
・ソメイヨシノは実は、
・チャボヒバを前に無力です…・・・
・全ては、樹木が語ってくれました


・スギを診せてください
スギを伐りたい嫁と伐りたくない姑のお話

スギの花粉症の人にとっては「スギの木なんて残らず伐ってしまえ!」と思うだろうけど
木材の生産性を考えるとスギって優秀なんだよなぁ
まぁ、だからといって納得できるものでもないだろうけどね

・クヌギは嘘をつきません
クヌギが倒れてきて壊れた車を弁償しろというトラブルのお話

針葉樹と広葉樹の幹の肥大の仕方が違うのは知ってたけど、それをこんな形で利用するなんてね
枝の特性に関しては知らなかったけど、さもありなん

・モッコクの落とし物です!
認知症の症状が出たおじいちゃんがダニをモッコクにかけたりサイレンを空襲警報と勘違いしてモッコクの下に避難しようとするお話

ハダニは大抵水に弱いので、葉っぱにまんべんなく水をかければある程度は駆除できるけど
作中でも語られているように、大きな木には難しいものね

・ソメイヨシノは実は、
父への手紙に書かれたタイムカプセル的なものを桜の木の下から掘り起こそうとするが見つからないお話

これは相談内容を聞いたときから違和感を感じた部分があったので、展開が読めた
ってか、ソメイヨシがクローンだっていうけど、それでも変異はするから全部が全部全く同じ遺伝子というわけでもないんだけどね
あと、植物の「接ぎ木」って言うのも不思議だよね
属どころか科が同じくらいの遠い種でも成り立つというね
でもまぁ、人間の臓器を他の動物で作ったりとかってのも同じようにいびつではあるんだけどね

ただ、最終的な真相は結構意外というか、重めというか
それもサクラの木の真相とダブっている構造がいいな

・チャボヒバを前に無力です…・・・
チャボヒバの木に自分を重ねた患児のお話

登場人物達の構図がよく考えられているよね
自分の姿になぞらえている対象がなぁ~

・全ては、樹木が語ってくれました
紅葉さんのお母さんの依頼でサクラの木の不調の原因を探りに田舎の村に行くお話

そして最後にぶっこんでくれる隠された関係性
まぁ、伏線があると言えばあるんだけど、ねぇ?

そして紅葉さんの妹の件
何か理由があるんだろうとは思ってたけどね

いちおうきれいな形で終わってはいるけど、もし続編が出たら嬉しいなぁ



あと、どうでもいいけど天野くんの語った木に助けられたエピソード
北条司のマンガ「桜の花 咲くころ」が元ネタか?(笑)

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2020年09月04日

Posted by ブクログ

去年の春に購入したのに読む時期を逸しました。今年こそは。しかし『闇に香る嘘』とはおよそ同じ作家とは思えないこの表紙。読み始めてもやはり同じ作家だとは信じがたい文体。

区役所に新設された「緑の窓口」。木に関する何でも相談室。あの木が邪魔だとか倒木があるとか、そんな程度の相談しか思いつかないし、その通りの相談事が寄せられるわけですが、そこには木を眺めて暮らしてきた人の気持ちが存在している。その木をどうすべきか診断するのは樹木医の柊さん。柊さんの診断を聴き、謎を解きつつ人の気持ちに寄り添った解決方法を考える天野くん。

軽く読めて楽しいけれど、こうして樹木がらみのミステリーまで出てくると、ミステリーもニッチ産業のように思えてしまいます(笑)。

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2021年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

樹木医が探偵役のミステリということで、役場の樹木医(とその相棒?たち)がその知識を活かして民間トラブルを解決していくお話。これまでに読んだ下村作品の印象は「シリアスで重厚」という印象があったので、やけに爽やかで明るい雰囲気の表紙にビックリ。

実際、話の雰囲気やキャラの造形なども穏やかでラブコメっぽい要素もあるなど、なんだか違う人が書いたみたい。

ただ、そのテイスト故か犯人?とその動機はある程度予想がついてしまったかも。基本、悪い人がいない世界観に感じたので、紅葉とその母の関係のように、一見険悪そうに見えて実は……とか、善意のすれ違いみたいなのを予想しちゃいます。

でもソメイヨシノの章は、桜の母の真相を予想できなかったのと、比較的身近な存在のソメイヨシノの知らなかった特徴に関心しきりで、めちゃめちゃ興味津々で読んでました。

トータルとして悪くない内容でしたが、やはり「シリアスで重厚」な作品のが好きかも。樹木医を題材にしたサスペンスみたいのは難しいだろうけど(笑)

あと、杉とアジサイについて……岩手の「みちのくあじさい園」という、あじさいで根元を埋め尽くされた杉林があるらしく……ここは水源が豊かだから大丈夫なのかな?重箱隅ですが、ちょっと気になっちゃいました。

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2020年07月22日

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