【感想・ネタバレ】離婚の経済学 愛と別れの論理のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

離婚にまつわる言説を統計的データを元に、文化的な背景を論拠として探る。

現在の離婚率が斯々然々であるという出発点もトピックとしては刺激的であるが、かつての日本や諸外国との数値上の違いが存立する文化的違いに還元されうるという説明自体は興味深い。
表題含め、危機を論って耳目を引こうという際どさのようなものは良くも悪くもさほど感じない。

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

不倫とは、離婚を我慢する憂さ晴らし?
→長期的には、異性関係を理由とした夫からの申し立ては1975年に22.8%だったのが、2018年には13.8%に低下している一方で、妻側からでは1975年には34.3%であったのが2018年には15.8%と大きく低下していることが確認できる。これは極端に不倫や浮気の件数が減ったと言うよりも、不倫や浮気では裁判にまでもつれ込まなくなった「うまく隠している」あるいは「配偶者の不貞を、わかっていて見過ごしている」ことと推測するのが良いのではないか。2002年以降離婚件数・離婚率ともに低下の傾向が見えるが、これは経済不況が深刻化して離婚したことで生活が苦しくなるのに見越し、離婚を我慢している代わりに、不倫で憂さ晴らしをしているとも考えられる。ここで離婚したら、お互いに経済的に、あるいは子供の世話や家事のことなどで不遇になるかもしれないからだ。

0
2022年06月27日

Posted by ブクログ

新書の定めか、折角の研究データ、図表が小さく、残念。
「経済」により深く斬り込み、未来予測が有れば、と、これも残念。

0
2021年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」(フランスの劇作家、アルマン・サラクルー)。ロシアでは6~8割、アメリカでは5割、日本でも3組に1組が離婚する。その離婚について、国際的な比較、日本の離婚の歴史、不倫や離婚・養育費・再婚の実態を解説しながら、橘木氏のフィールドである「格差」に問題をひきつけ、ひとり親、とりわけシングルマザーの相対的貧困率・格差の問題状況を抉る。政府が2002年から進めている「福祉から就業へ。経済支援の負担割合を減らし、就業支援を拡充」の施策が、思うような結果を出しておらず、見直しが必要であることを力説。
 先日の参院予算委員会の参考人招致で、政府諮問委員の慶応大教授竹森俊平氏が、スコットランドの哲学者トマス・リードの「鎖の強さは一番弱いつなぎ目で決まる。鎖は弱いところから切れる」という言葉を紹介され、新型コロナ対策は、日本の社会全体を維持していくためにも、社会の弱い部分への対応を進めなければならないと主張されていた。諸外国の対策を見ても、「ベーシックインカム」のように、国民に直接支援する流れが強くなってきている。日本も、政府の意図はともかく、その流れが以前にはなく出つつあるように感じる。こういう時だからこそ、この機を契機に、政策転換進め、社会全体を強くしていく視点での施策を期待。
 離婚を格差の視点で見つめなおすのに好著。

0
2020年05月24日

「ビジネス・経済」ランキング