【感想・ネタバレ】二重らせん 欲望と喧噪のメディアのレビュー

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自分が知るフジテレビはこの頃

自分の上京当時が本書の舞台となる年代だったので懐かしさと、当時一時、堀江さんが一方的に悪者として扱われていたがその裏では村上ファンドをはじめとした多くの人達が暗躍していたのだというのが著者の陰で知ることが出来ました。
フジテレビの歴史三部作となる本書も非常に面白かったです。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

ノンフィクションの金字塔。
ノンフィクション冬の時代。
これだけの熱量で書かれたノンフィクションを近年見ていない。
戦後の旺文社の赤尾家、朝日新聞の村山家、フジの鹿内家、戦後歴代の政治家の濃密な関わりから始まり、ライブドア事件で大団円を迎える。
上場企業とは思えない属人的な企業統治、社内政治がこれでもかと繰り広げられる。
日枝久が放送と通信の融合を訴えていたのは意外な発見であった。
ライブドア事件で放送と通信の融合を形上唱えていたライブドアに買い占められてしまうのは歴史上の皮肉である。
メディアの歴史は死屍累々、呪いを実感できる。
マスコミからは徹底的に無視されるかとは思うが、よく出版できたなというのが感想。マスコミの崩壊が顕著となった近年。
後年になるほど評価されるかもしれない。

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2020年03月22日

Posted by ブクログ

【鹿内はMBOを決断することを促し、最後の説得を試みている。しかし、亀渕は「会社を私たちのものにすることはできません」と尻込みした。
「ならば、誰のものになればいいんだい」
「誰のものになっても困ります」】(文中より引用)

フジテレビとテレビ朝日という日本を代表するテレビメディアの歩みを記した作品。両社に赤尾一族が関わる捻れた創設の内幕や、外資や新興ファンドからの攻勢という市場経済の荒波に晒された実情を描き切っています。著者は、『メディアの支配者』などで知られる中川一徳。

ハードカバーで550ページを超える大著であることは確かですが、「ここまで調べたのか」と唸ってしまうほどに両社の歴史を暴きまくった快作だと思います。特にニッポン放送の経営権問題に関する書き振りは圧巻の一言。村上世彰氏の海賊っぷりに鳥肌が立ちました。

ライブドアの一件は後々振り返ってみると、平成史の中でも今語られている以上に特筆すべき出来事だったんじゃないかと思い始めています☆5つ

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2020年02月17日

Posted by ブクログ

この本に溢れている欲の総量にぐったりしました。そして脱法だけど違法ではない株取引のテクニックのオンパレードにも眩暈がしました。2020年、5Gが始まり、NHKはサイマル放送に執念を燃やし、オリパラきっかけにずっと言われてきた通放融合が今度こそ本格化するかもしれません。また4K、8Kへの技術投資を含め、N系、J系、フジ系、A系、キー局とローカル局の体制が維持できるのか、総務省もいろいろ仕掛けてくる、このタイミングで民間放送という利権の攻防のクロニクルです。二重らせん、という書名は8チャンネルのフジと10チャンネルのテレビ朝日の関係性からつけられていると思いましたが、民放の公共性という建前と営利事業という本音の絡み合いという意味もあるのでは、と思いました。このメディア産業の株を巡るすさまじい内向きの闘争がデジタルに乗り遅れる「失われた30年」の一要因であるのでは、と考えさせられました。それくらい昭和のテレビ局ってぼろ儲けのビジネスモデルだったんですね、きっと。

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2020年02月03日

Posted by ブクログ

かなりページ数がある大著。それだけに読み応えがあり、ノンフィクション作品としてとても濃密な作品。これだけフジテレビ、テレビ朝日といった巨大メディアの内幕に迫れることに驚愕する。そしてその実情を書き切る著者の熱量と力量に脱帽。

この本を読むとライブドア事件に至るまでの関係者の攻防、歴史的経緯がよくわかる。それも単なる経緯ではなく、様々な関係者が激しく攻防するある意味手に汗握るドラマになっている。日本のメディア史という観点からも貴重なノンフィクション作品だと思う。

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2022年09月11日

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