【感想・ネタバレ】いまこそ税と社会保障の話をしよう!のレビュー

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Posted by ブクログ

長年日本が燻っている根本の原因が上手く言語化されており、読んでいてとてもすっきりした。租税や財政が存在する本来の理由を再認識し、現在の日本に合った税制や社会保障制度を考えていきたいと思う。

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2023年11月24日

Posted by ブクログ

面白い。本書は消費税を大幅に上げることにより再分配を果たし、日本社会の破綻しかけた社会保障を再構築するそんな本である。感じる事が多すぎてまだ整理できていないがレビューする。また読み返したい。
ポイントは3点。
1、消費税の増税は公平な徴税感がある。
2、弱者ではなくすべての人へのサービスの提供により、すべての階層の人に受けいられる。
3、資本主義を突き詰めたために、社会は人間らしさを失ってしまっている。そんな社会を見つめ直すのは今しかない。

筆者の主義主張は相容れない部分はいくつかある。さらに本書での対談形式は正直お人形遊び感が非常に強い。しかしそれらを差し引いたとしても本書は非常に優れた良書である。一般的に増税や社会保障と言うと非常につまらないテーマではあるが、本書では非常にわかりやすくかつドラマティックに表現している。


良いと思った筆者の発言。
「エリートになるための競争ならいいです。でも普通に生きるための競争強いられる社会。その競争から降りたくても降りられない人たちがいる。」
感じた疑問
「ヨーロッパの国々では付加価値税率が高く、社会保障が強い。との論調で語られているが、20年1月現在のブレグジットに代表されるようなヨーロッパの混迷はどのように説明すれば良いのか。」

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2020年02月07日

Posted by ブクログ

本書ははどん詰まりに落ち込んでいる日本の政治と経済への処方箋となるのではないかとの感想を抱いた。
本書の「勤労国家」という概念は実に秀逸な認識である。そう捉えるとここ数十年の日本社会の変化の多くの不可解な分析データの理由が納得できる。
「消費税を上げて等しく配ると格差は縮小する」。少し考えると当然のことだが、やはり普通は富裕層にも配るモヤモヤ感の方に意識は向かってしまう。社会の分断線をつくらせないとの視点は目からウロコだった。
本書では著者の少年時代の家庭事情や貧困にも言及しているが、それを原点とした論理には説得力と共に何としても実現したいとの政治性をも感じる。
小生は政治的にはリベラルを自称しているが、現在の安倍政権の、言葉は「右」だが実施する政策は「左」の現状に「持続可能性への不満を語る」以外のアンチを打ち出せずにフラストレーションを高めていた。本書を読んで「次の社会への希望」が見えてきた思いをもつ。共感とともに本書を高く評価したい。

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2019年12月23日

Posted by ブクログ

消費税の必要性を強く訴えるリベラルな学者。
納得できる所は多い。
政治的には挫折した案であるらしいのは残念だ。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSでは年収マウントを取ったり、弱者を見下したり踏み台にする論調を展開する人が散見されて、悲しくなっていた。しかし日本は日本国憲法の「勤労の義務」、「納税の義務」のもとの自己責任社会、強者の理論がベースになっているので、「働かざる者食うべからず」の思想が根底にあり、不公平感に嫉妬するのは当然の感情なのだ。社会構造が要因であり、彼らを一概に否定できないと本書で気付かされた。そして人口減少と経済衰退が既定路線の日本では、助けを求めたくても求められず貧しさから絶望の淵に立たされる人がますます増える。この構造に本書で気付かされ、強い危機感を覚えた。

「成長は成長でいいんだけれど、成長が止まったら絶望するしかない社会は変えるという発想がほしい。」足りないのはシンプルにこれだと感じる。年収制限を設けるなどして下流階級だけを救済するのではなく、中流階級も対象とすることで不公平感を与えないという論理には納得感があった。

現に、幼児教育・保育の無償化やコロナ禍での特別定額給付金、持続化給付金など公平な政策も増えている。
著者の井手先生はもともと民進党・前原氏のブレーンで、自民党はこの思想をパクったと批判しているが…(本書に感銘を受けて映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見た。井手先生本人がスピーチでそうはっきり言っている)

民主党の経済政策の失敗によって、もう今後50年は政権交代は起きないと言われていた。しかし自民党の元でも経済衰退に歯止めがかからず、経済を立て直す見通しが立たなくなって貧しく暗い雰囲気が日本を覆う将来には、また野党リベラルに白羽の矢が立つのだろうと思った。それはもしかするとそんなに遠くない未来なのかもしれない。その際には経済成長だけを目指すのが解ではないという本書を思い出して再読したい。

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

 以前読んだ著者の本と内容はほぼ同じだったので、軽く読み流し。消費増税によって財源を確保し、ベーシック・インカムではなくベーシック・サービスとして再分配を訴えておられる。政府への不信をどう解消するかがネックだと思う。中立的第三者機関を作っても、今度はその機関が信じられるのかという議論になりそう。著者の主張が正しいかどうかはわからないが、今より少しでもマシになればいいなぁと思うだけなのは無責任になるのだろうか。

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2023年11月25日

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