【感想・ネタバレ】魔女狩りのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
西欧キリスト教国を「魔女狩り」が荒れ狂ったのは、ルネサンスの華ひらく十五‐十七世紀のことであった。
密告、拷問、強いられた自白、まことしやかな証拠、残酷な処刑。
しかもこれを煽り立てたのが法皇・国王・貴族および大学者・文化人であった。
狂信と政治が結びついたときに現出する世にも恐ろしい光景をここに見る。

[ 目次 ]
1 平穏だった「古い魔女」の時代(魔女の歴史 寛容な魔女対策)
2 険悪な「新しい魔女」の時代(ローマ・カトリック教会と異端運動 異端審問制の成立とその発展 ほか)
3 魔女裁判(魔女は何をしたのか 救いなき暗黒裁判 ほか)
4 裁判のあとで(魔女の「真実の自白」 「新しい錬金術」―財産没収 ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0
2011年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当時のカトリックは免罪符など、お金の力で清浄が買えるとし、聖職の地位までお金次第というような体たらくなくせにプライドはやたら高くて、聖職者の下位のものですら一国の王よりも地位は上だなんてやっていたようです。そういう腐敗した土壌から魔女狩りが生まれていく。王も聖職者も文化人も科学者も、社会的に発言力のある人々のみんなといっていいほどの多くが魔女狩りに賛同して、たくさんの残酷な火刑などによる死をもたらしたわけで。魔女狩りの前段階に異端審問の制度がととのい、さらにその前段階にはカトリックの異端を根絶やしにするためのアルビ十字軍が殺戮を行った。ヨーロッパのこういった血なまぐさい歴史が現代のヨーロッパ人の奥深さに繋がっているのかもしれない。また、なにか、この魔女狩りへの過程から社会学的に教訓としうるものって多くあると思う。権威ある教会や貴族たちがみな魔女狩りに同意するということ、負の側にオーソリティがついて、それが正しいとされてしまうこと、これは怖いことだ。民主主義じゃなかったから魔女狩りだとか異端審問はおこったのだ、という考えもありそう。民主的な自由な気風の南フランスから、自由な思想としてのアルビ派などの異端が出てきたように、民主的な雰囲気自体がマイノリティだったから、力で弾圧されたとも見れるかも。しかし、そうやって民主主義がマジョリティになると、魔女狩りなどは起こりにくくなるかというと、アメリカではセイラムで大きな魔女狩りがあったりして。じゃ、IT革命後の現代ではどうかというと、炎上だの誰誰叩きだのがあって、これは一種の軽い魔女狩りの様相を持っているように見える。カトリック協会は、自分自身が腐っていってだめになっていったせいで、異端を生んだりなどし、立場が危うくなったのに、自分のせいには決してしないから、魔女狩りという悲劇を生んだと考えられもする。自分は絶対に悪くないという立場。魔女狩りの時代はそういう種類の輩がのさばるんだから、社会の不公平っていうのは原理的にそういうものなのかな、なんて悲しく思えたりもする。当時のカトリックをひとつの人格ととらえてると、自省せよ、内省せよと言いたくなる。自分の言動や行いを省みることのない人は、かなり迷惑な人になると日ごろから考えています。魔女狩りを例にとっても、それは言える。けして自らの過失や間違いを認めない者は迷惑な者である。以上から、きっと、ネットの炎上も誰誰叩きも、それをやる人の多くは、なにか間違いやいたらない点があっても、自分のせいにしないタイプの人なんじゃないかなあなんて考えたりもしました。

0
2015年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

17世紀に最盛期を迎えた魔女狩りはどういった経緯で起きたのだろうか。キリスト教の魔女に対する捉え方の変化と異端審問から説明している。
また、魔女狩りが起きた社会的背景ついてキリスト教国での比較を通じて述べられている。

0
2014年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中世のキリスト教の不寛容さが、いかに魔女狩りの狂気に走らせたのかをすごく明快に解説されています。

有罪ありきの裁判、死の方がマシと思わせるひどい拷問の数々、財産没収目当ての告発、、、人間が人間にこんな酷いことが出来るのかと、読んでいて胸が痛い。。


本書からの引用。

『人間は宗教的信念(Conscience)をもってするときほど、喜び勇んで、徹底的に、悪を行うことはない。』

0
2012年05月08日

「学術・語学」ランキング