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ネガちゃんは、学校でののぞみの立ち位置を分かっているから学校内では決してコンタクトを取らないし、秘密は絶対に漏らさない。母親やのぞみの顔色を察して、臨機応変に対応出来る優しい子。
警察サイドの事情聴取では、そんなネガちゃんに背中を叩かれフルートのレッスンを申し込んできたのぞみとネガちゃんのやり取りを見た先生が「ああいうのを親友って言うのでしょうね」と残すほど短期間で2人絆は強く固いものになっていた。
だからこそ、もし最期に2人でお菓子パーティーが出来ていたのなら、のぞみの様子がおかしい事に気づけたのではないか。のぞみも芯が強そうに見えてフルートの発表を投げ出そうとした事があるから、話してる内に怖気付いて辞めていたかもしれない。読み終えてそんなやるせなさに襲われいる。犯人である長谷部さんの動機に納得しきれていないのは、小説を読んでいて弱いと思ったからなのか、それともせめて2人で逝って欲しかったという願望からなのか分からなくなるほど、今はひたすらに悲しい。
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ネガとのぞみが仲良くなっていく場面はすごく微笑ましくて読んでいて楽しかったけど、ラストにかけて辛くて苦しかったです。
ネガとのぞみがお互いのことをすごく大切にしているのが伝わってきました。
ミステリーのような感じだけど、物語と一緒に読者に貧困問題についても考えさせる凄い作品でした。
タイトルの意味が最後にわかりました。
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「あとは努力すればいいだけ」の状態になっていることが、どれだけ幸運であることか自覚できた。努力することすら許されない、努力をどうすればいいかわからない人が少しでも少なくなるように、社会に目を向けて生きていきたい。
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貧困という共通点からネガとのぞみが仲良くなり親友へとなっていく過程は微笑ましかったけれど、貧困や生活保護といったリアルな社会問題を扱った二人の置かれている状況は他人事ではなく読み終える最後までこども貧困について考えさせられる作品だった。
貧困家庭がどのような苦しみのなか生きているのかや生活保護を受ければいいのにそう簡単にはいかない実情をうまく描いていて胸が締め付けられた。
まだ中学生の二人はそのような厳しい現実のなかでも夢や憧れを抱き懸命に生きようと希望を持っていた。しかし、生きる希望だったはずの夢や憧れが崩れ落ちてしまったその絶望感は計り知れない。辛すぎる。少しでもこのような子どもたちを救える社会になってほしいと願いたい。
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空き家で発見された中学生の女の子の首吊り死体。
家から逃げてきた同級生の少女は自分が殺したと話す。そして、少女は黙秘。刑事ドラマでいう半落ち。
刑事たちが調べ始めると二人が親友であった事。共に貧困家庭だった事。大学生と偽ってバイトしていた事なんかが分かってくる。
自殺に使ったロープはどこからきたのか?
少女の黙秘はなんのためか。これは、殺人疑惑がないと警察が動かないためだと分かるが、この後に真犯人が割り出されると。こんな展開予想できません。
面白い。
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貧困って割と身近な社会問題だけれども、こういった問題が如何に子供達の生き方を支配しているか想像することが大事だと思った。
こんなにすごい小説読んだことない。
小説を読んで初めて涙が出た。⭐︎10
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前々から気になっていた作品。
切ない、やりきれない、光がみえない。
読後はそんな気持ちになり、泣きました。
子供の貧困問題に深く深く切り込んだ一作。
大人が健康に働いて生活の基盤を築けないことで、子供たちの生活まで破綻してしまう世界の縮図が作品を通じて描かれていた。
親自身は子供に対して持っている愛情に疑いはないことが多いが、その愛情が100%子供を幸せにできるかといったらそういうわけではないことを、思い知らされました。
主にホワイダニットの作品ではありましたが、二転三転するどんでん返しもきまっていて、夢中になって読むことができました。
仲田さんの推理の際の着眼点が、人に優しくて好きでした。
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なかなか衝撃的なミステリーだった。
久々にガツンと来た。先が気になって一気読み。
結末もそうだけどテーマも衝撃的。
貧困、希望、シングルマザー、生活環境、進学、、、、
なんかもう色々重かった。
のぞみは自殺だったのか他殺だったのか
ほんとは何があったのか
謎が謎を読んで最後まで目が離せなかった。
そして最後ののぞみの遺書がやばい
ちょっと狂気じみてるけど、死ぬのが怖いから生きる。そんな希望もあるのかぁって悲しくなった。
残された方はしんどすぎるでしょ。
テンポが良くて引き込まれた。天祢涼さん初めてかもー他のも気になるなー
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一日で読み終えました。
貧困問題に焦点をあてながら、2人の少女のやり取り。最後のどんでん返し。末文。
これは凄い本でした。久しぶりに読むのを止められない本に出会いました。
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女子中学生冬野ネガが同級生春日井のぞみを殺害した。
殺害は認めたものの動機は明かされない。
当事者である少女たち、そして捜査をする刑事たちふたつの視点で物語は進んでいく。
真実にたどり着いたとき、衝撃とともに悲しみがあった。
置かれた環境、周囲の大人たちの言動、日本における経済格差、これらが少女たちを苦しめた結果に起こってしまった悲劇であると感じた。
少しでもこのような子どもたちを救える社会になってほしいと願う。
ここ数年でベストな一冊
話の構成力もさることながら、それぞれの登場人物の書き分けが凄まじい。
ストーリーもテーマに沿ったもので、その用意周到さに驚かされる。
凄い作品だ。
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同じ中学に通うネガとのぞみ。
のぞみを殺害したと自供して逮捕されたネガ。
同級生という以外に接点のなさそうな2人の本当の関係がわかっていき、そして本当のことが明らかになる。
なんてつらい、かなしい話だ。
私はもう40のおばさんだけど、中学高校時代の友達と一緒に過ごしたわくわく感を、ふたりの関係性が明らかになる中で感じていた。
本を読みながら、私もネガと同様に希望を感じでいたんだ。
そして、そこからの落差を私も味わった。
どん底にいつづけることより、希望を知ったあとに、その希望が失われたときのほうがつらい。
誰かに希望を味わわせてしまったことは、罪なのだろうか。
貧困と、行き渡らない社会保障。不都合なことはなかったことにしようとする大人達。
希望が失われたこの世界で、わずかな希望をたぐりよせようとしていた少女たち。
のぞみの死は、避けられないものだったんだろうか。私はそうは思わない。
のぞみがネガとお菓子食べながらおしゃべりできていたら、ネガの顔を見ることができていたら、思いとどまれた可能性が高いと、私は思う。
死ぬのが怖いから仕方なく惰性で生きている感覚、私も分からなくはない。惰性の生の中で、ちょっと笑えることとか、少し元気が出ることがあって、そんな些細なことに多くの人は生かされている。
そういう1日1日が積み重なるなかで、楽しいと思えるものや、大切だと思えるものに出会え、生きる目的がみつけられる。私の人生はそうだった。
だから、私はのぞみを殺した犯人を許せない。どうせ死ぬつもりだったなら…なんて動機にならない。憎い。
もしのぞみの計画通りに運んでいて、ネガとお菓子食べながらおしゃべりしていたら、のぞみは生きていたと私は思う。私はそう思いたいのだ。
このシリーズ、本当に好きなんだけど、つらいなぁ。
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タイトルが読み終えた後、ずしんと来ました。
個々の事情があるのに、安易にアフリカの子供を例に出す大人にはなりたくないなと感じました。
「でも、正しいことが正義とはかぎらないんだ。」
「母にだけ苦労をかけて、自分は努力する余裕があったのだ。」
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天袮涼さんの作品とは初めての出会いでした。読み手を惹きつける展開や結論のまとめは読み応えがありました。解説の言葉を借りると、上手いから凄い作家になった転機の一冊なのですね。
幼い子供たちが犠牲になる卑劣な事件が続いた時期がありました。天袮さんはそんな社会の雰囲気を敏感に感じて考えてくれたのでしょうか。背景は様々ながら色々を諦めねばならない登場人物たち。貧困との戦い。抜け出したい渇望と阻むプライドが幼子に消せない傷を作る。悲しい結末を冤罪から救った"想像"が侮蔑から賞賛に変わる時、残された者の責任を明るくする。
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真相が二転三転する中で、関係者おのおのの心情がきりきりと胸を締め付けてくる作品でした。
被害者が綴った遺書で、「希望が死んだ夜みたいに真っ暗なこの国」。
子どもの口から出たとはとても思いたくない言葉で、息が止まりました。
長谷部さんが自分自身を穿った言葉や、草薙先輩の本心が透けてしまったひと言。
挙げればキリがありませんが、フィクションだからこそ胸を打つ言葉選びだったと思います。
現代を生きる大人として、胸に留め置きたい1冊でした。
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真相が一筋縄ではいかなくて、最後に驚いた。
少女たちの覚悟が力強くて、自分の能天気さを思い知らされる。
そして、貧困という社会問題についてもっと深刻に向き合わなければならないと感じる。
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かなり良かったです。
あまり期待せずに読みました。青春ミステリみたいな、軽い感じかな?と。いい意味で裏切られました。テーマが貧困なので、面白い小説とは言ってはいけないのかもしれませんが。少女たちの、その年代だからこその焦燥感、無力感も胸に迫るものがありましたし、ミステリとしても引き込まれ一気読みでした。
おすすめです。
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私の当たり前が当たり前じゃない人たちの目線で描かれた人たちのお話。彼女たちにとっては当たり前で、私にとっては当たり前じゃない。反対にも同じことが言える。だから読んでて楽しかった。そして徐々に分かってくるタイトルの意味にもぞわぞわした。
初めて読む著者さんだけど、調べてみたらシリーズ化されてるっぽい。また読んでみようと思う
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無さそうでもあり、あってもおかしくない様な事件とストーリー。
話は重いが読みやすく一気読み。
不思議な警察コンビの話としてシリーズ化されそうだな
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友達からのススメ
読み終わった直後、「しんどい」という思いが強かった
本作は冬野ネガと春日井のぞみが関連する事件を刑事の真壁巧と相方であり変わり者の仲田蛍の2人が追う作品となっている
主なテーマは貧困問題、人生の希望、絶望だと思う
私自身何度も何の希望を持って生きれば良いのか悩んだ事はあったが、冬野ネガと春日井のぞみを見て恵まれていたんだなと思ったが、途中2人の担任教師が冬野ネガに言った「アフリカの人たちと比べたらマシ」の文を思い出し思い直した
各々の絶望や辛いは同一単位として測って良いものではない
又、何を将来の展望とするか、希望とするかの大小も各々で良いのだ
最後の真壁巧の言葉を生きてじっくり見つけようと思う
色々な物事が見失いやすい世の中だが、自分だけは見失わないようにしよう
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タイトルがいろいろ含んでいる感じがしてすごい。
主人公ネガにとって親友のぞみはまさしく希望だったんだろうし。
その希望が死んでしまった夜の話で。
そして2人が自殺を決意したのも、生きる希望がなくなったからだろうし。
いろんなことがタイトルに暗示されている気がした。
親友に死んでほしくないから、自分の死に様をみて死に恐怖に感じてほしいという思いはものすごく残酷だなと思った。
歪んでいる感じがリアルでこわい。
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主人公たちに友情が芽生えていく過程が微笑ましく、でも2人の置かれている現実が厳しすぎた。
周りの大人が気づいて何かしてあげられていたら結末は違ったかもしれない。
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重い。とても重い。
けれど、今まで読んできた貧困や生活保護の作品の中で1番しっくりきたかもしれない。
ネガちゃんの叫びが、耳元で聞こえた気がした。
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仕事帰りに立ち寄った書店で、
棚に面だしで陳列されていた一冊。
制服の女の子の表紙と
「希望が死んだ夜に」というタイトル。
手に取り裏返してみると、
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神奈川県川崎市で、14歳女子中学生・冬野ネガが、
同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。
少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。
何故、のぞみは殺されたのか?
二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって——。
現代社会が抱える病みを描いた、社会は青春ミステリー。
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ミステリーを読みたいなと思って手に取りましたが。
読後は、少し放心状態でした。
こんなことってあるの、
誰が悪いの、何が悪いの、
これが許されてしまうのと。
残酷、という言葉が残りました。
必死に生きて、
自分の人生を切り拓こうとしただけなのに。
私自身も、貧しさでは人のこと言えない。
いつもお金ないですし。苦笑
スタートは関係ない、挽回できる、って成功者は言うけど、それって全体の何パーセントの話なのかと思わされます。
政治家の人とかに読んでほしいな、と思いました。
現実にあるかもしれない本書を。
私自身にも言えることだけど、
想像力の欠如が致命傷になることがあると思うので。
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思い返すと小中学校のときにも色んなやつらがいた。面白いやつ、運動ができるやつ、優しいやつ、うるさいやつ。臭いやつもいた。
当時の自分はクラスにいた当人しか見えてなくて、彼ら彼女らの背景、家庭環境まで考えもしなかった。
何人か友達の家に行ったけど、多少厳しい、優しい等の違いはあれど、自分から見て彼らの親はみんなまともな大人だった。
うーん、、、、臭かったあいつに風呂くらい入ってこいと言ったことなかったかな、、、
少なくとも思ったことはあった。
色々考えさせられた。「思いやり」と言っても、知識や見えてる世界が限られていると、思いやれるのもその中に閉じてしまうと感じた。
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深いため息がでる読後感 - 天祢涼「希望が死んだ夜に」 ★★★★☆
想像だにしない結末だった。すごい衝撃という訳ではないが、世界から希望が死んだ夜を思わせる深いため息がでてしまう。
貧困は人生を狂わす。良いほうにも悪いほうにも狂わす。結局は自分だといわれればそれまでだが、自分ではどうにもできない事象に出会ったときに人は希望を失い、絶望する。
願わくば登場人物たちの違う未来が見てみたかった。
「のぞみ=希望」って感じでダブル・ミーニングなタイトルになっています。
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タイトルの意味が刺さる内容だった。子供のときには分からない、大人になると分かる、たくさんあるけど、分かるほど社会・世論・周りの目で不自由になって自ら分からないでいた時分と矛盾したことばっかりやるようになる。理想と現実を突きつけられる。大人になるにつれて、希望に疎くなって自ら絶望を引き込んでいる。
Posted by ブクログ
希望 がテーマになっている
ちょっと貧乏すぎて話が極端なところもあったけど、登場人物それぞれの描写があるからこそ、それぞれがリアルに引き合っているようにも思える
最後はパッとしないけどもそれもいい
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「逃避ではない。夢を見るための、前向きな回避」
貧困に焦点をあてた話題作。
事件の被害者と被疑者が14歳の未成年ということもあり、捜査一課と生活安全課の刑事でバディを組んで捜査していくのが新鮮だった。
普段から問題を抱えた未成年者と触れ合ってきたからこそ感じる違和感に気づき解決へと導いていく。
伏線もあり、ラストにはどんでん返しもある。
14歳は多感な年齢で、世界がまだ狭い時期。
担任の教師に“アフリカの子どものようにもっと辛い人もいる”と言われたことが呪いのように自分の今置かれている状況と比較してしまう。
何気なく言った一言がこんなにも苦しめることになるなんて思いもしなかっただろう。
彼女たちのまわりにいる大人が頼りなく、救えた命だっただけに切ないラストが胸を打ち、考えさせられる一冊だった。
こんな人におすすめ
・社会派ミステリーが好きな人
・貧困がテーマの作品が好きな人
・どんでん返しが好きな人
・イヤミスが好きな人
Posted by ブクログ
大人の責任って一体何だろうか、と思う。
子どもたちが生きていく「社会」の、その構造を作っているのは大人で、その大人の都合で作られた社会の中で、子どもはただただ必死に生きる。
大人が、大人の都合で生きることは、大人としての責任を果たすことになるだろうか。
子どもたちの直向きさと、大人の身勝手さの対比が強烈だった。