【感想・ネタバレ】悪寒のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー、面白かった。後半の怒涛の展開はすごかったな。お見事ですとしか言いようがない。

主人公は大手製薬会社に勤める冴えない中年男性。会社の不祥事の責任を取らされ、山形の子会社へ単身赴任で飛ばされて、どんよりした日々を送る毎日。いつからか妻とも疎遠になり、娘にも連絡を拒否される、そんな悲しい状況。これも、遠距離が原因だろう、早く家族のもとに戻りたいなぁ、と。ああ、もう見てられない。中年の悲哀を描いた物語か…と思っていたらとんでもない展開を迎える。

ある日妻から不可解な1通のメール。胸騒ぎがして、慌てて自宅に戻ると、野次馬にかこまれている。
ー妻が自宅で本社の常務を殺して逮捕されたー

え?なんだその展開は。正直ここまでは中年の悲哀ばかりで、読んでてつらくなってたが、一気に引き込まれた。中年の悲哀どころではない。殺人犯の夫になるというとんでもない状況。妻も犯行を自供しており、有罪は免れない。
なぜ、夜中のそんな時間に本社の常務が自宅にいた?妻との関係は?娘は大丈夫なのか?
認知症の母は?
いろいろなことがわかっていくたびに、少しずつ家族が壊れていく。果たして主人公はバラバラに壊れていく家族を守っていくことはできるのか。

本作の中で重要な要素となる「もらわれっ子症候群」。思春期の時の、自分が大切にされていないという感覚。最後の最後に明かされる真実。とても面白い。

登場人物はそんなに多くないし、現場の状況から殺害可能な人間は限られているのに、ここまで物語が転換していくものか、と感心せざるを得ない。

家族を本気で守るとはどういうことか。冴えない中年男性がもがいてもがいて、真実にたどりつくラストは清々しくあり、とてもいい読後感だった。良作。

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2024年04月01日

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ネタバレ

面白かった
まずそこが違ったのか、とびっくり
憎しみの力って怖い

真壁刑事と宮下刑事がコンビを組む『痣』もオススメです

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2023年05月09日

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妻が夫の会社の上役を不倫関係の末、殺人事件を起こしてしまった。
ストーリーは進んでいくが、全く予想していなかった結末で決着。
男女関係だけでないドロドロとした人間関係。

家族関係修復できて良かった。

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2024年02月15日

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ネタバレ

感想
最後の最後まで誰がやったか分からず、ハラハラの展開。主人公の優柔不断なところが苛立ったが、最後はビシッと締めた。読者を苛立たせるくらい、筆者の書き振りがうまかったのだろう。

筆者の作品は、終盤あたりまでフラストレーションを溜められて、最後で一気に吐き出してスッキリするパターンが多いように感じた。

あらすじ
藤井賢一は、収賄絡みで大手の製薬会社の関連先に飛ばされていた。出向が1年を過ぎた頃、夜に妻から突然、不可解なメールが届く。急いで家に帰ったところ、警察が殺人事件として家を調べていた。

妻は夫の会社の常務を殺害した容疑で逮捕されたのだ。認知症の母親、高校生の娘は、妻の妹の優子が見てくれていた。

妻の裁判が始まり、実は常務を殺したのは、私であると娘が告白、さらに認知症の母親が自分がやったと告白。一体誰が、常務を殺したのか?賢一は家族を守れるのか?

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2024年02月02日

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ネタバレ

主人公の言動にイライラすることもあったが、結果良ければという感じなのか。後半で3人が自分が殺したと告白した時はどういうことかわからなくなった。もやっとした感情が残るが読みやすかった。

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2023年12月06日

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ネタバレ

 伊岡瞬さん、初読みです。「悪寒」、2019.8発行、422頁。夫が単身赴任中に、妻から夫の会社の上司殺害のメールが。妻が本当に殺したのか、15歳の娘をかばっているのか、認知症の母親をかばっているのか。刑事の真壁がとてもいい役割をしています。第1部と第2部。第1部はとても面白かったです。真犯人が明らかになる第2部は、なんだか無理やりな感じがしました。

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2023年12月04日

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ネタバレ

伏線の散りばめ方が本当すごい。
違和感があると感じたところは、最後必ず返ってくると感じた作品だった。

愛の歪み方が印象的な話だった。
特に優子への浩正の教育における愛や、賢一の家庭に対する身勝手さや甘えとも言える愛、倫子や香純の「かばう」愛。
それが当たり前と感じ、状況がひどく一変して初めて気がつく事ができ、その時にはもう全てが遅い。

愛が憎しみに変わる事があるというが、この作品においては受ける歪んだ愛によって1人の人間から憎しみが生まれるという今まででは考えたことのないベクトルで描かれている。
愛というのは、本当に1人であれ100人であれどこにでも作用する。

愛に「在り方」の正しさはないけれど、
独りよがりの愛はやはり、また結果が違ってくるものだと改めて感じた。

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2023年06月23日

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ネタバレ

冒頭が長い…途中中だるみしてしまったけど、後半100ページ分で犯人が2点、3点していてそこが面白かった!"中年男の鈍感さは、それだけで犯罪"←この部分が多くてちょっとイライラ(笑)家族の庇い愛はグッときた 

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2023年10月13日

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ネタバレ

悪寒というタイトルに惹かれて購入しました。
途中まで中年の駄目な夫が娘と妻に嫌われて、単身赴任をしたらこうなってしまうのってなんか切ないなぁ。と思って読んでいました。
ただ違和感はずっとある感じでした。
途中まで中年夫の駄目具合をずっと描いており、少しだらだらとしてタイトルの悪寒とはどういう事なのか…と考えてしまいました。
後半、裁判が始まったあたりから面白くなり、自分なりに『きっとこの人が真犯人だ』と思った人が犯人だったので嬉しくなりました。笑
真壁刑事の愛の定義がかっこよく好きでした。

ただ個人的にはここまで出来た夫婦であるなら、奥さんがもうちょっと旦那を信用して相談してあげて!と…
最終的には良好な関係になりましたが虫が良すぎるというかなんというか…という感想です!

終盤ではひねりもあり面白かったです。
痣も読んでみたいです。

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二部からがおもしろかった。
第一部は若干間伸びしている感じがして、途中読むのをやめてしまったけど、再開して読み切った。

それぞれの思いがあってかばい合った結果、めちゃくちゃになってしまったというオチは想像できていなくて、おもしろかった。
ラスト100ページくらいで隠されていた秘密が明らかになっていくので、やめられなくなり一気読みした。

冒頭の裁判の描写が実は倫子の発言ではなく、優子の発言だったという回収の仕方も好みの展開だった。

第一部はやっぱり長すぎた感じがするので、★3にした。

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2023年07月10日

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