【感想・ネタバレ】11月に去りし者のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「あらゆる決断によって新しい未来をひとつ作る、他の未来を全て潰して」
随所に、なかなかの哲学的な名言が刻まれている。

一九六三年十一月ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件は、ミステリーな点が多くフィクション、ノンフィクションとも数多くの作品が世に出ている。
この小説は、事件の謎解きではなく、事件によって人生が動き出した人々の物語。

追う側、追われる側、それに巻き込まれる人たち
疑心暗鬼の中、それぞれにドラマがあり、人生が動き出す。
それは、先に確かなことなど何ひとつないドラマ……

登場人物が魅力的で、ラストを読み終えたあとの余韻が映像的に残る。
わたしには、シャーロットの撮ったギドリーの長い影だけの写真がエンドロールとともに……ほんと、良いドラマでした。

0
2021年06月24日

Posted by ブクログ

ケネディ暗殺事件の真相が明らかになるという意外性はあるものの、ありがちな犯罪小説でありふれた恋愛小説であり非常にアメリカ的な小説。であればこそ、エピローグでハリウッド世界に収斂させたストーリーテリングが見事でした。もし映画化されることがあれば、母親が遺した写真の入った箱をいつしか娘達が開けたときにあの男の人を思い出す瞬間をエンディングにしてもらいたい。

0
2020年12月16日

Posted by ブクログ

フランクはニューオーリンズのマフィア組織のメンバー。ケネディ暗殺の一端を担うと、その秘密を知る者を消してしまえとボスから命を狙われる。シャーロットは、夫の酒癖が悪いのに嫌気がさし娘二人と逃げる。フランクとシャーロットは逃亡の途中で出会う。

書評七福神の何人もがベストに挙げているだけあって、物凄く面白かった。

なぜ逃げなきゃいけないのか、どうやって逃げるのか、具体的で読みやすく、二人それぞれに感情移入してしまう。いい物語とは、殺し屋が迫ってきたら、「何とか逃げ切ってくれー」とつい叫んでしまうものなんだと思う。当作がまさにそれ。

0
2019年12月20日

Posted by ブクログ

 途轍もない実力を備えた作家に出会うと、ぼくはいつも少し興奮してしまう。それほどの掘り出し物の作家は、毎年のようにあちこちで見つかるわけではない。数年に一度、いや十年に一度くらい火傷しそうなくらいの印象と熱とを伴って唐突に眼の前に現れるのだ。

 ぼくがこの作品を手に取ってすぐに感じたのが、そのような感覚であった。おお、来たぞ、来たぞというような震えが走る。翻訳小説であれ、この手の文章によるグルーブ感は感じられる。素晴らしい文章であり、言葉の流れであり、行間を流れる時がガラスの中を落ち行く砂音を確実に伝える。

 題材はジョン・F・ケネディの暗殺事件。主人公ギドリーは、組織から依頼を受け、暗殺者が逃走用に使う車を用意してしまったことを知る。さらにその車の始末を命じられるが、関わった者たちが次々に不審死を遂げてゆく情報を掴んで身の危険を感じ、状況からの脱出を図る。

 一方、写真館に勤めるシャーロットは、働かず浪費を繰り返す夫に愛想をつかし、ルート66を、西に向かって旅立つ。個性的な二人の娘を連れて、急激な心の変化で。考えるよりも先に行動を選択してしまった主婦の運命が本筋に交わってゆく。

 さらにサイコとも言えるプロの殺し屋パローネは、黒人少年セオドアという運転手とのコンビで、ギドリーを追い始める。

 以上、シンプルなトライアングル・ストーリーが、ルート66を疾走し始める。大好きなロード・ノヴェルが慌ただしくスタートする。三つ巴の運命は、大きな川の流れのように蛇行してうねる。それぞれの人間がとても深く描写されつつ、スリリングな緊張を保ってゆく。文章は、秀逸で、リズムが横溢している。煮詰まり行くストーリー。それぞれの出会いと、決着への興味にぐいぐいと引っ張られてしまう。

 案の定『このミス』6位の評価を得た作品。ぼくは自己3位とした。『ガットショット・ストレート』という評価の高いデビュー作以前は、『ニューヨーカー』で作品を採用され、文学作品やシナリオライティング、文芸創作の教師などの仕事に従事していたらしく、ミステリー・ジャンルで花開くまでの下地を作る助走路は十分に長かったようである。なるほどの筆力である。

 ぼくはそもそもJFKを題材にしているというだけで興味を覚えてしまう。映画『ダラスの熱い日』のラストシーンを覚えておいでだろうか? 事件後に不審死を遂げた関係者や目撃者の実際の写真がずらっと拡大され、これだけの関係者が数年内に死亡を遂げる確率は数千分の一とか数万分の一(記憶曖昧、失礼!)であるといった字幕が流れ、事件後の証人不在工作の徹底度を伝えて終わる。その衝撃をこのストーリーの基盤に据えた、暗黒組織の存在が非常に怖く、現実と繋がっている感覚が否めない。

 そんな歴史的な悲劇を潜り抜ける中で、冒険と恋愛と生命の逞しさとを登場のたびに表現してくれた一主婦シャーロットの存在に、ぼくとしては大きな喝采を送りたい。

0
2019年12月14日

Posted by ブクログ

「ガットショット・ストレート」を
読んでからの二作目
直前に読んだ「キャサリン・ダンス」にも出てきた「雨が降れば、土砂降り」と言う言葉がこちらの話にも出てきた…謎

舞台は1963年
ボスのある秘密に気づき追われる身となった
マフィアの幹部ギドリー

それを追う同じマフィアの幹部(殺し屋)バローネ

そして、全く関係のない。ダメな夫に別れを告げ、子供二人と犬をつれて新しい生活探しの旅をする主婦シャーロット

三者が交差する。

前作にもあった「追う」「追われる」の読み合いの面白さアリ
他のマフィアのボスや殺し屋と行動を共にすることになる黒人の少年とのやり取りとか、会話が楽しい。

表紙は読んだ私は納得できるのだけれど、全体的に暗くタイトルもあってか読む前の印象は暗い話なのかと思っていた。
そんなことはなく、前向きな変化に向かって人生を転がそうとしてる人物達が生き生きとしていてよかった。見た目で損してる気がする。

なんとか私も、11月中に読めた…

0
2019年11月29日

Posted by ブクログ

1963年ケネディ大統領暗殺に知らないうちに関わっていたことに気づいたギドリーの逃走劇と夫から逃げるシャーロットとその娘2人。そしてギドリーを追う殺し屋。シャーロットたちとの出会い。犯罪組織で生きてきたギドリーが触れる優しさや温かみ。そこから生じる変化。一緒に進むのか離れるのか。それぞれの感情ひとつひとつがとてもいい。不器用で、でも子供たちに見せる顔は穏やかで優しい。とても好みの作品。

0
2019年10月25日

Posted by ブクログ

殺し屋に追われる悪党ギドリーと家族を連れ戻そうと酒癖の悪い夫から逃げ出した母シャーロットとの逃走シーンがこの小説の展開の面白いところだ。双方に身元を明かさずいるが暫くすると悪党に情が芽生え、家族を母親を守ろうと動き始める。その逃走の中での言葉「これから出会うのは新しいことばかりだ。ここからずっと、どこへ行っても。新しいものは古いものよりずっといいかもしれない。その時になるまでわからないんだ」それは、新しいものが必ずしても良いとは限らない、だが経験しないことには誰にもそれを判断できない、と言うことだ。力強い母の情熱と新たな挑戦は子供二人の将来を見通し人生を賭けたのだ。

0
2023年01月09日

Posted by ブクログ

マフィアのボスから追われるギドリー、アル中の夫から逃げるオクラホマの主婦と娘達、そしてギドリーを追う殺し屋。3人の運命が交差し発火し思いがけない先へ連れて行く。
次々登場する魅力的な人物達、二転三転する物語の行方、生き生きとした描写力にどんどん引き込まれた。サスペンスであるのは勿論だが愛の物語でもあった。

0
2021年03月26日

Posted by ブクログ

ケネディ大統領が暗殺された背景にいた奴らが事件後にどのような顛末になったのかを作品に展開した。暗殺事件性の黒幕としてニューオーリンズの犯罪組織のボスであるカルロス・マルチェロは暗殺に絡んだ人物を消していく。ジャック・ルビーがオズワルドを警察署で射殺したのも作品ではマルチェロの指示とされる。ギドリーは現場の車を処分する役割であるが、証拠隠滅のため、殺し屋のバローネに狙われる。そこから逃避行が始まる。別の場所ではどうしようもない夫から逃げてきたシャーロットと二人の娘がロサンゼルスを目指している。ギドリーとシャーロットとの出会いが、二人の心情を変えていく。殺し屋から逃げるためには合理的な思考と裏をかく行動をする。殺し屋のバローネは獲物を仕留めるために犯す殺人は何とも思わない冷酷さ。ギドリーとバローネの騙しあいなど、犯罪現場の行動哲学が滲み出てて面白い。

0
2020年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い。

単なるギャングモノの小説ではありません。逃げるもの、追うもの、巻き込まれたもの。三者三様の思いを胸に逃避行・追跡行が繰り広げられます。

追われるものは、これまでの経験を下に巧妙に他人に成りすまして追跡を振り切ろうとするわけですが、その途中で心境に変化が・・・

巻き込まれたものは、自分の元々の生活から逃げ出そうとしていたところに、逃げているものと出会います。そして、最後の最後に・・・

追うものは、淡々と追われるものを追い詰めていくのですが・・・

映画にすると面白そうです。

0
2020年09月16日

Posted by ブクログ

2019このミス海外篇6位。
物語はのっけからJFKが暗殺されるのと同時進行で動き出し、その関連性にワクワクしながら読み進める。組織からはぐれた中間管理職的なフランクと、酒飲みでだらしない夫から娘2人と犬(ラッキー)を連れて衝動的にオクラホマの田舎町から逃げ出したシャーロット。後半は2人でラスベガスまで移動するロードノベルとなる。フランクを追う冷血な殺し屋パローネが運転手として雇う黒人少年、ラスベガスでフランクが頼る大物エドなど、脇役達が魅力的。
ラストのフランクの選択はおもいがけないものであり、シャーロットへの愛が本物だったという証かな。
物足りないのはJFK事件との絡みがもう少しあっても良かったかなぁ、というのと、タイトルほどハードボイルド的ではないこと。3.8

0
2020年08月16日

Posted by ブクログ

面白かった。
歴史的大事件との関係や家族との交わりがどうなっていくのか、二人の結末はどうなるのか。
飽きさせない文章でスムースに読めた。

0
2020年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ギドリーはマフィアの幹部、ケネディ暗殺の実行犯に逃走用の車を、それと知らずに用意した。
口封じを恐れての逃避行。
追う殺し屋、途中で一緒になる女性と、その娘達。
次々と読者の思いを裏切る展開、読み出すと止まらない。

シャーロットの決断は見事。
殺し屋は、とりあえず結果的に仕事を達成出来た。
ギドリー、あれしか選択肢は無かったのか?

どうせ死ぬなら、カルロスとセラフィーヌを撃ち殺すとかすれば良いのに。

0
2020年03月17日

Posted by ブクログ

ミステリだけど、ちょっと変わった筋立てで展開も意外でおもしろかった。こういうのあんまり読んだことないかも!、と思いながら読んだ。

ケネディ大統領の暗殺に知らず加担していたマフィア幹部ギドリーが、知りすぎた自分は殺されると気づいて逃亡する途中に、新しい人生をはじめようと幼い娘たちを連れて家出したシャーロットに出会って、っていう話だけど、そこからふたりが恋に落ちて急にロマンスものみたいになるし、ラストで意外な人が意外な行動に出て驚いたし、結末も最初に予想したような感じにはならないし、すべてが意外。先が気になるし、テンポがよくて、なんだかあったいう間に読めた感じなんだけど、もっと細々長々読みたかったっていう気がする。ギドリーの育ちから生き別れた妹の話とか、シャーロットの思いとか、少年少女を家に住まわせているマフィアのエド、運転手のレオとかとか、登場人物ひとりひとりもっと深く書いててくれてもすごくおもしろそうだったのに、と。
エピローグがとてもよかった。(だけに、やっぱりもっともっとたくさん読みたかったな、と。)(しつこい)

0
2020年03月07日

Posted by ブクログ

海外小説数々読んできましたが、この手のストーリーは初めてかも。ケネディ暗殺が土台、そこから一気に惹きつけられました。女性と幼い娘二人との逃避行、実に絵になります。映画で見たくなるほどで、配役すら想像しました。百戦錬磨そうなのに、フランクあっけなくのめり込みすぎ、とは思いましたが、シャーロットの魅力が光りました。冷酷な殺し屋バローネ、フランク以上に印象に残ったかも。ラストは切ないですね。マディソン郡の橋を思い出しちゃってきゅーんとしました。

0
2020年02月04日

Posted by ブクログ

1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた―。

「このミス」でベスト10入りだったことを知り、本棚から取り出して読んでみた。例年のことながら、今年読んだ新作は、いずれもランキングの下位、もしくは圏外ばかり。
この作品は、犯罪小説だが、ロードノベルでもあり、実に切ない展開を見せる。おすすめ。

0
2019年12月29日

Posted by ブクログ

フランク・ギドリーはニュー・オリンズを牛耳るマフィアのボス、カルロス・マルチェロの組織の幹部。一九六三年、カルロス・マルチェロとくれば、ケネディ暗殺事件がからんでくる。ジェイムズ・エルロイの「アンダーワールドU.S.Aシリーズ」でお馴染みの名前だ。オズワルドではない真の狙撃手の逃走用の車、スカイブルーのキャデラック・エルドラドをダラスの現場近くまで運んだのがギドリーだった。

暗殺事件が起きるまで、ギドリーは何も知らされていなかった。関係者が次々と殺される中、ギドリーは自分も消されようとしていることに気づく。ダラスでエルドラドを始末したその足でバスに乗り、行方をくらます。車を手に入れ、ラスヴェガスの犯罪組織のボス、ビッグ・エド・ツィンゲルを頼って西に向かう。テキサス州グッドナイトでカルロスの息がかかった保安官に逮捕されるが、持ち前の機転を利かして辛くも難を逃れる。 

同じ頃、オクラホマのシャーロットは<Don't think twice, it's all right>の歌に誘われるように子ども二人を連れて家を出ようとしていた。酒飲みの亭主との生活に疲れ、自分と二人の娘の新しい生活を夢見ていた。夫が飲みに出かけたすきに荷物をまとめ、ロサンジェルスの叔母を頼って車で出かける。途中で事故を起こして車を修理中、モーテルでフランクと出会う。ギドリーは、自分の情報がばら撒かれていると知り、シャーロットに近づき、家族連れを装うことに成功する。

カルロスに雇われ、フランクを追う殺し屋がポール・バローネ。ケネディ暗殺の秘密を知る者を次々と手にかけてゆくが、手に深手を負う。傷口を縫ったメキシコ人医者のせいで感染症に罹り、ハンドルが握れないバローネは街角で拾った黒人の少年に車を運転させる。高熱で気絶したバローネのために医者を呼ぶのもセオドアだ。非情の殺し屋とぶっきら棒な黒人少年の取り合わせが、いい味を出している。

逃げる者と追う者、巻き込まれる女、三者三様の思惑が縒りあわされるように一つの物語を構成している。クライム・ノヴェルとしては、二人の腹の探り合い、相手を如何に出し抜き先手を取るか、という暗闘が見せ場。直接対決は最後にあるが、意外な幕切れに終わる。それよりも、この手の小説には珍しく、恋愛に重点が置かれていることだ。女など何人も相手にしてきた暗黒街の男がオクラホマから出てきた主婦にここまで入れあげるとは。

鍵は二人の交わす会話にある。夫の前では自分を見失っていたシャーロットが、フランク相手だと実に生き生きと会話をこなす。フランクは外見より、この当意即妙の会話に引きつけられているふしがある。それに、ジョアンとローズマリー姉妹の存在が大きい。フランクには、少年時代、父親の暴力から生き延びるために、仲のよかった妹を見捨てて家を出た過去があった。フランクにとって二人は妹の替わりだ。彼は姉妹をグランド・キャニオンに連れてゆく。

いくら豪華な家に住み、金と女に不自由しない暮らしをしていても所詮は裏稼業。頭が切れ、人扱いに優れていても、ボスがマフィアでは禄でもない仕事を回される。しかもこの世界に裏切りはつきもので、一数先は闇。作中、ダンテの『神曲』と聖書の引用がやたらと出てくるが、これはフランクの日常が地獄めぐりであることの隠喩である。運命的に出会ったシャーロットこそはフランクのベアトリーチェなのだ。

シャーロットは、前夫の悔悛の電話や、叔母の迷惑そうな口調に心揺れるが、その都度前を向いて進む道をとる。彼女の視点でこの小説を読めば、狭い田舎で若くして身ごもり、世間の口を怖れて結婚生活に逃げ込んだ女が、自分のアイデンティティを取り戻すための戦いを記すストーリーなのだ。シャーロットにべた惚れのフランクは、エドが手配してくれたヴェトナム行きにシャーロットと娘たちを誘う。シャーロットの心は揺れる。

バローネという刺客が担当するパートが最もノワール色が濃い。人を殺すことなど何とも思っていない。手で触れたものが金になる王のように、この男の手にかかると人は死体に変わる。バローネに人間らしさを感じさせるのが、黒人の少年セオドアとのやり取り。その間だけ人間的に見える。もう一つ死神が人間らしさを感じさせるのが感染症による高熱との戦い。立っているのが不思議なくらいの状態でじりじりと相手を追い詰めていく、その凄み。

それぞれの世界で自分の生き方を貫こうとして必死に生きる三人の姿が鮮烈に目を射る。フランクは無事アメリカを脱出できるのか。バローネがその前にフランクを仕留めるのか。シャーロットは本当にフランクと生きるのか。最後の最後まで事態はもつれにもつれる。まるでメロドラマのような展開にハラハラドキドキさせられること請け合い。

原題は<November Road>。異なる世界に生きる男と女が、それぞれの理由で今いる世界から逃げ出す。その路上で偶然に邂逅し、行動をともにするうちに、まるで運命のように恋に落ちる。その恋の顛末を描く、ラブ・ストーリーであり、追う者と追われる者の相剋を描いたクライム・ノヴェルであり、歴としたロード・ノヴェルでもある。『11月に去りし者』という表題は、この小説には寂しすぎる。『十一月の道』ではいけなかったのだろうか。

0
2019年12月03日

Posted by ブクログ

11月に間に合った〜。

セリフ回しは結構ハードボイルド系だし、逃亡ということでロードノベルでもあるし、バイオレンス要素もちょっぴり恋愛要素も含んで、盛り沢山。でもまとまってる。

0
2019年11月28日

Posted by ブクログ

あまり期待してなかったんだけど、割と楽しく読めた。ミステリーとは言うものの特に謎はなくノワールだけど、出てくる登場人物がみなクッキリとしてて魅力的。ケネディ暗殺事件が深く関わってくるかと思いきや、特にそんなことなかったのも、意外性があって良し。

0
2022年11月27日

Posted by ブクログ

ケネディ暗殺の真相がこれだとしたら、実につまらない理由でつまらない相手に殺されたものだと思う。
キャラは結構典型的だった。
ギドリーとシャーロット、お互い逃げる立場でなかったら、惹かれ合うことはなかったかも。ギドリーは出会ったとしても、彼女に興味は持たなかったろうし。ギドリーにとって、シャーロットと出会ってしまったこと自体、破滅への導きだったのかも。

0
2020年09月09日

「小説」ランキング