【感想・ネタバレ】暗い夜、星を数えて―3・11被災鉄道からの脱出―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

旅行中に被災した著者の体験ノンフィクション。
本当に描写がリアルで生々しかった。

「苦しんでいる人、差別を受けた人のイメージにはいつも顔がなく、家族も、収入も、家の匂いも、落書きされた車を洗う指先もなかった。」これ本当にそう思う。結局当事者以外はみんなどっか他人事で、リアルとして想像なんて全くできてないんやろな。
支えあった地元の人達がみんないい人で泣けた。

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2023年02月28日

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体験したからこその表現がとても心に刺さりました
震災後も自分には帰る日常がある
自分の日常から感じていた復興度合いと現地での現実
嘘偽りなく自分の思いを曝け出した文章を読んで、すごい方だと思いました

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2022年10月16日

Posted by ブクログ

震災から10年の節目に、本屋さんで目に止まったので読みました。
私も被災しましたが、著述業の方が書くと、ここまで表現できるものなのかと驚きと、10年前のことがまざまざと蘇りました。
同じ著者の『やがて海へと届く』もあわせて読むとさらに伝わるものがあります。

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2021年03月04日

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帯のコピーよりも書名の「暗い夜、星を数えて」だけで本の内容を十分表していると思う。文庫あとがきを含めて、多くの方に読んでいただきたい1冊です。

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2020年06月26日

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彩瀬まるさんのご本を読むのは初めて。
3.11が近づいて来たので、ずっと気になってたこちらを読んでみた。

三章からなる構成。
福島の一人旅中に常磐線であの地震に遭遇。
たまたま隣に座っていた女性と津波が迫る中逃げるところから始まる。

一章では、あの震災に遭いながらも励まし合い助け合う人々に救われる様子が描かれていて、自然と涙が出て来てしまった。

みんな優しい。
本当に優しい。

自然災害と今の世界を揺るがす疫病とは話が違うかもだけど、今買い占めとか転売とかで揉めてるのが本当に馬鹿らしくなってしまう。

でも、二章からはやっぱり人間のどうしようもない面も描かれていて…。
愚かだし、悲しいなぁと思った。

そして、ボランティアなどで福島に再来した様子が描かれている。
そこで見聞きした情報や彩瀬さんが思ったことが書かれていて、私もあの当時本当に地震も放射能も恐いと思った事などが思い出された。


…最後に、私は極限状態でも他人に優しくできるかな?
優しくありたいな…と心の底から思った。

この本を読んだ方が、同じようにそういう気持ちになってくれれば良いな…。

そして、ここで書かれている福島県のお祭りに行ってみたいなぁと思った。
東北の他の地域もほぼ行ったことないので、私もいつか旅してみたいな。

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2020年03月11日

Posted by ブクログ

東日本大震災の時にたまたまその場で居合わせ、放射能の恐怖や周りの方々の親切に触れた著者だから書けた本。被災地の外に戻ったり、どうしても被災地の野菜が食べれない著者の告白など。忘れてはいけないことを記してある本だと思う。

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2019年09月08日

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東日本大震災を経験した著者のルポルタージュ。どれも著者にしか記さない記憶と体験の数々であり、わたしのような外の人間にとても突き刺さる内容でした。自分の当時、そして今日に至るまでの行動と認識をいまさら振り返りました。胸が苦しくて悲しくて切なくてずっと眉間にしわを寄せていました。でも読んでよかったです。言葉が鋭くて、やさしくて、あたたかくて、冷たくて、彩瀬さんらしかったです。解説にあったように、さらにその先を読んでみたいと思いました。

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2019年04月30日

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綾瀬まるさんデビュー前初めての作品がルポルタージュとは驚きました。
たまたま震災にあって書く決心がついたなぁと思いました。
実際にあった時の真に迫る迫力ある文章はすごかったです。
後日、助けていただいた方々の訪問ルポもあり、作家さんが書いた震災関連の本としてぜひとも読んでいただきたい一冊です。

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2019年04月24日

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数行読むごとに胸が締め付けられる。
目頭が熱くなる。
鼻の奥がツンとする。

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私はこの時、地震にさえ気づかずに、電気屋でのアルバイト。
ちょうどテレビ売り場のテレビが十数台立ち並ぶ裏側で1人梱包作業をしていて、いつもはいろんなチャンネルで混ざり合った騒音がやけにクリアだなぁ〜とか思ってた。
り場に出ると、テレビは一斉に臨時速報を流していて、すべてのテレビが同じ画面で、いつもは色とりどりなのに全画面が濁った灰色一色。それから状況はさらに悪化していっても画面はずっと灰色だったな。
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被災もしていない、原爆の恐怖も感じなかったけど、あの日の事は忘れられないし、大きな地震が来そうな土地に住んでいるから他人事とは思いたくない。

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2019年04月02日

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『桜の下で待っている』を最近読み、魅力的だなと感じた、福島などの東北地方。
当時西日本の小学生だった自分は考えが幼く、しばらく関心があまりない状態だった。申し訳ない。
この話ではじめてすごくリアルなものとして認識できた。震災時の描写は読んでいるだけで怖さを感じた。

当事者にならないとわからないことはたくさんある。
そんな事態が自分の身に起きた時にどうするのか。
ただ一つ、不確かでどうすることもできない時点で怖がりすぎたり、人を差別したりしないようにはしたい。
他の人に手を差し伸べられるかなんてわからないが、差別意識は絶対に持たない。
それは決意した。
また、家族や大切な人を守るためにどうするべきか。
何もない時に話しておくことはやはり大事だと感じた。
家を手放すことがあっても、あらかじめの覚悟があれば違うんだろうなとも思うので…。

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2024年06月06日

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読んでいるこちらは、書き手が助かっていること、今も無事に生きておられることを知っているのである意味安心して読めるが、当時はどれ程心細く恐ろしかったことか。

読んで改めて思ったのは、今もまだ厄災は続いているんだということ。復興なんてとんでもない。
原発の問題がクリアになって、皆が安心して暮らせるようにならなければ震災が終わったなんてとても言えない。
問題点も、疑問への明確な回答もないまま原発を稼働させ続けるなんて本当にとんでもない。

作者の、自身が安全であることへの後ろめたさがとても人間らしくていい。私の内にも確かにある感情だ。

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2023年02月23日

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東日本の震災時に関東から出かけていた著者が体験したルポ。
被災地の人間ではないよそ者であり、避難所にいても辛い立場であっただろう
出会った人たちが思いやりのあるいいひとばかりであったことが救われる
いただいた「タマネギ」を食べずに差し上げてしまった著者の心の揺れが痛いほどわかる

災害時というのは人によって考え方の違いが露呈する 窓を開ける、開けない、水を飲まない、野菜を食べない…
必要以上に心配する人、デマも信じてしまう人。あまり気にしない人。気にしていても諦める人。

すっと暮らしてきたその街に暮らせないことも辛いか、暮らせたとしても庭になった果物や畑で獲れた野菜が食べられないことの辛さを、東電の上層部の人たちは考えたことがあるのだろうか

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2022年10月29日

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苦しい。苦しい。

震災の本は何冊か読んだ事があるがこちらは又別目線での話だった。

一章は旅行先で震災に見舞われた話。
二章は数ヶ月後ボランティアに行く話。
三章は震災の時助けてくれた人達に会いに行く話。

中でも取り上げられているのが放射線。

作者は物凄く気にしている人。
震災中もボランティア中もとても気にしていた。
私はもう子供も産んでこれから産む事もないからか分からないけど全然気にしない人。だから作者の気持ちが分からない。野菜も魚も東北だろうが何だろうが気にしない。海外の物よりもむしろ国内の方がいいとすら思ってる。

でも気にする人はするんだね。
東北に住んでる人ですら分かれるらしい。

子供を産みたいと思ったら30日間は東北を離れるって。30日間で悪い物が体内に影響しなくなるから。
本当にそうなのかも分からないのにね。でも出来る事は全部やりたいんだろうな。我が子に何かあったら後悔してもしきれないもんね。

ある人は魚を食べられなくなったらしい。理由は海で亡くなった人が沢山いてその死体を啄んでいたらと思うと申し訳なくなってしまうらしい。

震災体験者にしか分からない事は沢山あるだろう。

ただ思う。あの未曾有の大震災を経験した人達は何も経験していない私達よりも遥かに強いと。それはあの時子供だった若者達がこの日本を引っ張って行ってくれるんじゃないかと私は思っている。
辛い経験をした分人間は強く優しくなれるから。

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2022年03月25日

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東日本大震災での状況だけでなく、そこで生活する方々の心の葛藤や想いを感じ取ることができました。物語でなく実話でしたが、温かい方がたくさんいるのだと感じることができました。

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2021年07月11日

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目に見えない恐怖と戦っている今、改めて同様に目に見えない恐怖と戦う3・11のお話を読ませていただきました。

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2020年04月14日

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彩瀬まるさんが東日本大震災で実際に被災した経験のルポを集めた一冊。表紙のひしゃげた電車が怖い。
私は被災者ではないけれど、当日震度5強の地元で、乗っていた電車が脱線しました。
そのときの恐怖、その後の放射能の不安や買い占めする人々の狂気、続く余震、深夜も鳴りやまない地震アラームと繰り返すACのCM。全てがトラウマになっているらしく、読んでいて涙が出ました。
でもその後の被災者たちの暮らしの厳しさを知ると、そんなもん本当に些細なことで、情けないくらいに弱い自分が残念になります。
被災地を忘れずにいよう。

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2019年06月11日

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彩瀬さんが、ちょうど東北に旅行していたその日に東日本大震災に遭遇し被災する。避難所へ行き、地元の方々に助けられ、何日か後に何とか帰ることができる。その後に、ボランティアへ向かったり、世話になった方に対面したり。 放射能の事や現実の厳しさ、偏見、悲しみ、言い知れぬ葛藤が綴られている。

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2019年03月25日

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今頃で申し訳ないという気持ちで読んだ。
それでも、今、復興と言えるのかはわからないが、福島を訪れたいと思った。相馬市、いわき市、JR常磐線新地駅。地図で確認した。
何ができるでもない小さな力、それでも行動しないより行動した方がいいと思う。
作家でも、言葉のプロでも見たものを伝えきれていない、書けていないという津波の恐ろしさ。
記憶の新しい2011年5月には小説新潮に書き下ろしたという、葛藤はあっただろうに。
今まだ私のように手に取る人はいる。

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2023年03月20日

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丸11年となる3•11を前に。直木賞候補などで名前は目にしていたが初読みの作家さん。デビュー間もない頃の旅先での被災体験が生々しいノンフィクション。地震・津波の恐怖はもちろん、多くの善意に対する感謝や後ろめたさ、原発事故への怒りと絶望感、被ばくの不安など様々な、そして真っ直ぐな筆者の感情が心に響く、いいルポだった。小説「やがて海へと届く」も読んでみる。

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2022年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

震災で津波を経験した綾瀬さんの手記。
実際にその場にいたからこそのリアルな描写と、不安感がよく伝わりました。情報が抑制されているだろうことも。
キレイゴトだけじゃない気持ちも正直に書かれていて、当時の自分を重ねながら読みました。
震災のことは、当事者以外は「本当の」辛さが分からない、だから語ってはいけない、と思ってしまいがち。しかし、それぞれにその時を生きたのだから、それぞれの視点で語っていい、それぞれの視点でしか見えないものがあるはず、と勇気づけられた気がします。

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2021年04月03日

Posted by ブクログ

いまなら読めるかな……と文庫化を機に手に取る。ルポというものについて明るくないわたしだが、小説を読んでいるかのように読み進めることができた。著者の彩瀬さんが小説家であることが、やさしく機能してくれたのだとおもう。胸を詰まらせながら、ときには正体の分からない涙を流しながらの読書ではあったが。「被災地」とことばにするたびに覚える罪悪感を乗り越える方法、そのひとつに本書を挙げることができるだろう。小さくて儚い人間がそれでも極限で他者に優しく在れること、信仰のような気持ちで手を合わせたい。もう8年が経ったなんて。

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2019年05月14日

Posted by ブクログ

「やがて海へと届く」を読んだとき,作者の後ろめたさみたいなものを感じて,それは生き残ってしまったことに対してなのかなと思っていたのですが,大きな勘違いでした.

あの後ろめたさみたいな感じは,だんだんと気持ちが部外者になってく自分や,旅行者にすぎず結局は部外者にしかなれない自分に対する作者自身の憤りの表れのように感じます.

この作品を読んで,今までいかにあの震災を「人ごと」としてとらえていたのかを思い知らされた気がします.

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2019年04月10日

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