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Posted by ブクログ
やや性差別的な表現・性的少数者への攻撃ともとられかねない表現があるものの、その時代にあって、倫理的に恋愛を説こうとした誠実な本だと思った。
神話のなかに見られる恋愛の、非常にピュアな「この人にさわってみたい」というやわらかな性欲の描写はなんだかとてもうらやましかった。
男性が感じる性衝動と女性が感じる性衝動の違いについては、「信じるしか無い」部分があり難しいのだが、性行為へのリスクの違いを述べている点は非常にいいと思った。いかに避妊の技術が進化したといえども、妊娠/堕胎/出産による女性の心身への影響が甚大であることは想像に容易い。肉体的には女性に負担が偏った行為なのだ。異性間の性行為において、リスクは不平等であるという前提なしに恋愛は語れないと再確認した。
また、行き過ぎた純愛によって結ばれない物語や醒め切ったまなざしによって結ばれない物語も非常に示唆に富んでいて、よかった。しかし、私は愛にあこがれてばかりいて、恋のことは何も考えようとしていなかったのかもしれないと、すこし途方に暮れている。