【感想・ネタバレ】韓国とキリスト教 いかにして“国家的宗教”になりえたかのレビュー

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Posted by ブクログ

以前からなぜ韓国にクリスチャンが多いのか、それも近代以降になぜ急激に増えたのか不思議に思っていたが、これを読んで腑に落ちた。

やはり近代以降の大きな戦争(第一次、第二次世界大戦、朝鮮戦争)が大きな影響を及ぼしているようだ。生死を分けるような極限状態の中で人々は信仰に拠り所を求めるしかなかったのだろう。

また抗日運動家の多くがクリスチャンであったこと、その中から多くの政治家が排出され、大統領の多くがクリスチャンであったことからキリスト教が政府の庇護も受けていたことも大きい。

神学的特徴として現世利益が挙げられるようだが、この事自体は私は必ずしも悪いことだとは思わない。生きた信仰に繋がっているからだ。ただし、そのことも原因の一つとなり、牧師の権威化、拝金主義化、一部のカルト化に繋がっていることは危惧されるべきことだ。

この本は日本人と韓国人の2人の歴史学者による共著であり、客観的な事実と視点に基づいて書かれていて説得力がある。


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2023年06月04日

Posted by ブクログ

筆者らが言うとおりその存在感のわりには類書が少ないジャンルなので大変ためになった
丹念に調査なされていて頭が下がるが、まだ全体的に網羅されてない内容もありそうなので、続編を期待したいところです

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2014年05月30日

Posted by ブクログ

「韓国はキリスト教徒が多い」程度の認識しか持っていなかった自分にとっては非常にありがたい一冊。
現状とその問題だけを知るならばさらっと第1章と第5章だけ読んでもいいのではないか。

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2013年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【87冊目】韓国のキリスト教徒は、プロテスタントとカトリック合わせて全人口の29.2%もいるらしい。日本では1%前後だからかなり多いことが分かる。

韓国教会の主な特徴は、大型教会主義と個別教会主義、社会問題への関心の低さといったものが挙げられていた。なるほど。

昔から、なぜ統一教会が韓国発で、しかも日本やアメリカで問題になったのかよく分からなかったけど、この本読んでかなりクリアになった。

それから、同じ東北アジアにありながら、なぜ日本では浸透しているとは言い難いキリスト教が韓国に馴染んだのかも歴史的に整理されていて、大変読みやすかった。この点、詳述されていない問題として、祖先崇拝が韓国キリスト教では「追悼式」という形を取って立ち現われ、原宗教にとの親和性を保ったという指摘が興味深い。

また、日本にあてはめられそうな考察として、教会の分裂がカルト教団を育む温床となっているという点が挙げられる。国民的な宗教が確立されなかったことで、逆に、馴染深い既存の宗教の教義をつまみ食いした教団が乱立し、その中にあるカルトの存在を見えにくくしているのではないか。

いずれにせよ、大変勉強になりました。

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2012年12月02日

Posted by ブクログ

表題通り、韓国(朝鮮)とキリスト教の関わりを
歴史的に振り返りつつ民族性や現代の問題等について解説した本。
ページ数こそ少ないがよくまとめられており分かりやすい。
日清日露戦争を経て勢力を広げたキリスト教が
日本の植民地時代に社会的支柱となり、独立後には
アメリカの影響のもと信者を増やしてゆく流れには成程と感じた。

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2012年10月06日

Posted by ブクログ

韓国のキリスト教についての歴史、現時点での問題点などをさまざまな著作から引用して、入門書としてまとめた新書らしい本。

内容としては、現在の韓国におけるキリスト教、キリスト教の歴史、受容の要因、現代の問題と展望にわかれている。

良い意味でも悪い意味でも入門書という位置づけであった。日本との比較的に見てみたい人は読んでみてもよいのではないだろうか。

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2012年08月12日

Posted by ブクログ

韓国でのカトリック、プロテスタントの歴史。識字や民主化運動や韓国での教会の役割は、また日本とは別。北朝鮮での展開も触れてあり、金日成とキリスト教の関わり(母親方が信者だったという話)も少しばかり書いてある。
著者の二人は、厳密は門外漢らしい。キリスト教と韓国について書かれた資料は潤沢にはなかったとのこと。だからといって、呉善花あたりの著作から引っ張ってくるのはどうかしら。

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2012年08月02日

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