【感想・ネタバレ】葉っぱはなぜこんな形なのか? 植物の生きる戦略と森の生態系を考えるのレビュー

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「人間は、自らが生き残るために、紅葉や自然の色を美しいと感じる本能と感性を備えている」
つまり、人間にとって都合のよいものを美しく感じるというわけだ。
美しいと思うものが一致する人は価値観も一致するかもしれない。
かといって、それでうまく行くかどうかはわからないのが難しいところ。

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2022年08月16日

Posted by ブクログ

タイトル通り「葉っぱはなぜこんな形なのか?」という考察も面白かったが、樹木に魅せられた人の、人生、就職や仕事としても面白かった(『バッタを倒しにアフリカへ』を読んで面白かった人はこの本も楽しめると思う)。
葉っぱの「ぎざぎざ」がないツルッとした葉は温かい地域に多く、沖縄と北海道の人だと、どちらが見慣れた葉か違う、など、へー、と関心をもって読めた。
「平均気温=0.306×全縁(つるつるの葉)率+1.141」など、式にできるそう。
そしてなぜそうなのか理由がわかっていないこの現象を筆者は考察していく。
全体的に学術的に正しいことの羅列ではなく、筆者の考察が多く、それがまた楽しい。

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2021年09月07日

Posted by ブクログ

この本を読んでしまうと、著者の樹木図鑑(複数ある)を読んでみたくなる事間違いなし。

個人的な希望として、北半球・南半球それぞれの針葉樹・広葉樹の歴史的変遷・勢力についても触れてもらいたいと思っている。


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2019年09月03日

Posted by ブクログ

園池公毅の『植物の形には意味がある』は大変面白かったのだが、裸子植物の葉っぱについては書かれておらず、裸子植物の葉っぱがなぜあんな特殊な形なのか書いてある本はないかなあ(一般書で)と思っていたら、これには書いてあるようなので喜んで読んだ。
『植物の形には‥‥』はいかにも学者らしく、仮説を立て、観察・実験を重ねて、こうではないかという真実に近づいて行くところが(読み手にも考えさせるところが)、本当に面白かったのだが、こちらは(植物図鑑を作る)専門家ではあるが、実踏を重ねた現場の人なので、経験と観察においては上かもしれない。
葉っぱの形に関しては、園池本と同様の推理ではあったが、大変わかりやすく、普通の中高生にはこちらがいいのかもと思った。(研究者を目指すなら園池本がいいけど。)この仕事をするまでの経緯も将来を考える若い人の参考になると思う。
(私にとって)肝心の裸子植物の葉の形については、裸子植物だからというより、冷涼な高地に生える針葉樹として書かれており、それはそれで納得したのだが、なぜ被子植物より原始的な裸子植物がそういう植生や形状を選択したのかはよく分からなかった。
私のような素人には葉っぱの形が幼木と若木と成木で全く違う木がある(P64ヤマグワ)、一つの枝についている葉でも場所によって形が違う(P85コウヤミズキ)というだけでもビックリだが(図鑑を作る大変さがちょっとわかった)、ウツギは一つの植物を指すのではなく、枝の中に空洞がある植物の総称とか(「空木」ってこと)、木の洞はクマが樹皮を剥いだあと、時間経過で作られるとか、知らないことばかりだった。
ときどき自然や植物を人間に喩えるところがあり、わかりやすくはあるが、そこはちょっと安易かな、と思った。(松浦健二『シロアリ』を自然科学本の最高峰だと思っているので。)
しかし、植物だけではなく、そこに暮らす人間を含めた動物の問題(熊が人間の暮らす場所まで降りてくる、鹿の食害と異常な増加)も考察しているところも良かった。
文一総合出版の「ハンドブック」シリーズの著者の対象への愛にはいつも驚嘆しているが、こういう方が作っていたのか!と喜び、かつ安心したのだった。

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2019年08月19日

Posted by ブクログ

図鑑を編集されてる方の豊富なフィールドワークから得られた鋭い観察眼と考え方は大変興味深かったが、「僕はこう考える、科学的にどうなってるかは知らない」というスタンスで本が進むことに違和感を感じた。

著者曰く、科学的知見とは異なることや間違ってることが含まれてるかもしれないが、本書は論文でも知識紹介本でもなく、僕の考えを紹介するエッセイだからその点はご容赦いただきたいとのこと。(あとがきより)

タイトルと内容紹介からすっかり科学的な知見も踏まえた読み物だと思い込んで読んでいたので、あとがきをみて納得したものの物足りなさを拭いきれなかった。惜しい本だった。

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2020年03月19日

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