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Posted by ブクログ
ありそうでなかったジャポニズムについての新書。
日本美術の形式的な受容から、その本質を理解し、西洋美術の中に取り入れて、触媒となっていくまでの姿。
西洋に受容されたジャポニズムが、日本に回帰していく流れ。
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浮世絵、陶磁器など日本の制作物だけではなく、日本という国、未知で異質な高度文化を築いている東洋の国への関心の高さ。それがペリーの来航前の1852年2月18日の最初の記事から2年ほどにわたり、フランスのマスコミが月2回程度その動静を報じていたほど!日米和親条約締結(1853年3月31日)は、フランスでも一面トップ記事だった!!全くのビックリの事実である。今で言う、宇宙人との出会いを求めていたような感覚なのだ。印象派の絵画への浮世絵の影響はかねてから聞いてきたところだが、誇張されたまたは無視した遠近法、色彩感、俯瞰視、樹木の幹による唐突な絵の分断など具体的な手法の数々を理解でき、私も日本人の多数も好きなモネ、ゴッホ、ドガなどの印象派の秘密に触れたように感じた。
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<目次>
はじめに
第1章 ジャポニスムの「見え方」
第2章 開国のインパクト
第3章 ジャポニスムの媒介者たち
第4章 モノの到来
第5章 「日本」の濃淡
第6章 色彩のジャポニスム
第7章 空間のジャポニスム
第8章 線のジャポニスム
第9章 ジャポニスムの終息
<内容>19世紀後半に欧州で広がった「ジャポニスム」。近年は高校英語の教科書にも載る有名な話だが、これを美術史家の著書がきちんと解析した本。やや回りくどかったりするが、印象派以降の画家たちが、こぞって「ジャポニスム」に取りつかれたことがわかる。巻頭のカラー写真。本文中もふんだんに写真を入れて(本当はカラーが良かったが)、話も分かりやすい。