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Posted by ブクログ
オメガバースって好きですか?私にとっては、優れた人間を産めるが、社会的には軽んじられる性別の人間がいるという(私には)地獄な設定の世界観。この世界観そのものが、女性だから大学入試で差別していいよね?という日本文化のカリカチュアにも見える。実際作中でもΩの女性がΩだから進学できないという悩みを持っていたり、αの男性が学力が高い等のαらしい特性がないと侮蔑されたりしている。
そのためこういう世界観やキャラクターを無責任にエモいとか尊いとかいう風に味わうことができないのだけれども、この本はその不平等さが男/女ではなくα/Ωで徹底されているので、SFとしての世界観の完成度が高いところが良いと思う。例えば他のオメガバース作品ではあまり見られないα女性とΩ女性のカップルが出てきます。
生き残るため
どうしてこうも人生は過酷なんだろう?Ωとして生きることも、αとして生きることも、ましてやΩがαと偽っていきることも。苦しいな~。
匿名
二巻目
男女の他にアルファ、ベータ、オメガという三つの性別が存在する世界。
リーダー的存在として社会のトップを担う役割にあるアルファと、妊娠する体質ということもあり繁殖を目的とした社会体制の中で徹底的に差別されているオメガ。
主人公の真宮はオメガでありながら名門英家にアルファとして存在している。
その訳は英家の跡取りの第三夫人である犀門が夫の征十郎の関心と第一夫人の座を取り戻すための策略として、当主が他所のオメガに産ませた烙印のついていないオメガである真宮をアルファと偽って英家に迎え入れたからだった。
しかし真宮は来て早々発情期を迎えてしまい感染病と偽り発情期をやりすごすことになる。
犀門はそんな彼が社会でアルファとして生きていくための秘策を考えていた。
それはかつて彼が研究者として開発していたオメガの発情期を抑えるための抑制剤だった。
作り方は知っているが材料がなければどうにもならない。
そのため彼は実家に赴くが……。
オメガがアルファとして生き抜いていく困難を乗り越えるためとはいえ、人の命が犠牲になる修羅の道を歩む二人を見ていると心が痛む。