私は数学が苦手です…むしろ算数の段階から既に苦手でした。「足す・引く・掛ける・割る」以外の内容はほぼ忘れました。というより結局理解できずに学生時代が終わりました。そんな私にも「もしかしたら数学ってすごく楽しくて素敵なものなのでは?」と思わせてくれるのがこの作品です。
本作は、ある離島で小学生・関口ハジメと老いた数学者・内田豊が出会って始まる、数学にまつわる人々と数学のお話です。感覚を共有するというのは非常に難しいものですが、ハジメが数式を書いたり何かを見出したりするシーンには、数字が人に見えるとか風を受けて空を飛ぶとか、共感覚的な何かを可視化させたような表現があって、学生の私にはついぞ知り得なかった数学の美しさを知る人たちが、そしてそれを今まで見えなかった世界を見るために使える人たちが、本当にいるのだとうらやましく思いました。しかし同時に、遠くへ行くための方法は人によって異なり、それは例えばダンスかも読書かも音楽かもしれなくて、そして必ずしもうまく行くとは限らなくても終わりはないのだと、この作品は教えてくれているようにも思うのです。数学に苦手意識を持っている方にぜひ読んでいただきたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
かなり面白くなってきた。数学って、世界を捉えるもの。それぞれ異なる世界を説明するために各分野(幾何、代数、群論、微積等)の数学が発展してきて、それらが、また、繋がっていくというのは感動すら覚える。オイラー積で、自然数と円と素数が繋がるということや、多面体や図形の法則をハジメが見つけるところや、リーマン予想での素数の間隔が物理の原子核の記述と合致するとか、興味をそそられる。
偶然で広がっている宇宙空間と、そこにある法則を音楽や、数学で見ていくということという説明が、とても良い。
トポロジーの視点は、システムで問題を捉える上でも役立ちそうだ。
ますます面白くなってきた
数学という学問を通して、他人の助けをほとんど借りることなく自分自身で思索して日々の生活のなかで色んな発見をしているのがすごい。
Posted by ブクログ
これ、読んでいて思うのは、天才と呼ばれた数学者達の子供時代。いったいどんな事を考えていた子だったのだろう。私は、自分が数学極めたいなんて、全く考えなかったから。