私は数学が苦手です…むしろ算数の段階から既に苦手でした。「足す・引く・掛ける・割る」以外の内容はほぼ忘れました。というより結局理解できずに学生時代が終わりました。そんな私にも「もしかしたら数学ってすごく楽しくて素敵なものなのでは?」と思わせてくれるのがこの作品です。
本作は、ある離島で小学生・関口ハジメと老いた数学者・内田豊が出会って始まる、数学にまつわる人々と数学のお話です。感覚を共有するというのは非常に難しいものですが、ハジメが数式を書いたり何かを見出したりするシーンには、数字が人に見えるとか風を受けて空を飛ぶとか、共感覚的な何かを可視化させたような表現があって、学生の私にはついぞ知り得なかった数学の美しさを知る人たちが、そしてそれを今まで見えなかった世界を見るために使える人たちが、本当にいるのだとうらやましく思いました。しかし同時に、遠くへ行くための方法は人によって異なり、それは例えばダンスかも読書かも音楽かもしれなくて、そして必ずしもうまく行くとは限らなくても終わりはないのだと、この作品は教えてくれているようにも思うのです。数学に苦手意識を持っている方にぜひ読んでいただきたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月15日
読んでいて、段々、数学が面白く感じ始める。数学って、世界をどう見て記述するのかということみたい。しかも、それが虚数とかマイナスとか。。微分や積分も含めて。こうした数学を使えば、見たいものが見えるかも知れない。
今更ながらではあるが、書いてある数式での世界の見方をしり、数式の読み方、書き方を知れば、言...続きを読む語と同じく、記述できるかも。
よい
匿名 2022年11月24日
数学の内容も類書にはないくらい本格的で素晴らしい。スポーツが全ての人は称賛されるのに、学問が全てを嘲笑うような世の中ですが、学問は素晴らしいことを教えてくれる
この作品を読んでいると鳥肌が立つ。自分には見えない世界を垣間見せてくれる。
内田さんの息子の苦悩が息苦しい。才能のある者とない者。親に期待されて、それに応えようとして応えられず、親と数学を憎んでいる。暗い気持ちになる。
「平行線は無限遠点で交わる。」2巻のおまけページにも詳しい説明がありましたが、なんて素敵な考え方なんでしょう。他にもたくさん目からウロコな言葉に出会えました。登場人物も増えてきて、ハジメの周囲も賑やかになって来ています。
まずはおめでとう!スランプも脱出できてよかったよかった。
最初の絵混じりの数式からだんだん知識が増えて見慣れた数学になってきて、でもまだまだ沢山発見はあって…楽しいだろうなぁ。
はじめの無邪気な楽しさが伝わってきて読んでる方も楽しくなっちゃいました。
Posted by ブクログ 2020年07月28日
数学だけだなく世界も広がって、楽しさが伝わります。好きなことをキラキラした目でするのが一番素敵ですね。子どものそんな才能を見つけて伸ばしてあげられたら素晴らしいです。
Posted by ブクログ 2018年06月04日
生粋のエリート・テジマくんと、生粋の野生児はじめ、この構図は『ピアノの森』の修平とカイに似ているのだが、同じではない。テジマははじめの自然界を数学で表現しようとする感覚を「臭い」と言ったり、なんだか見下してる感も醸し出してるが、なんだかんだイギリス土産を買ってあげたり…この先、二人がどんなライバル関...続きを読む係になって行くのかが見物。