【感想・ネタバレ】真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年02月07日

得たもの:
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日本的な人事慣習として評判の良くない「長期雇用志向」「年功序列型賃金制度」について、「イノベーションを産むために必要な人事制度」という方向性の目線を得ることができた。
企業人事を考える上でいたずらに社内での昇格降格を激しくすれば良いと言うわけでもないと言うバランスの良い感覚を持つ...続きを読む一助になったように思う。

内容:
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感想
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読んでいる時は「ふむふむ」と納得しながら読めた。

(1) アメリカがイノベーションを生み出し繁栄したのは軍事産業のおかげ

(2)日本の「終身雇用」的な人事制度はイノベーションに必要な

「長期の濃密な人間関係」

を築く上では有効であり、必ずしも時代遅れで廃止しないといけないというようなものではない。

(3)アメリカは株主利益を偏重するがゆえに四半期(超短期)業績主義によってイノベーションの力はむしろ落ちている。

(4)日本の停滞の原因は金融政策の失敗と、(3)のアメリカ型ガバナンスを導入したことによってイノベーションが生まれなくなってしまったからだ

(5)日本は長期目線でイノベーションを生み出す「老舗企業」を増やすことを目指すべきだ

このような感じかと。

確かに、

「アメリカ型の超短期業績主義のガバナンス=イノベーションを生んでいる」

と短絡的に結びつけていたのでそれについては目線を変えることができた。

ただ残念なのは、そうは言っても現状、アメリカや中国の企業がどんどん売り上げを伸ばしていて、日本企業が売り上げを伸ばせていないのは事実なので、それに対して日本がどうしていくのかと言うアイデアがあまりなかったのは残念。

なんでもアメリカの経営を真似したら日本も良くなると言うことじゃないと言う目線を与えてくれた本であると思う。


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Posted by ブクログ 2021年09月26日

うすうす、そうじゃないかなーと言葉にできずに思ってたことが、明確な根拠をつけてバシバシ書いてあって、まさに膝を打つってかんじだった。

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購入済み

日本の米国流崇拝を疑い解明す

2021年09月19日

日本が米国へ過剰な劣等感を抱くのは、幻想、思い込みであり、米国流を疑ってみて、詳細に分析すれば、世間で流布する通説(日本人は親方日の丸に頼り過ぎ、シリコンバレーを筆頭とした米国ベンチャー企業の精神を見習うべき、など)は誤りで、本質は違う(日本流は世界的に正しいとか、シリコンバレーの成功企業は国家の手...続きを読む厚い支援で生まれたなど)と分かる。日本の現代病を解剖し、治療策を提示する、日本人必読の一冊だ。

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Posted by ブクログ 2021年03月21日

自分は大企業側の人間なのだが、確かに入社した90年代から少しづつ研究開発が近視眼的になってきて、成功確率だとかリスク評価だとか訳の分からない算数を駆使して不確実なことを避けるようになってきた。こんなことでイノベーションなんか起こるわけがないのだが、その変化と経営陣がコーポレートガバナンスを叫び始めた...続きを読むり、業績評価にROAを取り入れたりしだした時期が重なる。著者の分析は概ね正しいと思われる。
でも日本人は何か手本がないと何もできないのですよ。太古の昔から。「発展途上国メンタリティ」、まさにその通り。であるからして、バブル崩壊後に自信を失ったリーダー層がアメリカを手本にするのは必然だし、それに味をしめた特権階級層が益々その路線を突き進んだのも必然のように思われる。当時進むべき道が他にあったのか。仮にあったとしても日本人には見つけられなかっただろう。残念だけど。

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Posted by ブクログ 2020年02月06日

富山氏、赤羽氏を一刀両断していて痛快

オープンイノベーションは個人的にお遊びだと思っていましたけど、やはりそうなのですね

データ、ロジックで完膚なきまでに通説をひっくり返すロジックに舌を巻きます

ただし、じゃあどうすれば?
という提言がないのが残念なところ
言いたいことはわかるけどもう昔には戻...続きを読むれないじゃん
将来について考えようぜ、と

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Posted by ブクログ 2019年04月18日

★7つくらいつけたいくらいに面白かった!
現在のオープンイノベーションが短期的な成果を上げるのには効果的でも長期的にはイノベーションを失っていくこと、アメリカのハイテクベンチャーは国家が育てたこと等、新しい学びが多い。
また文中に参考文献も多く紹介されるため、次の学びもしやすくなっている。
オープン...続きを読むな関係性とクローズドな関係性の良し悪しを把握することが大事だと気付かされた。

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Posted by ブクログ 2019年03月27日

経営に関する本で久しぶりに良い!と思った本

通説に対する事実からの示唆、イノベーションの本質、組織論な視点等々

目から鱗(自分がコレって本当?って目で物事を見られていない証左汗)でした

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Posted by ブクログ 2017年10月07日

早速、内容ですが
第1章 日本でベンチャー企業を増やすには
 あるコンサルタントの提言
 アメリカの国家戦略?
 自分の頭で考える
 ①ベンチャー企業を増やしたいのか、イノベーションを
  促進したいのか
 ②なぜ、シリコンバレーだけなのか
 ③なぜ、外国人の企業を優遇するのか
 ④なぜ、「英語実践...続きを読む力の抜本的強化」(企業の)英語
  公用語化」が必要なのか
第2章 起業大国アメリカの真実
第3章 ベンチャー・キャピタルの目利き術
第4章 最強の起業家は誰か
第5章 オープン・イノベーションの本質
第6章 なぜイノベーティブな企業の方が負けるのか
第7章 なぜ日本経済は、いつまでも停滞から抜け出せない
    のか
というないようです。
 この本の筋立ては、第1章であるコンサルタントの御説が、日本経済、アメリカの実態の上っ面だけみた論説であるあをひとつひとつ丁寧に化けの皮をはがしていくということになっている。
 著者の、いままでからの考え方は一貫していて、日本人社会が培ってきた経済運営のあり方のすばらしさ、重要性をもういちど原点から紐解き、如何にコンサルタントが言っている内容が、今のアメリカ、日本の実体経済からかけ離れたものでるかを立証しながら、各章が進んでいく。
日本社会の閉鎖性が米国のスタイルから遅れをとっているという戦後の丸山節の同根の考え方で、そういう思考の延長線に現在の日本経済もあるという認識で、まるっきり進歩がないと断罪する。
最後に真のイノベーションとは、安定的な長期雇用、安定的な社内風土、外部企業との信頼の中でしか生まれない、ましてやオープン・イノベーションなんぞやは、真逆の結果しか生まないだろう。
日本の所謂停滞は、いつに金融政策の失敗が原因であり、企業活動が原因ではないのである。
久々に中野剛志さんの本を読んだが、言っていることに首尾一貫性があり、すっと読めました(笑)。
また、引用された本をこれからまたボツボツ読んでいきます。

 

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Posted by ブクログ 2017年07月22日

漠然と「なんで世の中こんな状況になってしまったんだろう?」と疑問に思っていたことが、クリアになった気がする。

①なぜイノベーションが起こらなくなったのか?
②なぜ短期で成長し続けることが求められるようになったのか?
③なぜM&Aが盛んに行われるのか?
④なぜシリコンバレーだけ最先端を行く企...続きを読む業が生まれるのか?

たくさんの文献から数値や背景を明確にして、鋭く分析されている。
本当の部分も多いと思うけど、これが最先端の実態だとするとやってられない。

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Posted by ブクログ 2022年01月11日

総評: 「アメリカ式経営」偏重に一石は投じるが、「じゃあ、日本はどうする?」は物足りないかと。
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読んでいる時は「ふむふむ」と納得しながら読めた。

(1) アメリカがイノベーションを生み出し繁栄したのは軍事産業のおかげ

(2)日本の「終身雇用」的な人事制度はイノベーションに必要な

...続きを読む「長期の濃密な人間関係」

を築く上では有効であり、必ずしも時代遅れで廃止しないといけないというようなものではない。

(3)アメリカは株主利益を偏重するがゆえに四半期(超短期)業績主義によってイノベーションの力はむしろ落ちている。

(4)日本の停滞の原因は金融政策の失敗と、(3)のアメリカ型ガバナンスを導入したことによってイノベーションが生まれなくなってしまったからだ

(5)日本は長期目線でイノベーションを生み出す「老舗企業」を増やすことを目指すべきだ

このような感じかと。

確かに、

「アメリカ型の超短期業績主義のガバナンス=イノベーションを生んでいる」

と短絡的に結びつけていたのでそれについては目線を変えることができた。

ただ残念なのは、そうは言っても現状、アメリカや中国の企業がどんどん売り上げを伸ばしていて、日本企業が売り上げを伸ばせていないのは事実なので、それに対して日本がどうしていくのかと言うアイデアがあまりなかったのは残念。

あくまでも

「なんでもアメリカの経営を真似したら日本も良くなるよ」

と言うことじゃないと言う目線を与えてくれた本であると思う。

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Posted by ブクログ 2021年09月29日

経産省で長らく勤務してきた作者が、日本経済にまつわる、ふわっとした著名人の提言を、バッサバッサと切り倒していく本作。

元マッキンゼーの赤羽氏、元BCGの冨山氏などのコメントに対し切り込んでいく。

近年の日本経済は、アメリカ(特にシリコンバレー)礼賛主義を強め、とにかく起業、テクノロジー、オープン...続きを読むイノベーションなどの推進を強く主張している。

しかし、実はアメリカの起業率はそれほど高くなく、軍事技術と密接に絡んだ一部IT企業は成功しているものの、経済の短期利益獲得競争により、経済としては疲弊、つまり成功とはいえない状態である。

そうしたものを盲信するのではなく、改めて日本型の経済を考える必要があるというのが筆者の主張。惜しむらくは、ではその日本型のあるべきは?というところに、もう少し意見が欲しかった。

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Posted by ブクログ 2021年06月25日

失われた平成の30年が、どれだけ間違った方向へ進められていたのか・・・中野先生の視点は「鋭い!」と感じさせられます。
失われた30年を取り戻す「令和」に時代を作れるのか?
早々に世代交代を望みたいと思います。

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Posted by ブクログ 2021年03月03日

■メインテーマ
アメリカのベンチャー企業やいのへに関する恐るべき実態と根の深い問題とは?

■著者の主張
共同体的な組織や長期的な人間関係からイノベーションが生まれるのだが、ベンチャー企業などの短期的で流動化した市場環境を推奨する動きが日本にはある。

■学び
何百年も生き残っている老舗企業のサバイ...続きを読むバル力に目を向けるべきだが、日本企業は地味で保守的な印象を生む。だから多くの人は、突然現れた勢いがあるベンチャー企業に目がいってしまいそのイメージにより、イノベーションは日本では生まれにくいとなったのだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月23日

■ひとことで言うと
 日本的大企業の価値観こそ、イノベーションの源泉

■キーワード
 ・アメリカ経済は40年以上停滞
  →アメリカはもはや企業大国ではない
 ・イノベーション=不確実=計算不可能
  →イノベーションへの投資=不確実性への資源動員
   →矛盾の正当化が必要
 ・イノベーションへ...続きを読むの投資には強い権限、営利目的の超越、価値観の共有が必要
  →日本的大企業で育まれやすい価値観
 ・オープン・イノベーション=標準化⇔差別化
  →競争力の低下
  →クローズド・オープン・イノベーション(限定された関係の中でのオープン・イノベーション)を目指せ

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Posted by ブクログ 2020年03月08日

シリコンバレーは軍事政策の産物、米国のベンチャーキャピタルは金融業、オープンイノベーションは短期利益の追求など日本で蔓延する米国礼賛を否定しドナルド・ドーアが絶賛した日本的経営の復活を啓蒙する書。米国は四半期資本主義だと糾弾し、それに追従する日本政府の経済政策である構造改革こそが現在の低迷を招いてい...続きを読むる元凶と批判する。締めは例によって新自由主義とグローバリズムの否定になります。レーガン、サッチャーで新自由主義の先駆者であった、アングロサクソン国家が、トランプ大統領を誕生させ、ブレグジットに向かったのは決して一般大衆が愚かだった訳ではないのだな。

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Posted by ブクログ 2017年06月30日

組織学会主流派の考えに基づいて、著者独特の論理展開で、一見、一般的と思える主張に批判を試みる刺激的な良書。

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Posted by ブクログ 2017年06月14日

「真説・企業論」中野剛志


1980年代以降の米国はベンチャー開業率が下がり続け、2009年以降では1997年の半分しかない。

アメリカの若者が起業する比率は下がり続け、2013年には1989年の三分の一に。

2015年の「Top100グローバルイノベーター」は日本企業は世界最多の40社。2年...続きを読む連続で米国を上回った。

米国の高卒以上比率は先進国中11位。25-34歳までの高卒以上率が55-64歳までのそれより低い唯一の国。

15歳を対象にした国際学力テストPISAでは、2012年の米国の順位は、読解力が24位、科学が28位、数学が36位。日本は、読解力が4位、科学が4位、数学が7位。

アメリカは過去40年、低い生産性を記録し続けている。

社会で全体ではベンチャー企業こそが非効率部門。

政府が支援すべきでない企業
・ライバル企業から市場を奪って成長しただけで、市場全体を大きくしたわけではない企業。
・海外ばかり工場を建て、国内に雇用を生み出さないで成長した企業。
・市場シェアや利益は世界トップクラスではあるが、一握りの経営層と高度な専門技術者だけで構成されており、雇用をたくさん創出しない企業。

1980年代のシリコンバレーはミサイル、衛星、軍事関連及び宇宙関連の電子技術に関わる企業が多数立地していた。彼らは収入の多くを防衛関連の政府契約に依存していた。

アメリカ初のVCは、その創設の目的は軍事的なものであった。

アメリカがITベンチャー大国でシリコンバレーにハイテクベンチャーが集積している理由は米国が世界最大の軍事大国だから。

ハイテクベンチャー企業の7割が最後に資金供給を受けてから2年以内に倒産している。

ハイテクベンチャー企業の半分以上が100万ドル以下の資金調達で倒産している。倒産したハイテクベンチャー企業が調達した資金額の中間値は130万ドル。

ベンチャーキャピタルはイノベーション全体ではなく、その後半であるハイテクの事業化に対して投資している。

技術が革新的なものである場合は、2年で結果を出すのは難しい。

イノベーションとは、事前にはその結果を知る事ができないような活動を言う。結果の見えない不確実な将来に向かって投資や開発といった行動を起こさなければイノベーションは実現しない。

イノベーションが直面する不確実性とは、本質的に「事前には結果を計算できないような将来」を意味する。

全ての成功は直観にかかっている。直観とはその時は分かっていなくても、事後的に正しいと判明することを見通す事のできる能力であり、原理を説明できないにも関わらず、本質的事実を掴み取り、本質的ではないものは捨て去る事のできる能力。


ベンチャーキャピタルのトップ5社が2011年〜2013年前半に出資したシリコンバレー88社のうち、70社の創業者は、「大手IT企業での幹部職経験者や、影響力を持つ人物と関係のある会社に勤めていた人か、すでに起業の経験がある人か、スタンフォード大、ハーバード大、MITのいずれかで学んだ人」であった。

荻生徂徠は、人をただ見ただけでその器量を見抜く事は誰にもできない、名将は一目で人材を見抜くなどと言うのは愚か者が信じている事であると言い、人材を評価するには実際に使ってみる事であり、あれこれ指示せずに好きになようにやらせてみるのがよいと言う。

イノベーションの推進者が、所属する組織内で共有された価値観を理由とする事ができれば、期待される利益の計算において多少劣っていたとしても社内を説得する事ができる。

「イノベーションの理由」が調査対象にしたイノベーションの事例は23件。商品、技術シーズの開発に着想してから事業化に成功するまでに要した期間は平均9.2年。5年以上かかった事例は17件、その中で10年以上かかった事例は9件、さらに15年以上かかった事例が5件であった。2年以内に成功したのは2件のみ。すぐに始めて3ヶ月で潰す意思決定をしていては事業化に成功するものは一つも出ない。

大企業では人的ネットワークをさらに広く、深く、長期間に渡るものにする事。

世界を一変させるような画期的なイノベーションのリスクを担う事ができる最大最強の組織は国家である。

同じ人員、同じ戦略上でビジネスを進めている限り、連続的な改良改善はできてもイノベーションは生まれない。

イノベーションは、単にばらばらのデータや情報をつなぎ合わせるだけではない。それは人間一人ひとりに深く関わる個人と組織の自己変革である。社員の会社とその目的への一体化とコミットメントが必要不可欠。この意味で、イノベーションとしての新たな知識の創造はアイデアと同じくらいアイデアル(理想)を創る事。

イノベーションの本質とは、ある理想やビジョンに従って世界を創り変える事。

新しい知を創る事は、社員一人一人と会社を絶え間ない個人的・組織的自己革新によって創り変える事。

日本に限らず、長期の競争力のある企業は長期雇用を重視する。

長期の競争力とは、持続的に改良改善あるいは革新を生み出し続ける能力の高さの事。

共同体的な企業とは、限定的で長期的な雇用関係や取引関係を持つ企業のこと。

イノベーションを生み出したければ、企業を本当の意味で共同体的な集団へと変えること。

イノベーションの理由は、単純な営利目的ではなく、むしろ利益計算では示すことのできない非経済的な価値観であった。営利中心の発想は、この価値観を殺す。

米国経済における、金融部門が保有する資産は1980年にはGDP比で55%だったのが、2000年には95%にまで膨らんでいる。金融機関の支配力が強くなった事で株価の最大化や短期的利益の追求への圧力が格段に強くなった。

20カ国30年のデータを分析すると、金融部門が成長すると、生産性は低下するという結果が出ている。株主主権論と効率市場仮説から導き出される金融化がイノベーションを促進するものになる事はありえない。

自社株買いこそが米国企業の短期主義を助長し、アメリカのイノベーションを削いできた元凶。コーポレートガバナンス改革の結果、2016年の1-9月までの上場企業による自社株買いの実施額は、4.35兆円と過去最高であり、これが本来ではイノベーションに向かうべき資金。

アメリカ出羽守(でわのかみ)、、、アメリカでは〜、シリコンバレーでは〜と、すぐに海外の手法を真似たがる途上国メンタリティ。

アメリカ出羽守が提唱する経営手法や制度は、日本には馴染まないだけでなく、アメリカでも上手くいっていない。

日本経済は米国を模倣した構造改革が足りないからではなく、構造改革をしたからダメになった。


アメリカはベンチャー企業天国ではない
・開業率はこの30年で半減している。
・1990年代は、IT革命にも関わらず30歳以下の起業家の比率は低下ないし停滞し、特に2010年以降は激減している。
・先進国より途上国の方が起業家率が高い。ペルー、ウガンダ、エクアドル、ヴェネズエラは米国の二倍以上。日本の開業率も高度成長期には現在よりもはるかに高かった。
・アメリカの典型的なベンチャーはイノベーティブなハイテクではなく、パフォーマンスも悪い。

日本は1990年代以降、アメリカを模範としたコーポレートガバナンス改革を続けた結果、米国経済と同様に長期停滞に陥っている。
・日本のコーポレートガバナンス改革は、アメリカのビジネススクールで洗脳された官僚達が主導している。
・日本のコーポレートガバナンス改革は、金融化やグローバル化を推進し、日本企業を短期主義的にする結果を招いている。
・コーポレートガバナンス改革によって、日本はイノベーションが起きない国へと転落する。

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

色んな企業について取り上げた一冊。

老舗の企業の方が新興のベンチャーより上というのは考えとしては理解できるものの、それではいつまで経っても新興のベンチャーは育たないと思った。

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