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Posted by ブクログ
相当ハイレベルな内容を圧縮して詰め込んだ本。
ケインズ、ハイエクそれぞれに、経済学だけでなく、哲学、歴史など多様な要素が含まれている。その分楽しめるとも言えるが、自分の知識をいかようにも試され、降参してしまう。
それにくらべて、年金制度の行き詰まり、トップダウン故につまづいている貨幣経済など、今日の日本経済が実に情けなくなってくる。
「ハイエクならば、貿易自由化という以上は同時に貨幣発行の民営化まで踏み込まなければならないと主張するのではないか。農業は製造業とは別の民間通貨を使うのである。」との意見は、官から民にお金の流れを変える事の大切さを考えさせられる。
Posted by ブクログ
要約を好む人は多い。「一言で言うと?」というのは慣用句。しかし事実は複雑で、くだくだとしたプロセスを追わなければ概略すら理解してとは言えない(せいぜい、知ったような気になるだけで、正しくもなければ利用も出来ない)。
本書ではケインズとハイエクの数十年にわたる思考の過程を追っていく。難しいが彼らの理解に一歩近づけたような気になる。
Posted by ブクログ
偉大な経済学者であるケインズとハイエクの思想、理論を、時代背景や経済学会の動向、政治、経済、戦争などの状況と並べ、解説したもの。景気循環や政治的都合と共に、ケインズもハイエクも蘇るのだが、それは経済政策的に最適だからというだけでなく、政治の事情や国民の意識が絡んでいることがよくわかる。景気というと単に日経平均の指標くらいしか意識しないが、金利や失業率、財政収支、通貨供給量などにも関心を持つことで、先行きを少しは見通せるようになると思うし、仕事でもとても役立つだろう。
Posted by ブクログ
デフレの英国1920年~、金融対策の困難な現実に対処するケインズと、経済の景気循環説を貨幣理論により唱えるハイエク。
今の金融危機と対比して読むと面白そうです。
Posted by ブクログ
ぎゅっと圧縮したところと、詳しく解説しているところと、
緩急のある書き方があって飽きずに読めました。
ハイエクというと経済というより哲学の印象が強かったので、
ケインズとやりあう場面などはかなり新鮮に思えて目が覚めた。
それでも読み終えて印象に残ったのは、
経済に関する箇所ではなくて、
やっぱりハイエクの『自由論』のところ。