【感想・ネタバレ】ゴダールと女たちのレビュー

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Posted by ブクログ

世にジャン=リュック・ゴダールの信奉者かずかずあれど、つまり、たしかに私も著者の四方田犬彦も、そのうちのひとりのはずですが、以前からこころに思ってはいましたが、恐れ多くて、けっして口には出せないし、出してはいけない、出せば世間のひんしゅくを買うこと間違いないと思われること、そう、

ゴダールは、女に逃げられるという天才的才能の持ち主だ

という視点から、この本は書かれていて、私などは内心ひそかに喝采を叫びながら、ドキドキして、頁をめくっていきました。

ジーン・セバーグ
アンナ・カリーナ
アンヌ・ヴィアゼムスキー
ジェーン・フォンダ
アンヌ=マリ・ミエヴィル

少なからぬ期間、ともに暮らし主演女優の座を与えられ、やがて別離をむかえた5人の女性にからめて語られるゴダールと映画の物語は、すべて以前から知っていることのようで、まったく新しいことのようにも感じられます。

ただし、遅々として読み進まないのには理由があります。

それは、数頁よむごとに、そこに言及されている映画のDVDを、持ち出してきては見るということをしているためです。

しかもそれは、オットー・プレミンジャーの『聖女ジャンヌ』と『悲しみよこんにちは』、ゴダールの『勝手にしやがれ』の中のジーン・セバーグに再会したことから火がついて、この本に関連する映画だけにとどまらず、中学・高校のときに見たフランス映画やイタリア映画まで見るという懐古趣味に陥ってしまったのです。

ああ、早くもっと先まで読みたいけれど、のらりくらりとして、かつて心うばわれた映画にも邂逅したいし、とても優柔不断を弄んでいます。

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2011年12月15日

Posted by ブクログ

ゴダールの映画は何本観ても何回観ても難しい。
「女たち」でフォーカスしてもまだ難しいが、少しずつゴダールの深みに入る手助けをしてくれる一冊。

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2019年09月27日

Posted by ブクログ

ゴダールと、彼を取り巻く女性たちから作品を語る書。

女性から霊感を得て、(彼女たちに逃げられながらも)常に進化し続ける。そんな切り口がおもしろかった。
読みやすく作品を概観するのにちょうど良い。
ゴダールは好きだけど信奉者のベタ褒めや小難しい批評はちょっと、、という方におすすめ。

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2016年08月29日

Posted by ブクログ

ゴダールを巡るミューズ達の肖像を描くのだが、実は現在のパートナーであるアンヌ・マリ・ミエヴィルの存在の重要性に正当にスポットライトをあてた初めての書物かもしれない。ミエヴィル以降のゴダール作品のぶっ飛び加減は、確かに60年代の作品の比じゃないもんな。ただまあ、目を覚ましていられらたら、なんだけど。

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2012年01月09日

Posted by ブクログ

ゴダールをめぐるミューズたちを中心に展開されるゴダール論。
ジーン・セバーグとアンナ・カリーナの章の冒頭に、岡崎京子のイラストが使われている。
あとがきに、岡崎京子への献辞が、述べられているのが切ない。

正直な話、ゴダールの映画は、ほぼ半分くらい寝て観ているので、ストーリーのダイジェストを読むと、「あぁ、あれはそういう映画だったのかと」理解できるのはありがたい。『アルファビル』とか『女と男のいる舗道』とか。

著者は、近年のゴダールの作品に高い評価を与えているが、必ずしも映画に政治性や批評性を求めていない、自分のような怠惰な映画ファンには、なぜ敷居が高いのかも理解できた。映画に「セックスと政治」、「家事と労働」、「子供と高齢者」のような主題について、深い洞察や啓発は求めてないので。

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2011年11月09日

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病院の待合室などで読みました。ことさらゴダールファン!!というわけではないのだけれでも楽しめました。
『女は女である』をもう一回みーようっと。

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2011年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

気難しいゴダール論が多い中で、さらっと読めるゴダール論の新書。
大島渚が
「(自己変革が)到底不可能な女に、自己変革しろと迫るのがゴダールの趣味なのかもしれない。どうもゴダールにはそういう不可能へ寄せる情熱のようなものがある。そして美女たちは結局逃げ、ゴダール自身はそのことによって必然的に自己変革を迫られるという、ゴダール自身にとってはある意味でなかなか都合のよいシステムが出来上がっていて、だから私は、女房に逃げられるという一種の才能もこの世にあると感嘆したのである」
と言っていたらしい。この文章を出発点として、ゴダールの奥さん又は周辺の女優について解説した本。彼女たちの詳しい経歴・人生とゴダールとの関係が主な題材。特に今の奥さんであるアンヌ・マリー・ミエヴェルについて初めて聞く情報が多く、興味深かった。名前こそよく聞くけれど、彼女の素性についてはほとんど聞いたことがない。彼女がゴダール映画において多大な貢献をしているとは聞いていたけど、彼女がどのういった経歴で何に興味を持っている人なのか、そこからゴダールが何を感じたのかについて、これまたさらっとでも詳しく書かれていて勉強になった。
ところでジーン・セバーグはゴダールを捨てたわけではないのでは?

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2012年08月11日

Posted by ブクログ

ゴダール「映画史」を見るために読んだ本。
しかしあまりに素人過ぎて読んだことが映画鑑賞に全く活かされず。

ただ、これくらい気軽に読めるゴダール本はもっと増えてほしいです。

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2012年05月26日

Posted by ブクログ

 ジーン・セバーグ、アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、アンヌ=マリ・ミエヴィルの4人の女性の生涯を語ることで、ゴダールの作品に言及していくという試みに惹かれました。
 ゴシップ的な内容も多く、作品に対する批評も軽めでありますが、僕のような非マニアにはゴダールの作品をいったん俯瞰するにはとりあえずこれくらいでいいかと。
 あとはまぁ、岡崎京子のイラストが好いよな。しかしこれは反則気味。

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2012年01月01日

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