【感想・ネタバレ】黒と茶の幻想(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年12月05日

恩田陸の作品で最も好きな本。関連のあの学園も合わせて読むと、登場人物のその後を見た気がしてなお楽しめる。前半からの特に何も大きなことは起こらない中で繰り広げられる会話劇が既に恩田陸ワールド全開で魅力的。どことなく不穏な空気もちらつかせつつ、物語は大きく急展開することもないまま登場人物それぞれが語り手...続きを読むとしての役割を担い始まる。屋久島に行きたくなった。逆さ杉を私も見てみたいと思った。みんなどこか屈折しつつも、こんなに語り合える深い友人たちが居たとしたら楽しいだろうな。
恩田陸好きの中でも大人にハマると感じる本。

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ネタバレ購入済み

mac
2022年11月13日

・人間は自分の手を動かさないと、どんどん他人に対して冷たくなるし、想像力が鈍ってくる。
・毎日少しづつ。いつのまにか取り返しのつかない大きなものになっている。
・人によって、老化のスピードがこうも違うものかと、たまに誰かに会うと思い知らされる。
それは肉体の老化のスピードではなく、精神の老化の...続きを読むスピードなのだろう。
その人の生活圏が老化のスピードを左右する。職場や住環境、接する人間の種類、出入りする店など。
辛気臭い職場で辛気臭い仕事をし、辛気臭い人間としか付き合っていない人間は、当然ながら早く辛気臭くなる。
・幸福な時の思考はワンパターンに陥りがちだが、不幸になると実に様々な事を考えるものだ。
特に、大事にしていたものを失った時には。
・よく似た二人は、自分の似ているところに共感する。
何故こんなに感じるところが似ているんだろうと感動する。
しかし、以心伝心はやがて空虚になり、単なるコミュニケーションの欠如になっていく。
そっくりだからこそ、欠点も鏡のように自分に跳ね返ってくる。
それは自己嫌悪になり、ついには相手への憎悪になる。
同じ部分の欠けている二人は、どんなにもがいても欠落している部分を互いにフォローすることが出来ない。
・旅先で写真を撮るのは社会的な行為なのだ。一緒に旅行したメンバーと、社会的な絆を確認する行為。
それこそ、、証拠作り、アリバイ作りだ。
だから逆に、これだけくだけた利害関係のないメンバーだと、その必要を忘れてしまう。
身体の中に残る旅。そんな旅が出来るのは幸運だろう。そして、恐らくこの旅は、その幸運な旅の一つなのだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月25日

何回読み返しても面白い。下巻もあり結構長いけどとにかくよく喋る登場人物たちで、テンポもよく飽きない。章の構成もすごく腹落ちするものだった。特に会話の内容が好きで、本人たちの言い回しを積極的に使いたくなってしまう。
あの憂理がこんな結末を迎えてたなんて信じたくはないけど、、とにかく面白いおすすめの本で...続きを読むす。

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Posted by ブクログ 2021年09月04日

大学生時代の友人がY島に行き過去の清算なのか、4人が思惑を胸に旅行をする。
上巻は利枝子と彰彦が主役で過去を振り返って胸のうちを解放させる。
2人の気持ちや考えにのめり込んであっという間に読み終わってしまう。
前に読んだのにほとんど記憶に残ってないのは何故なのだろう?
でも毎回のめり込んで読んでしま...続きを読むうのでつまらない訳ではない。

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Posted by ブクログ 2021年05月09日

三月は深き紅の淵を に出てくる幻の本の、1話目に当たる話なのでしょうか?
ほんとに面白いですよね。
毎日の暮らしの中で遭遇する小さな謎(待ち合わせして、同じ時間に同じ場所にいたはずなのに会えないとか)から、一時期ニュースにもなった話題性のある謎まで、たくさんの美しい謎だらけ。解決するものもあれば有耶...続きを読む無耶になるものもあって、こんなにたくさん楽しんじゃっていいのー?!という感じ。
4人の登場人物がいて、それぞれが一章ずつ語っていくのだけど、この4人なら蒔生が最後なのかと思いきや、節子がトリというのもなんだか不穏だし。
恩田陸さんの作品の中では、これが1番好きです。

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Posted by ブクログ 2020年05月27日


タイトルに入る色は黒と茶という2色ですが、作品で細部に散りばめられたのは紫という色。そして、差し色のように使われる赤。

恩田陸さんの表現するミステリーのようなリアルな世界が読んでいてとても心地よかったです。

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Posted by ブクログ 2020年05月14日

久しぶりの再読。
語り手が替わる事で視点が変わって面白い。
細部を色々と忘れていて読み返してはっとする事が多かった。
相談できる人とできない人のくだりが個人的に好き。自分はできない人だといつ読んでも思う。

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Posted by ブクログ 2020年05月03日

三月、麦海から続けて読んでいるからかこちらのシリーズは比較的すんなり読める。気がする。とはいえ三月で散々(?)前置きというか予習させられてもなおこの掴みどころのなさというか独特の不透明感、幻惑感。流石としか言いようがない。

下巻も楽しみなのだが、ふと下巻の目次を読んだら蒔生が三章、でラストの四章が...続きを読む節子なの、、、、?!!ヒエ、、、、まさか過ぎる
もう今の時点で勝手に盛り上がっちゃうくらい楽しみ。
このまま下巻も続けて読み始めます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年06月02日

本筋以外に謎がたくさん出てくるので頭の中が非常に忙しい。解明されていない謎が引っかかって、次の文章を読んでいる間にも頭の奥で推理が続いている。本筋と関係ない話がゴロゴロ出てくるけど、この関係ないことこそ人生そのものみたいで面白い。この寄せ集めで人生ができている。人生みたいな旅をしてる4人だなと思う。

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Posted by ブクログ 2019年05月14日

謎について話しながら(過去の回想を織り交ぜて)山を登るというシンプルなあらすじなのに、すごく面白かった。

憂理が重大な要素として出てきて嬉しい。

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Posted by ブクログ 2018年09月26日

すごく色々考えさせられました。

自分を分析しない、あきお。
人を分析しない、あきお。

判りたい、
何故そう思うのか
何故そうするのかを判りたい。
わかろうとする事が
誠意であり愛情表現に近い気すらしていたので
新鮮でした。

でも、自分を知ることで
得られるメリットと
デメリット...続きを読むなんて考えたことなかったなと。
無知であることをまるで
愚かであることにゆうけれど、
無知であるがゆえの強さって在る。
でも、理由がわからないがゆえに
臆病になることもありそうだ。

知らないままで受け入れられてそのままを愛せたら
分析する必要なんてないのだろうか…

意思の疎通がままならなくなったとき、
喋るか喋らないか。
作中ではそれを男と女に分けていた。
色々考えさせられる話でした。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

学生時代の友人であった男2人女2人の4人が大人になってから太古の森のある島で登山をする物語。それぞれの立ち位置や気持ちや嗜好が4人を繋いでいる。
その中に今は亡き舞台女優で過去の友人であった女が見え隠れする。どうも彼女が4人をこの旅に誘うきっかけだったようだ。

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

理瀬シリーズのスピンオフ。学生時代からの友人グループ4人が屋久島に旅行し、過去の謎が解明されていく。理瀬の友、憂理(女優)に関わる謎がメイン。『麦の海に沈む果実』を先に読むこと。
読み始めは少し違和感を感じましたが、屋久島の雄大で、神秘的な自然の中での4人の会話を中心とした展開に次第に魅了されました...続きを読む。下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

学生時代の同級生だった男女4人が十数年ぶりに会い、『非日常』というテーマの旅を企画する。
行き先はY島。太古の森の中での森林浴。
利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人は30代後半で、それぞれ結婚して家族がいる。
山登りを体験しながら、同級生らしいとりとめのない会話が延々と続いていく。

過去に遡り、そこに...続きを読む何があり何が起きていたのかを探る旅は、ある時ぷっつりと消息を絶ってしまった4人の共通の知人、梶原憂理という美しい女性を浮かび上がらせる。
苦くせつない4人の物語は、これからどこへたどり着くのだろうか。

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Posted by ブクログ 2024年01月02日

男女4人の美しい謎を求めて旅する物語。
「美しい謎」とは??
上巻の大部分はぐだぐだしていた印象をうけた。
ラストにようやく殺人事件が登場。
真相に儚いと同時に憤りを感じた。
続けて読みたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月20日

理瀬シリーズを最初から読み返す中で、本作はまだ読んでなかったことに気が付きました。
わくわくして読んでいても一向に理瀬が出てこないぞ・・・?と思っていたら、憂理の話なんですね。
「麦の海~」の中の憂理は、美人だけどあっけらかんとした印象で、あまり謎めいた雰囲気ではなかったのですが、「黒と茶の~」では...続きを読む謎めいた美しい女性という印象でした。
でもそれは、あの学園と理瀨やヨハンが謎めきすぎていたため、憂理が目立たなかっただけだったのかもしれません。

屋久島の美しい自然と非日常感が、参加者それぞれの心の中に眠っていた感情をあらわにするようでした。
読んでいくとどんどんそれぞれの人物の心の中に沈んでいくような不思議な感覚になりました。
上巻では利枝子と彰彦について。
それぞれがその時々の会話などからヒントを得ながら深堀していきます。
この構成になっていると知ってからは、蒔生の話を読みたいなと思っていましたが、彰彦の最後が衝撃すぎて、あっという間に読み終えてしまいました。
今のところ節子には何もなさそう(失礼)ですが、これは期待してしまいます。
下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2023年01月01日

家庭を持ついい年した美男美女四人組が旅行に行く話。思い出話や日常の謎を語り合う。
こんなのはやましい話に決まっている。是非とも旅行先で悲惨な目に遭ってもらいたいと期待しながら読む。くたばれリア充。
話の本筋に関係あるのかないのか分からない会話の数々に、何度もドキッとさせられたり興味深々になってしまう...続きを読む。こういうのが絶妙に巧い。これが恩田ワールドというやつか。
物語の内容そのものはどうでもよくなってきて、この会話を盗み聞きしている面白さに浸ってしまった。
くたばれリア充。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月10日

「利枝子」
嫌いになりそうな女性と思わせてとても好きな人。冷静で、頭が良くて、蒔生のことがずっと好き。この旅に来て1番よかったのは利枝子なんじゃないかと思う。利枝子の想いはずっと蒔生に向かっていて、下巻だけれど、再婚しないでっていうとことは、特に好き。
「彰彦」
とても明るくて、とてつもない闇を抱...続きを読むえている。お姉さんの本当の気持ちにきっと気づいているのに、絶対に向き合いたくないと思っている感じ。友達だったら1番楽しい人。上巻は、本当に蒔生を愛したふたりの想い。

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Posted by ブクログ 2022年08月10日

再読。
10年ちょっと前に、高校生だったときに読んだ時より格段に面白く読めた。
読む力が成長した…というよりは、当時は過去を顧みるなんてことを知らなかったし。
という具合に、登場人物たちの会話劇を楽しみつつ、自分と他者の関係や学生時代を思い出したりしてしまう力のある作品で、こういうところがこの頃の恩...続きを読む田作品が書評などで「ノスタルジー」で語られていた(そういう記憶がある)所以かな、と今更ながら思えた。

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

ノスタルジーな雰囲気で、読み甲斐がある。会話が面白いし、こういう登場人物視点での章はあんまり得意じゃなかったけど、これは面白い。
そして、シリーズで世界が繋がってるのがまた良い。

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Posted by ブクログ 2020年05月18日

大学時代の同級生の男女4人が屋久島旅行にでかけ、「美しい謎」をテーマにいろいろな話を繰り広げていく。「三月は深き紅の縁を」の中に出てきた4話のうちの一つがここで現実に小説となっているのですね。

4人それぞれの視点で描かれていき、上巻での語り手は利枝子と彰彦。たわいのない話から核心を突くような深い話...続きを読むまでがずっと話し続けられるなかで、4人の個性がいろいろと見えてくるのが面白い。けれど、だんだん「美しい謎」どころではない話に突入してきたところで、下巻に続く…気になる。

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Posted by ブクログ 2020年05月09日

世界遺産Y島に向かう四人の旅行者の話。

まだ上巻しか読んでいないけれど、日常のふとした瞬間を深く掘り下げる語り口がよかった。
恩田陸の文体は軽いので、サラサラと流れ込むように読めるのも非常にありがたい。
ミステリーパートについては妄想炸裂だけれど、証拠を探して犯人を追い詰める、という話ではないので...続きを読む緩くそんなこともあったかもしれない、と思わせる話でした。

個人的にY島にはすごく興味があるのでY島に行く人はきっと読んでおくと楽しい。
下巻も楽しみです。

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Posted by ブクログ 2020年04月21日

上下とも読んで4人に対しての好き嫌いがこんなにも分かれるのかと自分でも驚いている。
憂理がこんな形で出てきて、なんとなくあれから理瀬には会ってないんだろうなと思ってしまった。彼女は多分「そっち側」じゃないんだろうなと思う。

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Posted by ブクログ 2020年04月15日

理瀬シリーズの憂理のお話。
ここで憂理の苗字もわかって、おっ、いいなぁと思った頃にはもう読み終わってしまう。続きがきになる一冊!

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Posted by ブクログ 2020年03月13日

「美しい謎」

それぞれ家庭を持ち社会に埋没している大学時代の友人4人が、久しぶりに集まり数日間の旅行をする

過去を取り戻すための旅

そこで語られる過去の話から、それぞれが知りたかった、気づいていなかった核心を知る…

話すことで自分の中の考えがどんどん整理されていき、思わぬ答えが見つかる感覚
...続きを読む
第一部 利枝子
梶原優理はどこへ消えたのか?

第二部 彰彦
紫陽花が怖い理由と高校時代の親友の死の真相

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Posted by ブクログ 2019年05月04日

再読7回目。
4人の男女が旅をしながら、ひたすら話をするお話。たぶん、それぞれの自分探しの旅。事件は何も起こらないのに、それぞれの中ではダイナミックに変化している。内省の旅。

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

学生時代の友人、男女4人の旅。
キーワード的に登場する梶原憂理。
旅のテーマである美しき謎を解くうちに、真相が分かるのだろうか?

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Posted by ブクログ 2023年03月04日

結構前の作品ですが、今更ながら初読み。過去の謎を解きながら現在のそれぞれの気持ちも絡み合うちょっとミステリアスな内容で、下巻も気になります。

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Posted by ブクログ 2022年11月14日

東野圭吾さん的なミステリ。構造がしっかりしてて、納得できる謎がうまいこと散りばめられている。
キャラクターが立っていて言葉遣いがきちんとかき分けられているのと、真理や風景描写がナチュラルで瑞々しいぶん、恩田さんの方が魅力的。
テーマの一つが男と女だから、少々生臭く、それが森との対比で浮き上がる。
...続きを読むこは好き嫌いが分かれるポイントかも。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月09日

大学時代の友人4人で旅行をしながら、"美しい謎"について語り合ううち、あえて触れずにきた過去が明かされていく。

重い展開になりそうな予感がしつつも、先が気になる。。

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Posted by ブクログ 2020年05月13日

学生時代を共に過ごした男女四人が、大人になりお互い家庭をもつようになってから、ふとしたことをきっかけに屋久島旅行に向かう。
旅のテーマは、「美しい謎」の謎解きと、過去との対峙。

幻想的な太古の森を歩くうち、それぞれが今抱える問題や悩みを超えて、忘れかけていた過去と向き合い自分と直面する。
...続きを読むの疚しい人間には見えないという、伝説の三顧の桜は、果たして見えるのだろうか?




今年の夏に屋久島に行くので、屋久島舞台の小説をと思って読みました。
大人になっても学生時代の友人と変わらず会えるって、素敵なことですね!

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