【感想・ネタバレ】1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

浴びる

Googleを検索して答えが引き出せる

うろおぼえ力が大切

記憶力よりも人に何を聞く

私は何か問題が起こったら非常に優秀な私よりも頭の良い人が良い答えを出させます

そうすれば自分の体はスッキリした状態に保つことができます

そして自分はもっと大事なことを時間を使います

それは例えば考えるということなんです

考える事は過酷な仕事だだから
それをやろうとする人がこんなにも少ない

知識があればコストが下がる

情報量が増えると人は考えなくなる

考えるとは概念の上に意識を漂わせ情報と知識を分離

結合させ整理する行為

つまるところ考えるとは意識的な行為

意識

考えるとは意識を使って情報を制する

意識を自由にコントロールすることこそ

最終的な私たちの目的地

最も賢いのは芸人である

考えるとは最も効果的な行為

あらゆる行動、物事に対して使える最強のスキル

本質を考え抜きたった1つのことを行うことで
結果的に効率をもたらす

すべてのものは一見分かれているように見えるが

実は有機的につながっている

そしてそのつながりの中にその本質を問い続ける

何かを成し遂げたいのであれば常に考えて最も

保守的なことだけ気をつけるべき

考えること最もコスパの高い行為である

前提を疑うそれが考えること

問いをとうと言う事は前提を疑うことでもある

できる人は常に代替案を用意してある

考える目的を端的に言えば
代替案を出すこと
具体案を出すこと
全体像を明らかにすること
本質を見抜くこと

ホリエモンの優秀さ

彼にはあまり執着がない

代替案をいくつも持っているから余裕がある

想定内

失敗を前提に別の手段(代替案)を持つ習慣が

身に付いている

こだわる人ほど成果を上げることができない

小さな物事に集中し続ける意識のコントロール力

具体案を出すこと

全体像を明らかにする

物事の全体像を捉えるべき俯瞰する時

どこに意識すべきは時間軸と空間軸でこの時

実際に紙に書き出すことがポイント

核心をつくと言う事はここを変えればもっと

大きく動くだろうと言うレバレッジポイント

見つけること

見えている問題はできるだけ手を触れては

いけないし仮にその場しのぎであったとしても

目の前に見える氷山の下にある大きな氷の塊を常

に意識しなければならない

思考力を鍛えるためには何が必要かというと

考える、書く、話すの3つのサイクルの確立

自分の分析が何か気持ち悪いと感じなくなるまで

考え続けるのがベスト

次に話す上で十世なのは口癖

本質的にはと口ずさむ習慣をつければ出て

くることばは自ずと本質的なものとなる。

書く

思考を形にすること

考えても形にしなければ何の意味もない

紙に書いて初めて思考が固定される

違和感がなくなるまで何枚も描き

本質はどこにあるのか仮説を立て

それを検証する

行動を何か1つとって見る

本質的であるかどうかはその効果によって

測ることができる

メモを取る習慣が決定的に重要である

知識があれば選択肢を増やし

選択肢は自由を増やすことができる

自由は豊かさを増やすことにもつながる

意識が主体で知識が目的

読書は効率よく知識を取り入れる最強の方法

良質な本を読み直しているだけでも

自分の視野の狭い洞察の浅さにきづかせくれるし

読むことで自分の情報に吸着したい意識を引き剥

がしてもくれる。

入門書はそのテーマの扉を開けると言う目的が

あり専門書は本質早く到達させると言う目的がある

頭をクリアにする環境を整える

身体のコンディショニング

ストレスの軽減

静謐な空間の追求

1
2020年11月28日

Posted by ブクログ

「人間は考える葦である。」
 後書きに、山口揚平氏のお父様が、呟かれる言葉として書かれている。

 私もこのパスカルの言葉に人間が人間として存在する真髄を見る。

 本書の「お金の持つ汎用は個性や心を犠牲にした。それが私達が潜在的にお金を嫌う理由」という言葉が胸に刻まれる。

 詐欺の一万円も、人に貢献し、喜びの対価として受け取った一万円も、価値は同じだからだ。

 私達はそれぞれが、オリジナリティを持ち、アイデンティティを持つ唯一無二の個性的な存在だ。そして、各々が天才性を持つ。

「天才性に気づく前に社会に出てしまうと信用も稼ぐ力もないまま、AIとロボットにこき使われる。」と書かれている。

 生産性は単なる数字だ。
クレーマーに真剣に向き合い優良顧客に変えた過程は出てこない。
 1人の生徒に情熱のありったけを込めて向き合い、その子の人生にかけた過程は出て来ない。

 人は必ず、その人の人生を紡ぐストーリーを持っている。

「人間とは常にわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種である。」と述べられている。

 「信用」が「お金」を凌駕する時代に入ったとも。
 
 人は人との間で生きていくもの。数字だけの世界では人間の個性も社会性も奪われて行くという見解もその通りだと思う。

 個人で創る信用の大切さ、そして自分が創るストーリーの大切さこそ生き抜く上で必要なことなのだろう。

0
2024年04月21日

Posted by ブクログ

考えることと考え方が前半戦、後半は著者の未来予測。
私にとって前半戦がグサグサ刺さる内容だった。
全体像を捉える、レバレッジポイントを見つける、問いを問うことで自分の価値を見出す仕事をする人には必読書。

0
2023年06月21日

Posted by ブクログ

他のレビューにもあるように、
題名から想像がつかないほど深い本。
イメージとしては
思ったよりもプールの底が深かったような感じ。


本書の目的は、
考えること。
意識を上下左右様々な方向に誘うこととあるが、全くその通りだと思う。



思考とは、
次元を超えて意識を縦横無尽に動かし、
情報や知識、概念をピックアップして分離、結合させる作業。


第1章思考力をAIを凌(しの)ぐ武器になる


・情報量が多いと、人は思考しなくなる

・考えるとは、
 概念の海に意識を漂わせ、
 情報の知識を分離・結合させ、
 整理する行為

・とにかく考えよ
 前提を疑う、考えることはコスパがよい
 固定観念から解き放たれる


・考える真の目的とは?

 「代替案を出すこと」(囚われない心を持つ力)
 「具体案を出すこと」
 「全体像を明らかにすること」
「本質を見抜くこと」



「代替案を出すこと」(囚われない心を持つ力)
ホリエモン投獄
1000冊の本

東大に合格する人


「具体案を出すこと」


具体案とは
明日の何をすればよいのか
行動に落とし込める案のこと

×検討する
◎アクションに落とし込む



「全体像を明らかにすること」


1背景・原因を考察する

2対象がもたらす結果・意味を考察する

3対象の下位概念を分解して、
 より具体的な内容を詳しく考察する

4対象の上位概念、またはその上位概念から見つめた対象と同レベルにある対象物を考察する



「本質を見抜くこと」

1普遍性
応用がきくこと
本質(原則)を掴んでしまえば、
他の様々な問題も芋づる式に解決してしまうこと


2不変性
本質が時がたっても決して錆びることがない。
明日の結論が今日の結論と違うのならば、
まだ思考が十分ではない。


3単純性
ものの本質はいつもシンプル。
本当の問題は最終的は一つしかない。

違和感を感じたら、
まだ核心をついていない。



・考えるとは
レバレッジ・ポイントを見つけること
「ここを変えれば、最も大きく動くだろう」


見えている表質的問題
(わかりやすい、よく見える)は

対処しすぎると
成果が得られない。

⇔本質的問題
(見えない、洞察が必要)は

意識すると
成果を得やすい




第2章短時間で成果を出す思考の技法


◎日々、どのように考えれば良いのか?

・思考力を鍛えるためには

「考える」
考えることにコミットする

→見ている結果ではなく原因を考える
 大体こんなもんだろかけてだけど妥協しない
 気持ち悪さを大切にする

「書く」
思考を形にする

→図で書く
 内容をごまかさない

「話す」
口癖を変える

→プレゼンの機会を積極的に作る
生徒ではなく先生になる


の3つのサイクルを確立が必要



・知識は選択肢を増やし、自由を増やす

意識は主体で、知識は目的。
知識と意識は思考の両輪

知識を効率よく入れるためには読書が最強



・頭をクリアにする環境整える

1体のコンディショニング
 栄養バランス、良質な睡眠、情報とノイズの遮断

2ストレスの軽減
 会う人を選ぶ、
 人の多いところに行かない
 (満員電車を避けるなど)

3静謐(せいひつ)な空間の追求
 整理整頓、雑音の遮断など

他に掃除も有効



・仕事で判断の質を上げるためには

意識を整える1番簡単な方法は呼吸の仕方

本質をついた判断をすることが
生産性が高い仕事。
落ち着いて整った意識の状態こそ判断の質を上げる


・本質にたどり着くには、「洞察力」が欠かせない

右脳(イメージシンキングする力)

左脳(ロジカルシンキング)の両方があって
物事の本質にたどり着くことができる


メタな視点を持つ
物事の裏側を見続けると言うことを
ストイックに実践し続ける



◎物事を考えるのに役立つ4つのツール

・MECE
Mutually exclusive and collectively exhaustive
相互に背反しているが、
それらの総和は世の中の全てを包括する


・二項対立で、考える
目的と手段、原因と結果など





第3章2020年から先の世界を生き抜く方法を考える


◎社会は溶け去り、
 マルチコミュニティの時代へ

マジョリティ>マイノリティだが
比率が逆転し始めている


タテ社会(マジョリティ)
…正規労働者、大企業、専門職、公務員およびその家族

下から吸い上げ、
上から降ろす


ヨコ社会(マイノリティ)
…ニート、若年派遣労働者、LGBT、
シンママ、独居老人、年収200万以下の人たち

必要な資源をその都度
横で配分


ヨコ社会では
常に信用や文脈が重視

(⇔タテ社会では、お金が重視)


◎2020年以降、「仕事」はこう変わる


仕事は労働から「貢献」へ

一緒にいて気持ちいい人になる

コミュニケーション力とは
「人との距離感のマネジメント」

縦と横のつながりをつくる
(例:出版業界ならIT業界、アート業界とのつながりは必須)


メンターとマスターを持つ


素直さを磨き上げよ

正社員はリスク
これからは信用は個人でつくっていく


キャリアの守破離

・守→10〜20代修業期
   海外を経験する
   ビジネスを学ぶ
    ×名誉やお金や地位を求める

・破→30〜40代孤軍奮闘期
    起業経験を積む
    リーダーシップ・マネジメントを学ぶ

・離→50〜60代一国一城期
    小会社や事業を率いて独立・MBO
自分の城を築き、人を守る

×一つの起業で働き続けるという発想

やりたいことで会社を選ぶ


◎個人から「関係」にシフトする

・人から間へのシフト
 個人と個性を切り離す
 個人の個性の復権

・自分が得意なことを仕事にする
(普段周りからよく褒められること)

・「やってみよう」という姿勢が大事
 「やりたい」と思ったとき、
 最初のハードルが低くなっている
 思った日が吉日

0
2022年07月17日

Posted by ブクログ

★下記要約
・思考>情報の状態を意識する。
・情報が多すぎると考えなくなってしまう
・考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為
→思考とは意識を概念と情報の海に漂わせ、それらを有機的に結合させる作業のことだ。意識が主体で知識は目的
・思考を鍛える3つの方法、話す、書く、考える
・効率的に知識を取り入れるなら古典を読もう。
→ 良質な本を読み流しているだけでも、自分の視野の狭さや洞察の浅さに気づかせてくれるし、読むことで自分の情報に吸着した意識を引き剝がしてもくれる。
・メンターを持とう
・素直さが大事、そしてそれはこれまで否定してきたモノを肯定してみる。否定してきたことを勉強してみる
・「何でもできる」「何でもやってみよう」という姿勢が大事

★自分の意見
ショーペンハウワーの読書についてという本で、ただ闇雲に本を読む行為は自分の頭で考えなく
なってしまうのは避けるべきと書いてあってその部分とリンクした。
とはいえ良質なインプットが人格や思考を形作るのは良く知ってるので、次は思考方法(インプットした知識をどう料理するかという視点の本)をいくつかか読みたい。

後半は全然関係ない信用経済の話なのでスキップした。個人的にはもう一回読みたい。

★下記自分が書籍を通して実践したいこと
情報のインプットは当然大事だが、「考える」ことが何より大事。要約だけに限らず自分の意見もしっかり書くことにする。

0
2021年05月17日

Posted by ブクログ

タイトルから想像していたものとは、
良い意味で全然違っていました。
この本は、人によっても、その人の今置かれている環境によっても、全然受け取り方も評価も変わってくると思います。

もし、4年前会社を辞めていなかったら、
また感想は違ったかも。

今の自分にとってドンピシャだったので、
とても腹に落ちましたし、
2020年以降の未来像も納得です。

サラリーマンとして働いた20代〜30代。
フリーランスとなった40代。
いろいろなコミュニティや組織に属しながら、
『自分』を信頼してもらって仕事をしている状況にいると、
もっともっと『自分』を高めたいと思ってきています。

お金ではなく、信用主義の時代が到来することは、
実際に周りのフリーランスや起業家仲間を見てても感じます。

『他者への貢献(価値創造)の蓄積が信用となる』
価値=(専門性+正確性+親和性)/利己心

これを意識して自分の価値を高めていきたいです。

タイトルは、
『1日3時間だけ働いておだやかに過ごすための思考法』
となっていますが、
3時間だけ働いて楽に儲けよう!という話ではなくて、
3時間だけ働いておだやかに過ごすことが
幸せの定義だとしたら…
(↑ここは人によって違うだろうし、
 要は、『幸せに過ごすための思考法』ってことなんでしょうが、タイトルとしてはキャッチーじゃないからでしょうね。笑)

それを実現するための考え方を教えてくれる一冊でした。

子供たちにも読ませたいなぁ。

0
2020年03月04日

Posted by ブクログ

山口揚平 さんの著書「1日3時間だけ働いて穏やかに暮らすための思考法」
P132
”病気についてほとんどの人が個体の問題だと思っているが、病気は実は、「社会病」ではないかと思う。”
その時は読んでいて「?」だったけれど
〈凡庸〉という悪魔 (著) 藤井聡 を読んでいて、「1日3時間だけ働いて穏やかに暮らすための思考法」に書かれていた事を思い出した。


全体主義的な空気で、空っぽさを正しいとする、つまらなさなのでは?と置き換えてみたら
腑に落ちる感覚がある。

本音の「つまらない」
そんなテーマつまらない、そんな問いはつまらない
それが言えないで、「仕事だから」と言ってやっているから
本当は何がしたいのかわからない。
そんな風に内側から、思っていることと外側のやっていることの矛盾が生じている。
自分でダブルバインドの状態を生み出し続けている。

自分で自分を虐待し続けているのと同じ。

どうしても、この話がリンクして頭から離れないので
ここに書いておくことにします。

0
2020年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書はタイトルに惑わされてはいけない。本書の本質は、思考とは何かということを問うた哲学書である(と私は感じた)。思考法のノウハウ本ではなく、本書を読むことで思考を体験することができるように構成されている(し、そのように読むことを著者も望んでいる)。
そしてその先には、現代人の悩み、今後の働き方や生き方に関する提言もまとめられている。とにかく常に思考を続けることが重要である。
これは、「メモの魔力」の著者である前田祐二氏の主張とも一致する。
また、著者はこれまでに様々なことを思考し著作として出版しているので、それらを読んでみればより著者の思考とは何かを体験できると思われる。


・「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう。
・20世紀にお金を生むのは知識だった。そう指摘したのは経営学者のピーター・ドラッガー氏だ。21世紀では知識はお金を生まないだろう。知識は誰でも手に入る。お金を生むのは社会的関係(信用)である。ただ21世紀、知識はあらゆるコストを下げるために使われる。健康に関する知識があれば治療費や保険料が下がるのは言わずもがな、確かな知識と情報は購買にかけるコストをも下げる。
・世の中は超情報化社会と言われるが、情報量が増えれば増えるほど人は思考しなくなる。
・もし情報の洪水から逃れたいのなら、一定期間、情報を遮断することだろう。これを「情報デトックス」と言う。日本語の通じない海外に行くのも良いし、ネット回線がつながらない山奥の湯治場に身を置くのも良い。情報流入量を常に意識して、「思考量>情報量」という状態を維持することが大切である。
・「考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為」である。つまるところ、考えるとは「意識的な行為」なのだ。考えるとは頭を使うことだと一般に言われているが、そうではない。ではどういうことかと言えば、意識を使うことである。考えるとは、意識を使って情報を整理することだ。これがブレイン・アスリートの出発点である。そして、「意識を自由にコントロールすること」こそ、最終的な私たちの目的地である。
・目標を値化したところで経済が成長しない。21世紀における問題は、「あるべき姿と現状のギャップ」ではなく、「対立」だからだ。ここで言う対立とは、人が矛盾の両立を望んでいる状態のこと。そして矛盾とは人がAとBの両者を成り立たせようとして、「もがいている」状態であり、AとBを両者とも成り立たせるためには、上位概念のCの発見こそが必要なのである。それが21世紀的問題解決の特徴である。
・価値観とは時空を超えて物事を捉えることでいかようにも変わるものである。時間軸とは、過去や未来、空間とは自分以外の社会、文化、国のことだ。時空間を広げて見せることで、今ここにいる自分にとって重要な問題が問題ではなくなる。問題を解決したければ一度立ち止まり、まずは対象から距離を置くことである。そうすることで人は問題を矮小化させることができ、執着していた対象から解き放たれるのである。
・考える目的を端的に言えば、「代替案を出すこと」「具体案を出すこと」「全体像を明らかにすること」「本質を見抜くこと」の4つである。
・ジャックアタリ氏の「21世紀の歴史」「海の歴史」はお薦め。
・メタ思考の最終的な目的は本質を見抜き、核心を突く代替案を見つけることである。では「本質的」とは何かと言うと、3つの共通する要素があることがわかる。それは「普遍性(応用がきくこと)」「不変性(時が経っても変わらないこと」「単純性(シンプルであること)」だ。
・私たちはしばしば現状や過去に執着する。悩みの本質はいつも執着にある。執着は意識の焦点を固定させ、選択肢を欠如させる。一方、知識は我々に新たな選択肢を与え、執着や悩みを解きほぐす力になる。そして、この知識を使うことこそ思考の役割である。思考とは意識を振り向ける動作であり、知識を選択し、またそれらを結びつけたり切り離したりして新たな選択肢を作ることである。この「知識と意識(をコントロールする思考)」を組み合わせることで人生の自由度は大きく変わってくる。その意味において、知識と意識は思考の両輪と言える。

・通貨は信用から生まれ、信用は価値の蓄積で成り立ち、貢献には時間を費やす必要があり、時間は心身の健康を前提とする。つまり、通貨(お金)は健康(エネルギー)から生まれる。だからもしお金がほしいなら、まずは健康(技術と知識と行動)に投資すること。そのうえで、時間→価値→信用の順に投資していくのが資本主義社会の王道である。
・国や大企業に代表される中央集権システムは、図で表すと円錐のような形をしている。時間やお金を下から吸い上げて上から再配分するのが特徴で、すでにでき上がったマジョリティのシステムは基本的にこのような形をしている。これがいわゆるタテ社会である。
・一方で、これから社会の中心となっていくネットワーク社会とはフラットな世界で、資源を吸い上げる機構としての円心がない。必要な資源をその都度、横に配分していく。個人間の直接のやりとりもあれば、そのフラットな世界の中でハブとして機能する個人やコミュニティも乱立することになる。これがヨコ社会だ。
・現時点でヨコ社会の住民は主にタテ社会のスキームに収まらないマイノリティボ占めるが、いずれヨコ社会が経済の中心を担うようになる。
・複数のコミュニテイに同時に所属することが普通の時代になると、「自分とは何か?」について悩む人がきっと増えるはずだ。それを避けるためには、「自分とは様々な人格のポートフォリオにすぎない」という分人的な発想に切り替えることが重要だ。そもそも自分というアイデンティティは他者との関係性によって成り立つものである。
・コミュニティが変われば求められる役回りは変わる。だからこそ大事なことは柔軟性だ。必要以上に頑固にならず、環境の変化を素直に受け止め、場合によっては戦略的に人格を使い分ける。本当の自分など存在しないと悟ることができたら、気楽な生き方がしやすくなるだろう。
・ボランティアは信用主義経済や贈与経済を成り立たせる基本要素でもあるので、これからきたるべき経済を体験する良い予行演習にもなるだろう。理想を言えぽ、誰でもできる簡単なボランティアだけではなく、自分の専門分野や得意分野を活かしたもののほうがいい。いわゆるプロボノだ。
・ソサエティ(社会)からコミュニティ(共同体)へシフトする中で、私たちの働き方や仕事の変化を一言で言えば、それは労働から貢献へのシフトということになろう。
・そのためには一緒にいて気持ちの良い人になる必要がある。一緒にいて気持ちの良い人とは、一般的にはコミュニケーション能力の高さを意味するが、コミュニケーションカとは、言ってみれば「人との距離感のマネジメン卜」にほかならない。相手との関係にグラデーション(濃淡)をつけることである。
・もちろん、自分の好きなことに没頭しながら生きやすくなる社会ではある。でももし何かの世界で圧倒的な成果を挙げたいなら、目分のアトリエを飛び出し、知識を貰欲に学び、その知識を統合することにしか成功はないだろう。
・人は何かと「できる、できない」で選択肢を考えがちだが、今の時代、「やりたいこと」を優先すぺきである。人は好きなことをやっているときが最も集中しているし、スキルも上がるからだ。
・やる気さえあれば、自分が就職したい会社の事業についての知識や経験がなくても他での知見をその事業に適合させながら進化を促すこともできる。だから実績や経験がなくとも堂々とやりたいことのできる会社を選び続ければいい。必ず道は開けるし、実際、私の周りでそうした想いを捨てなかった人は、今やりたいことが存分にできる境遇を手に入れている。
・従来の社会の指標ではなく、自分たけの指標を設計しなければならない。最初は単純なものでいい。ナイキブラスでジョギングの記録をし、クックパッドのマイフォルダ機能で作ったレシピを増やし続け、農園を作り野菜を育て、収穫を記録すること。グーグルマップを使って自分が旅した場所に星マークをつけていくこと。小さな記録が小さな達成感を生み、成長を促す。少しずつ大きくて社会的な目標が生まれ、「じゃあ、人に貢献しくみよう」と思えるようになる。貢献をお金に変換するということができるようになる。それが新しい時代の仕事の方法である。
・人類史を振り返れば「個性」と「社会性」という相反する特性をミックスしたからこそ生物界のトップに君臨できたとわかる。人間はイナゴの大群ではない。人間とは個性と社会性という一見相反する要素を両立させることを生存戦略とした生物なのだ。しかしお金は、個体が持つ有機的な価値を減じた。ではどうすれば良いのか?答えは各人の個性の復権である。
・私は常々、人生の幸福を決める要素の50%は自分の天才性に気づき、それを発揮しくいるかどうかだと思っている。残りの半分は人によっては快楽かもしれないし、安らぎかもしれないし、アドレナリンかもしれないが、少なくとも50%は「天職」に就けているかどうかだと思うのだ。
・もし就職や転職を考えている人がいたら、自分が果たして何を得意としているのか、自己分析に徹底的に時聞き分けるぺきだ。
・先ほどいち早く天才性に気づけと書いたが、逆に言えば自分の天才性に気づくまでは安易に社会に出てはいけない。特に日本では新卒の価値が高いので、できるだけ長く大学に留まりながら色々な経験をしたほうがいい。天才性に気づく前に社会に出てしまうと信用力を稼ぐ原資もないまま、ただただAIとロボットにこき使われるだけである。年齢は関係ない。私自身、いっだって自分はどこに取り柄があるのか、毎日探している。
・自分の個性(天才性)はできるだけ微細なレべルで知っておく必要がある。「自分は電通に合っていそうだ」といった「企業レべル」の話でも当然ないし、「広告業に向いているかもしれない」といった「業種レべル」でもない。また「英会話が得意」と言つた「スキルレベル」でもない。たとえば接客が得意な人であっても、接客を要素分解していけば色々な強みが考えられる。中には相手のマイクロ・エクスプレッション(徴表情)を見逃さないことに関して卓越した能力を持っている天才もいるだろう。そのような才能を持っているなら接客にこだわる必要などなく、FBI捜査官や税関職員になるという選択肢が出てきてもいいはずだ。
・このように自分の武器が微細であるはど、様々な選択肢への応用力が増す。ただ、微細ということは知覚しがたいことでもある。それに気づく最も効果的な方法は、自信を持つことだ。「自分には絶対に何かしらの取り柄がある」と信じることができれば、短い時間でそれを見つけることができる。ただ、これも言うは易しで、よほどいい人たちに恵まれないと自信を持つことはなかなかできない。あなたが普段周りからよく褒められる要素は、まぎれるなく天才性のヒントとなると言っていい。
・自分には天才性などないとあきらめる人もいるだろうが、この世界にスーパーマンは存在しないし、存在してはならない。人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種だからである。よって大切なことは「自分とは何か?」という定義を深めていくこと。そして、新たに定義した自分を広く世界と分かち合っていくこと。それはつまり、自我を弱めつつ、同時に、自分自身が外に向けてのインスピレーターたることだ。スべシャルな存在を目指すのではなく、ユニークな存在を目指そう。
・今は、努力して成果を挙げる能力より、最小限の力で効率的に成果を挙げる「コスパ力」が求められている時代である。そして、あと少ししたら努力もコスパも意識せず、今あるもので満足する「期待値コントロールカ」が主流の時代になる。そのためにも、SNSをやめることだ。人間の不幸には2種類あると誰かが言っている。一つは「自分に降りかかる不幸」で、「もう一つは他人に降りかかる幸福」である。SNSはこの2番目の不幸を誘う。

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2019年10月21日

Posted by ブクログ

序盤は特に面白かった

【なぜ読んだか】
積読してあって、タイミングがきたら読みたいと思っていた。そういうタイミングが来たから。
キャリアに悩んでおり、ヒントがあるかなと思った。

【感想】
自分の頭で考えることが大切。キャリアも読書で知識を得ることはできても、結局は自己分析して自分の天才性に気づき、何が天職なのか(才能を活かすことができるのか)を理解していなければ、しんどくなる。

悩みの種はいつも執着だ。という部分にはハッとした。確かにそう。失敗した場合に失うものにフォーカスしてしまうと踏み出せない。
失ったとして、どう困るのか、代替できないかなどを考え抜くことが大切だと思った。

【メモ】
・知識はお金にならないが、コストを下げることができる

・情報の渦に巻き込まれると、頭がカチコチになる

・考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為
→メタ思考:対象を一度抽象化して本質に迫り、再度各論に落とす思考

・考えたことが本質かどうか確かめるには
①普遍性②不変性③単純性
を確かめる、

・思考力を鍛えるためには
考える・書く・話す

・悩みの本質はいつも執着である
執着は意識の焦点を固定させ、選択肢を欠如させる。
知識は新たな選択肢を与え、執着や悩みを解きほぐす。 固定観念からの解放

・脳のコンディションを上げるには食べる油をかえろ

・思考のフレームワーク
→MECE、二項対立(著者おすすめ 目的と手段、原因と結果)
→対象をみて、これが手段なら目的はなんだ?と疑問が湧く
→売上が結果なら、その原因は?と考える

何かを見て、それが手段、結果ならそれをもたらした目的や原因を探れということか

・情報の流れに逆らい、自分の頭を使って前提や常識に立ち向かう意思こそが、今の時代に求められるリテラシー。考える意思と努力こそが日々凝り固まり続ける固定観念への最後の抵抗力となり、世界を自由にする翼なのだ

・自分は果たしてどこに天才性があるのか、自己分析に徹底的に時間をかけるべき
天才性とは微細で、深いレベルの自分の強み
気づくためには自信を持つことが大切
あなたが普段よく褒められる要素は、紛れもなく天才性のヒント

・人間は分かち合って生きていく

・何か新しいことを学びたいと思った時が勉強を始める最適なタイミング

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2023年08月11日

Posted by ブクログ

2020年以降の世界がどのようになるのか、貨幣経済は成り立たない世界でどのように生きていけば良いのかを考察した本であった。数字に現れてこない、なんとなく感覚として持っている領域に関して深い考察が繰り広げられている良書。

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2023年06月06日

Posted by ブクログ

コミュニティでは貨幣が必要ないと見て、美しき緑の星を思い出した。

今の記事は.軽トラックで化学調味料満載の
不健康な食材を運んでいるようなもの。
情報の洪水から逃れるには、一定期間,情報を遮断すること。
情報量が増えると人は考えなくなる。
考えることは前提を疑う、バイアスを除くこと。
×サラダ油
〇良質な油(ココナッツオイル、エキストラバージンオイル)
頭をクリアにする環境を作るには
①良質な油、栄養を摂る
情報ノイズの遮断(パソコン、テレビ、新聞
②会う人を選ぶ
人の多いところに行かない
③呼吸を整える

2020~
お金より信用を貯める
お金の使い方に品格を
健康(エネルギー)こそ時間を生み出す
著者はグルテンフリー(小麦粉)
カゼインフリー(乳製)を徹底してる

これからのキャリア
正社員こだわることは長期的視点で見るとむしろ不安定。
不安定飛行ながらも時間と人との距離感を自由に選択できる「健康的自立」を最初から選ぶほうが長期的には安定するのではないだろうか。

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

平野啓一郎さんの分人で紹介されていた本。後半は理想論というか想像の部分が多いが、言っていることはいちいち納得。頭のいい人はいるものだ。
参考になることが数点あった。

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2021年08月14日

Posted by ブクログ

これほどまでに自分の考えを理路整然と自分の言葉で述べた本に出会ったのも久し振り。凄いと思う。内容に関しては自分には斬新過ぎてついていけなかったところも。著者の本をあと2〜3冊読めば頭の中身が伝わってくるかも知れない。

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2021年01月23日

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全3章にわたって、思考の方法とそれによってもたらされる効果、そして2020年以降の世界はどのように変化するかが書かれています。2020年以降の世界がこの本に書かれたとおりになるのかは、わかりませんが参考の一つとして思考法とともに頭に留めておくことは必要だと思いました。またじっくり読んで内容をかみ砕いていきたいです。

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2020年06月20日

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タイトルに釣られて読むとガッカリかもしれないが、知識と思考の違い、思考の質が差を産むことがよく分かった。
後半のアフターオリンピックからの変化についてはまだイメージしにくい。数年後にもう一度読んでみたい。

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2020年03月19日

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あらゆる問題は実は有機的につながっていて問題の本質はもっと根本的なところにある。と考えることが重要だ。これはとても重要だと思う。

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2020年01月19日

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①問いを問うのが21世紀の教育

②情報量が増えれば増えるほど人は思考をしなくなる

③考える目的は、代替案、具体案、全体像を出すことと、本質を見抜くこと。

④自分というアイデンティティは他者との関係性によって成り立つ

⑤素直であるためには自らの人生で否定してきたものを肯定してみる。

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2019年12月11日

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タイトルに「おだやか」って書かれている事に注目です。(お金持ちになるとは書かれておりませんよ。結果的にそうなるかもしれませんが。)MECEやロジックツリー等、
思考法に関する本を読んでいれば一度は目にしたワードの解説が有ったりしますが、そこはこの書籍の本質ではなく、
”個人の「信用」を源泉としたマルチコミュニティでの活動”がキーポイントだと理解しました。時代にマッチしているんではないでしょうか。

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2019年10月31日

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ネタバレ

何だかよーわからんがとにかくカッコよく聞こえる単語を組み合わせて、ねちねちと現状分析・現状肯定を繰り返すだけで、何の将来像も示さずに、安全なところから無難な意見に終始する弱腰な著者が多い中、大胆な未来予想図を示した著者に敬意を払いたい。
どっかのビジネス本で読んだことがある知見も多いが、著者がじっくり「思考」することで得た意見は、なんとも無視できない魅力をはなっている。

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2019年07月15日

考え抜くことの大事さ

企画職の仕事をしているといくつもの問題にぶち当たり、その問題同士がトレードオフの関係にあることがよくあります。
そうした時にこの本で書いてある上位概念や本質を改めて考え直すことで最適な打ち手を産み出すということが腑に落ちて頭に入ってきました。
資本主義経済の未来についての記述はあまり理解できませんでした。

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2019年04月09日

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自分は、今後うまく生きていけるだろうかと不安になった。

お金に価値がある社会から信用が価値となる未来。

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2023年12月08日

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メンタルダウンをした時、業務効率が非常に落ちたため、読む。
内容は結構ベーシックなロジカルシンキングとか、ちゃんと考えようねっていう内容。要は体系立てて、物事を整理して仕事すればOKということ。

正直タイトルのような気持ちで仕事に取り組めば、大体の仕事は早く終わると思う。

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2021年06月19日

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信用をスピーディーに貯めるには、求められた仕事に対して、必ず相手の期待値を20%上乗せしていくことが重要だ。

逆にいうと、自分の80%の力で充分な成果が出せる仕事を選ぶこと


やりたいことのできる会社を選び続ければいい
・自分が果たして何を得意としているか、自己分析に徹底的に時間をかけるべきだ。

社会人の三年の経験は、存分に分析資料として使う


考える時は、考える、書く、話すこと
・気持ち悪さがなくなるまで考える
・紙に書いて考えること、図にする


本で知識を得る時は
・入門書と専門書に分けて考える
・入門書はそのテーマの扉を開くもの
・専門書は本質へ早く到達させるもの

・羽田呼吸法

60億人のワンオブゼムになるか、なにかの分野のオンリーワンになるか。

より細かい得意の分析をする。必ず天性はある。

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2021年02月14日

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タイトルに惑わされがちだが、思考法に関する本。一つひとつのテーマは興味深いものの、どうにも読みづらい。著者の頭の中をそのまま文章にしたような感じ。
思考法に関して学びたいなら他にも良書はあると思うが、その辺りはお好みで。
個人的には刺さらなかった。

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2021年01月10日

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学びとなった点を書いておく。

考えることこそが一番重要。
考える→話す→書くのサイクルで、とにかく違和感が無くなる状態まで持っていくことを
習慣化することが大切とのこと。

21世紀、産業の中心は「関係づくり」へシフトする。人が1番お金をかけるのは、プラスのピアエフェクトを与えてくれる人材を側に置くことになる。
今のうちに最高の人たちと繋がりを作っておくことが重要。

これからは、経営課題を分野横断的に考え、施策を立案できる能力が必要
(専門家集団は調達さえできれば良い)
→プロマネ力はこれにあたる

天才性とは微細で深いレベルの強み
自分の武器が微細であればあるほど、様々な選択肢への応用力が増す
周りから良く褒められる要素は紛れもなく天才性のヒントとなる

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2020年09月06日

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1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法というタイトルだけど、すげぇ考えて本質や全体像を掴む必要があるから、それこそ3時間ではすまないよなぁと思った。まぁ、うつ病で頭が常にグルグルな私にはむいているのかも。思考法の部分は共感できた。

自分をみつめて自分を売り込むポイントがどこか詳細を把握し、そこを伸ばしていくことが大事とのこと。自分をどれだけ見つめても、これができる最強だ、と思えることなんて見つからないけど。

著者の成功体験が終始顔をだしている気がするところがある。おれは思考ができるから大丈夫だけど、あんたらどうすんの、この先大変だよ、みたいな。

まぁ、こういう感想しか出てこない時点で、著者からしたらもっとよく考えろと言われてしまうだろうな。
考えるための体調管理と読書は続けたい。



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2020年03月22日

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 1日3時間だけ働いて……というタイトルから私のような平凡な人間が夢見ることとは違った。
 質の良い仕事をするためには3時間が限界ってことだった。
 そして、その仕事はハードでありつつ生きていける額を稼げる。

 枝葉末節において「え? それってこうだっけ?」というところはあれど、大筋で言っているところは正しいのだろう。
 ただ、私とは価値観があまりにも違うので……そうか、そういう考え方もあるんだねってなってしまう。

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2019年10月13日

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著者の作品は初めてであり、少し特徴のある、哲学的というかなんとも表現しづらい文体に若干戸惑いを持ちつつ読みました。
働いている環境などが違い、個人的に参考にできる点は限られているように感じましたが、これからのAI時代への臨み方として、考えることの重要性、そして何を考えるのかといったところを著者なりの視点で解説しています。
また、文中にある、非貨幣経済、つまり資本不義経済から信用主義経済という流れは、ほとんどイメージできなかったのですが、今後、人間にしても、産業にしても、「関係」というものが重視されるというのは、何となく分かる気がします。
単なるAIへの対応という面だけで読むのではなく、将来がどのように移っていくか、特にオリンピック後がどうなるのかを想像しつつ読み進めるといいと思います。


▼アインシュタイン「あらゆる問題はそれが起こったことと同じ次元で解決することはできない」
▼日本全体の問題は、少子化でも高齢化でもない。私たち現役世代の、正しく問いを立てる力の低下にある。「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう。だから私たちはもっと旅に出て、外の世界から考えなければいけない。グーグルはいつでも解を教えてくれるが、問いは教えてくれないからだ。
▼20世紀にお金を生むのは知識だった。そう指摘したのは経営学者のピーター・ドラッカー氏だ。21世紀では知識はお金を生まないだろう。知識は誰でも手に入る。お金を生むのは社会的関係(信用)である。ただ、21世紀、知識はあらゆるコストを下げるために使われる。健康に関する知識があれば治療費や保険料が下がるのは言わずもがな、確かな知識と情報は購買にかけるコストをも下げる。
▼「考える」の定義:「考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為」
▼本質を考え抜き、たった一つのことを行うことで、結果的に効率性をもたらす。たった一つの最も重要な因子(レバレッジ・ポイント/ホットボタン)を見つけてそこに注力すること
▼AIを脅威に感じる人も多いだろうが、それは問題にならないと思っている。AIは計算は行うことができるが、思考はしないからだ。思考とは意識的な作業であり、意識は次元を超えて漂う。何かアイデアを考えるときも、人間であれば次元の異なるものを組み合わせることができる。一方、AIは同次元で平面上の計算を膨大に行うが、次元は超えられない。そこが人間と決定的に違う。
▼考える目的
①「代替案を出すこと」
②「具体案を出すこと」
③「全体像を明らかにすること」
④「本質を見抜くこと」
▼頭の良い人=きわめてメタ(抽象的)な本質をいくつか押さえており、枝葉末節の問題を解決する
「本質的」に共通する3つの要素
①「普遍性(応用がきくこと)」
②「不変性(時が経っても変わらないこと)」
③「単純性(シンプルであること)」

▼思考力を鍛える「3つのサイクル」
①考える:考えることにコミットすること
 ・見えている結果ではなく原因を考える
 ・「だいたいこんなものだろう」と妥協しない
 ・気持ち悪さを大切にする
②話す:口グセを変える
 ・プレゼンの機会を積極的に作る
 ・生徒ではなく先生になる
③書く:思考を形にする
 ・図で書く
 ・内容をごまかさない
▼知識があれば選択肢を増やし、選択肢は自由を増やすことができる。そして自由は豊かさを増やすことにもつながる。人はなぜ勉強すべきなのかと言えば、この知識を得るためでもある。

▼イノベーションは常に「周辺」から起こる。なぜなら「周辺」は「現実」とこすれ合い、摩擦し合っているからだ。日本のコアである霞が関は現実に触れていないので、そこでは空論ばかりが飛び交う。
▼日本企業の強み:価値観を共有したメンバーがすり合わせながら一つの製品を作る力
 →差別化の難しい製品の増加→高度なすり合わせ文化が生きてこない
 欧米:すり合わせ組織文化ではなく、天才たちによるアルゴリズムの開発に強みの本質
 →日本はこの分野が弱い。日本が強いのは、アルゴリズムからソフトウェア・ハードウェア、ネットワーク、サービスまでの長いバトンリレーを経てユーザーに価値を提供する仕組み。
 →古くは造船、自動車が対象だったが、今後取り組むべきは、本格的なロボティクス(ロボット工学)や宇宙開発
▼人類史を振り返れば「個性」と「社会性」という相反する特性をミックスしたからこそ生物界のトップに君臨できたとわかる。人間はイナゴの大群ではない。人間とは個性と社会性という一見相反する要素を両立させることを生存戦略とした生物なのだ。しかしお金は、個体が持つ有機的な価値を減じた。ではどうすれば良いのか?答えは各人の個性の復権である。
▼人間とは常に自分のわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種だからである。


<目次>
第1章 思考力は AIを凌ぐ武器になる
・思考は情報に勝る
・考えるとは何か?
・なぜ考えるのか?
・考える真の目的とは何か?

第2章 短時間で成果を出す思考の技法
・日々、どのように考えれば良いのか?
・物事を考えるのに役立つ4つのツール
・未来をも見通す思考の哲学

第3章 2020年から先の世界を生き抜く方法を考える
・アフターオリンピック(2020年以降)の世界
・お金はこの先どう変化するか?
・経済にお金は必要か?~非貨幣経済の出現~
・社会は溶け去り、マルチコミュニティの時代へ
・2020年以降、「仕事」はこう変わる
・日本の産業はロボティクスに注力せよ
・個人から「関係」にシフトする

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2019年09月28日

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考えることは過酷な仕事。知識はコストを下げるために使われるだけ。
情報量が増えると考えなくなる。
情報デトックスで、思考する時間を作る。思考する目的は具体案を出すこと。全体像を明らかにすること。紙に書くこと=思考を形にすること。

思考バイアス=固定観念、信念、価値観、思想、偏見を取り除く。囚われない心を持つことが真の知性。

代替案=プランB、を持っていれば安心して生活することができる。

モノがない状態が意識を整えやすい環境。
ヨコ社会の信用を得るにはボランティア。

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2019年08月27日

Posted by ブクログ

本質を考え抜き、たった一つのことを行う事で、結果的に効率性をもたらす。気持ち悪さがなくなるまで考え続け、書いて形にして思考を固定する。オリンピック以降旧システムは崩れ、人は多様な信用ベースのコミュニティに所属するようになる。

おだやかに暮らすための方法だと思ってたのですが、思考法だったのでした。そして、1日3時間に至る道は、哲学的でもあり、なかなかに厳しそうなのでした。でも、2020以降の来るべき世界、変化が楽しみです。

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2019年08月24日

Posted by ブクログ

タイトルを見て手に取る。そうだよな、1日3時間くらい働き、穏やかに暮らしたいよな。こんなに便利になったり、ロボが働いてくれているのに何故自由な時間がこんなにも少ないものか。

【メモ】
考える目的
代替案を出す
具体案を出す
全体像を明らかにする
本質を見抜く

価値=(専門性+正確性+親和性)/利己心

関係こそが健康と幸福のすべて

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2019年07月30日

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