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「ビブリア古書堂の事件帖5」に出ていて。
面白そうだと思ったので。
なぜか懐かしさを感じた。
昭和30年代に書かれたお話なので、
年代的に実際に体験した懐かしさではない。
実際に目で見たわけではなく、
話で聞いたのか、本で読んだのか、
その出処がわからない既視感が、
何とも言えず心地よかった。
観念的な懐かしさ、とでも言おうか。
そういえば、「コクリコ坂から」を見た時も、
似たような懐かし感があったなぁ。
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大好き♪
A女学院の教師ニシ・アズマが活躍する連作短編集。
さらりさらりと事件を解決していく。
なかには殺人事件もあったりするのだが、解説の言葉を借りれば「殺害動機など、生臭い部分は巧妙に叙述が避けられている」おかげで、爽やかで品の良い作品になっている。
このようなタイプの作品は、中にはもの足りないと感じたりするものもあったりするのだが、小沼氏のこの作品はミステリーとユーモア、そして上品な文章と、すべてのバランスが絶妙で心地良い。
小沼丹はミステリー作家というわけではないので、ニシ・アズマシリーズはこの一冊だけらしい。
うーん、残念!
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少し古い感じがかなり魅力的でした。謎解きもおもしろかったです。主人公の飄々として観察力の鋭いところが気持ちいい!
短編集風なので読みやすいです。
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ビブリアの栞子さんが好きな本だと作中で知り、書店で取り寄せてもらった。受け取りに行った日に偶然、同じ作家の随筆集「珈琲挽き」を書棚で見つけた。今度もう一度あの店で探して、また見つけたら今度は買って読もうと思う。
硝子の向こうにある、絶妙にレトロな空気。「真逆」「茲」といった、今はもう使わない漢字が心地良く響く。登場人物名のカタカナ表記も。
これは大正の懐かしさではなく、現代に微妙に接する昭和初期の空気だと感じた。豊かさの中にいると信じた善良でおっとりした人たちが、やがて来る戦争の破滅を知ることもなく生きている日々。何も知らないままに、気高く無垢に生きる女性たちが愛おしい。
事件や事件とも呼べないささやかな謎を解いてゆく主人公のニシ。彼女は基本的に犯人たちを許す。時に許さないこともあるが、それは法に照らした罪の軽重ではなく、彼女の中に醸成された価値観によるのだろう。さらっと上品に、許されてもよい人たちを見逃してくれる。ほんのわずかな時間で軽やかな謎解きを見せられて、とても心地良い。文体は古風なのに古びてもいない。ユーモアすらカビ臭くなっていない。
こんな作家、知らなかった。井伏鱒二のお弟子さんだというが、彼のような深刻さもない。この人の作品は何冊も手元に置いておきたい。
ふわふわした読後感。いい本に出会ったなあ。
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このミステリには、「洒脱」の風が吹いている。昭和30年代に女性雑誌の連載モノとして発表されたのがもともとだそうだが、「古めかしさ」は50年という時間を経てかえってほどよい「異国情緒のようなもの」に転化している。
さらりとした文体にも、日常のなかにちいさな「気づき」として表れるトリックを見破るカギにも、作者が、肩肘張らず必要最小限の「ことば」でもってこの小説を書こうと試みていただろうことが感じられる。最初のうち、あたかもそれが重要な小道具であるかのように扱われる「太い赤い縁のロイド眼鏡」がいつのまにか登場しなくなるあたりは、連載が進むにつれ主人公「ニシ・アズマ」のキャラクターがそれじたいで十分に魅力的に成長したせいだろうか。
たとえばジャック・ロジエが撮った短編映画のような、12本のかわいい探偵小説集。
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女学校の教師ニシ・アズマの視点で描かれる元祖・日常の謎。彼女の好奇心と鋭い観察力・洞察力により、日々のふとした疑問から生まれる謎が綴られていく。
ストーリィは淡々としているが、その穏やかな語り口とは逆に描かれている世界はシュールで殺伐としたものが多い。「無邪気な日常の謎」とは言えないだろう。それでも、レトロな雰囲気と情緒たっぷりの文章でその世界に浸れる短編集だ。(2003-10-20)
収録作品 [指輪] [眼鏡] [黒いハンカチ] [蛇] [十二号] [靴] [スクェア・ダンス] [赤い自転車] [手袋] [シルク・ハット] [時計] [犬]
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連作短編集。今から50年以上前に書かれた作品なのに、古くささを感じさせない洒脱な雰囲気があります。ミステリとしては一直線でもう少し捻りが欲しい気もしますが、着眼点が面白いです。解説で天藤真の名前が挙がっていましたが、読んでいて泡坂妻夫と同じような感覚を得ました。
探偵役のニシ・アズマ女史がいいんですよね。飄々としていながらちゃっかりした面ももつチャーミングなキャラクターです。
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1958年。若い女の先生が探偵役。 これこそまさに謎解きなんてどうでもいい、むしろ邪魔、このニシ・アズマ先生の日常をもっともっと読みたい、と思った。 ニシ先生、素敵な友人たちや、素敵な家族がいて(意外やお嬢様だ)、山で亡くなった元恋人がいて、そしてちょっと気になる男の人まであらわれているのに。 夏の海やクリスマス、季節を追って書かれているのも楽しいし。ほんと、謎さえなければいいのに(笑)。
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A女学院のニシ・アズマ先生の事件簿。
主人公「ニシ・アズマ」って名前がよくないですか?
こういう優しくてユーモラスな文章大好きです。
高野文子のマンガがすきな人ならわかってくれそう。
昭和33年の作品。
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ニシ・アズマという名前に惹かれて読んだ。
A女学院のニシ・アズマ先生が謎解きをして解決する事件簿。
謎解きの仕方が鋭い観察と独特の嗅覚。
殺人とかあるのだけどあんまり怖くなくさらっと読める推理小説。
電車の中やすこしの空き時間で一話ずつ読んだ。
レトロっぽい推理小説。
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『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場したタイトルだったので、興味が湧き読んでみた。
クリーム色でなく、クリイム色、等レトロ感のあるカタカナ文字が随所に見られる。
ドキドキするも、ゆっくり時間が流れるようなお話。
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純文学系の作家さんの手になる、ショートミステリの連作集。探偵役のアズマ嬢は怜悧な観察眼の持ち主で、些末なディテールも見落とすことがなく、誰より先に真相に到着する。ただ鮮やかな推理を展開するタイプではなく、紙幅の関係もあるのかも知れないが、ロジックにはあまり期待はできない。文学系の作品と同様に、乾いたタッチのユーモアを好むファンが多いんじゃなからろうか。
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女学院の教師であるニシ・アズマが謎を解くミステリ短編集。
人死にも出るが「日常の謎」に分類しても差し支えは無さそう。軽妙な語り口と説明し過ぎない解答(端折っているとも言う)がとても読みやすい。
ニシ先生と周りの女性たちのかしましさも微笑ましい。
ガッツリとしたミステリが読みたいと思うと物足りないが、観察力で解決されるちょっとした謎を味わうには良い。
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やさしいミステリ短編集。
人が死んだりはしますが、
小沼氏の優しい文体により、ハラハラしたりヒヤヒヤしたりのサスペンス・ミステリを期待している人には
全く向かない一冊(笑)
ニシ・アズマが可愛いです。
ロイドメガネをかけると名探偵に…という
解説を先に読んでいたけれど、
著者のあとがきに「照れ隠しでしょうね」って云う件があって、微笑ましかったです。
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小柄で感じの良い女性。美人とは言えぬが愛嬌のある可愛い顔。でもなぜか太い赤い縁のロイド眼鏡をかけて台無しにしている。
そんなニシ・アズマが観察眼を生かして数々の謎を解く。
女学校時代の女子のワイワイした様子が楽しい。
でも風景も日本のようでいて、クリスティの本の舞台のような気持ちにもなる。なんだか不思議。
日常のちょっとした事件から殺人事件までニヤリとしたりヒヤリとしたり。
殺人事件のお話はけっこう人の汚なさがガッツリ出ていてギョッとするくらい。
独断で犯人を逃がしてしまうお話があり、これはスッキリしないなあ。
ニシ・アズマがビブリアの彼女たちに重なって、これを読んでからもう一度あのシーンを読まないとと思う。
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今から50年も前に書かれた短編推理小説です。今とは文体も、特にカタカナ表記が異なっています。
現在の推理小説からすれば、ストーリー性も、巧妙なトリックなどもなく、なんじゃと思う短編ばかりです。その短編が発表された時の反応はどうだったんでしょうか?
さてこの小説は「ビブリア」シリーズ最新刊で紹介されてました。主人公のお気に入りだそうです。今後のビブリアシリーズになんか影響するんでしょうか。
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ニシ・アズマという女教師が、日常の中に潜む様々な事件を鋭い視点で解決する連作短編集です。
謎は主に犯罪事件を扱っていますが、動機など生臭い部分は避けているので全体的に爽やかでほのぼのとした雰囲気です。
意外な真相やアッと驚くトリックはありません。著者のセンスで読ませる作品だと思います。北村薫が好きな読者にオススメです。
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英文学者・小沼丹による「日常の謎」系、短編連作ミステリだが、たまに殺人も起きる。
愛らしい女性教諭ニシ・アズマ先生が赤い丸縁眼鏡を掛けると、
灰色の脳細胞が活性化し、名推理を披露、事件を解決。
但し、ニシ・アズマ先生には悪や犯罪を憎むといった強い意志は感じられないし、
犯人の動機にも、あまり関心はないらしい。
彼女にとっては、ふとした違和感の正体を解明するのが第一義で、
疑問が氷解すれば興味を失ってしまうアッサリした態度が、
受け止めようによっては、何だかちょっと怖い。
それから、学園内のドラマなのかと思って読んだが、
事件はほぼ学校の外で起きていた(笑)
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A女子学院の小柄な愛嬌のあるニシ・アズマ女史は鋭い観察眼と頭脳の持ち主。日常のなにげない「おや?」という気づきから、ニシ・アズマ女史は事件をかぎつけ、またたくまに解決してしまう名探偵。
可愛いです。ニシ・アズマ女史、名探偵に変身するときは必ずロイド眼鏡かけて、眼鏡っ娘になるところも良い。
飄々とした文章とさらっとした事件の後味。こういうの大好き。
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ノンシャランなめがね女子、ニシ・アズマ先生萌え!
海辺を舞台にしたトリッキーな短編など。
空き時間に職場にキープした部屋でお昼寝しちゃうなんて、いいご身分だなあ。
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北村薫が帯を書いたことで、復刻文庫が非常に売れたのではないだろうか?男性作家さんなのに、非常に女性的と云うか優しい文体。暴れないのにハッとさせられる、小気味の良いミステリーだ。
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この本は昭和32年4月~33年3月頃に連載された連作短編を纏めたものです。女学校の英語教師を主人公兼探偵役としたミステリーとなっています。
書かれた時代が古く、21世紀の今となっては古典となります。文体や漢字表記もちょっと取っ付きにくいかもしれません。
事件は大きかったり小さかったりですが、比較的主人公の身近な事件が取り扱われます。そういう意味では、北村薫に代表されるような日常の謎派の先駆けとも言えるかもしれません。
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通勤(五分)のともに。のどか・・・死人が出るも日なたほかほかな時代観とニシ・アズマさんのひょうひょうとした感じが始終のどか。さらさらと飲み込めすぎて、日差しが丁度良すぎて、読んでてちょっとうとうと。表紙がイイ感じに作中の空気のまま。
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玄関を出るとき小間使いの婆さんに会った。婆さんは,ニシ・アズマが太い赤い縁のロイド眼鏡なんか掛けているのを見ると,狼狽てて呼び留めて,その眼鏡を掛けると先生の器量が三分の一は割引されるから止めた方がいい,と毎度の忠告を繰返した。事実,美人とは云えぬが愛嬌のあるニシ・アズマの可愛い顔にその眼鏡は似合わなかったが,ニシ先生は一向に平気らしかった。
(本文p.16)
※ひとこと※
A女学院のニシ・アズマ先生は,眼鏡を掛けると女探偵に大変身!……なんで眼鏡が要るのかなと思ったら,あとがきでちゃんと著者がひとこと述べていました。
Posted by ブクログ
小沼丹氏の推理ものです。面白い。
小品ながらきれがあります。
いつもの随筆にはあまりない女子の描写が楽しい。
ニシ・アズマをはじめ、みんなくるくるとよく動き
とてもかわいらしいのです。
私は氏の随筆のファンですが
やはりここでも、いつもの優しく軽快な文体が見られてうれしい気持ちになりました。