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住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久
...続きを読むPosted by ブクログ 2014年04月01日
「ビブリア古書堂の事件帖5」に出ていて。
面白そうだと思ったので。
なぜか懐かしさを感じた。
昭和30年代に書かれたお話なので、
年代的に実際に体験した懐かしさではない。
実際に目で見たわけではなく、
話で聞いたのか、本で読んだのか、
その出処がわからない既視感が、
何とも言えず心地よかった。
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Posted by ブクログ 2013年01月29日
大好き♪
A女学院の教師ニシ・アズマが活躍する連作短編集。
さらりさらりと事件を解決していく。
なかには殺人事件もあったりするのだが、解説の言葉を借りれば「殺害動機など、生臭い部分は巧妙に叙述が避けられている」おかげで、爽やかで品の良い作品になっている。
このようなタイプの作品は、中にはもの足りな...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月19日
ビブリアの栞子さんが好きな本だと作中で知り、書店で取り寄せてもらった。受け取りに行った日に偶然、同じ作家の随筆集「珈琲挽き」を書棚で見つけた。今度もう一度あの店で探して、また見つけたら今度は買って読もうと思う。
硝子の向こうにある、絶妙にレトロな空気。「真逆」「茲」といった、今はもう使わない漢字が...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月22日
このミステリには、「洒脱」の風が吹いている。昭和30年代に女性雑誌の連載モノとして発表されたのがもともとだそうだが、「古めかしさ」は50年という時間を経てかえってほどよい「異国情緒のようなもの」に転化している。
さらりとした文体にも、日常のなかにちいさな「気づき」として表れるトリックを見破るカギに...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月31日
女学校の教師ニシ・アズマの視点で描かれる元祖・日常の謎。彼女の好奇心と鋭い観察力・洞察力により、日々のふとした疑問から生まれる謎が綴られていく。
ストーリィは淡々としているが、その穏やかな語り口とは逆に描かれている世界はシュールで殺伐としたものが多い。「無邪気な日常の謎」とは言えないだろう。それでも...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年08月27日
連作短編集。今から50年以上前に書かれた作品なのに、古くささを感じさせない洒脱な雰囲気があります。ミステリとしては一直線でもう少し捻りが欲しい気もしますが、着眼点が面白いです。解説で天藤真の名前が挙がっていましたが、読んでいて泡坂妻夫と同じような感覚を得ました。
探偵役のニシ・アズマ女史がいいんです...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月18日
1958年。若い女の先生が探偵役。 これこそまさに謎解きなんてどうでもいい、むしろ邪魔、このニシ・アズマ先生の日常をもっともっと読みたい、と思った。 ニシ先生、素敵な友人たちや、素敵な家族がいて(意外やお嬢様だ)、山で亡くなった元恋人がいて、そしてちょっと気になる男の人まであらわれているのに。 夏の...続きを読む
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