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近世と近代の入り交じる維新期の江戸東京を、身分的な枠組みの解体から描く。武士、町の家守、遊女、屠殺・皮革業者など、様々な事例を取り上げ、近年の学術研究も噛み砕いてわかりやすく解説しているので、とても勉強になる。
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内容に関しては、身分制度についての最新の研究動向(特権のために自らの身分を固定する)の記載がとても興味深かった。「士農工商」に分かれていました、と学校で習ったとき、「士」って何やってたんやろ?なんで自由に身分とびこえれんのやろう?と思っていたので。
それ以上に、この仕事に対する筆者の真摯な姿勢が、参考文献の解説や、あとがきでの謝辞から伝わってくる。
私は「はじめに」と「あとがき」から先に読むタイプだが、あとがきを読み終わったとき、すでにこの本が大好きになった。
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近世身分制の解体を軸に、江戸東京の市井の人々の視点から明治維新を描く。
遊女のかしくなど、史料から維新を生きた名もなき人々の生きざまとその社会的背景をくっきり浮かびあがらせる名著である。
本書が参考とした史料や研究所などを紹介する文献解題が丁寧であり、大学の歴史学の入門的ゼミの課題本に良さそうと感じた。
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維新の激動に飲み込まれた江戸。それまでの秩序が解体され、江戸が東京へと変化する中、その分析の視点を大河ドラマなどで取り扱われるような有名偉人や歴史上の出来事にもっていくのではなく、市井の名も無き人々の視点から見た、明治維新という出来事が「江戸」に、「東京」に、そして身分制に及ぼした影響について論じた本。
巻末に先行研究や参考文献についても丁寧に解説されてて、そこから興味のある他の書籍に手を出しやすいのも良いですね。
第1章 江戸から東京へ
第2章 東京の旧幕臣たち
第3章 町中に生きる
第4章 遊廓の明治維新
第5章 屠場をめぐる人びと
明治以降の「東京」の都市計画の変遷などについて触れてる本はいろいろありますが、この江戸末期~明治維新初期の頃ピンポイントでの、維新による諸大名の一斉帰国で江戸の人口は一挙に半減、浮浪士のテロ、流動化する土地と身分…と『近世』から『近代』へと変化していく流れが読み取れるのがとても興味深かった。
(近代文学の方を囓るとちょくちょく出てくる、御家人が引っ越した空き家に上京してきた地方の家族が借家住まいをしたり、現代とは違う地域毎の人気の流行廃りなどの裏付けが読み取れる面白さ…みたいな視点で楽しみました)
4章の遊女の話、5章のえたの集団からの牛肉産業の話は1~3章の話から続いていたテーマからは突然流れが飛んだ感じも受けましたが、それぞれ単品で興味深い話として楽しめました。
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1868.9.8元号が明治に改められて、天皇の東幸が
予定され、江戸を改めて東京府責任者の大木喬任
は祝賀として市中に酒をふるまう( `ー´)ノ
天盃頂戴として三千樽の酒が用意され、翌年二度
目の時は吹上苑拝観を許可して新政府は江戸の統
治を模索している(迷走かも)