【感想・ネタバレ】ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (2)のレビュー

本作は、現地の言語とコミュニケーション研究を専門とする学者かつ探検家の教授に師事しているが、そんな教授が現地調査の帰りに怪我をしたため、その現地調査の続きを任されることになり、早々に「現地」である「魔界」へ向かうことになった私、ハカバの手記、のような態を取りながら、ワーウルフの集落で落ち合った現地ガイドのススキとともにハカバが調査を進めていく様子を描いたコミックです。
1巻から既に、「言葉で意思の疎通を図ること」「文字があること(そもそも"文字"とは!?)」「食べるものの評価ポイント」などなど、目からウロコが落ちるような、そして「なるほど!!」と膝を打ちたくなるような着眼点の連続で、非常に読み応えがあって脳が活性化します。
日本語を母語とする人々は英語の「L」と「R」の発音区別が得意ではない、というのはよく言われることですが、理由は簡単、日本語には「L」と「R」の発音を区別することで意味が変わる言葉がないから、なんだそうです。つまり、必要ではない・使わない・耳にしない音(おん)を認識したり再生したりすることは非常に難しいのですが、本作の中の「知らない言葉は鳴き声に聞こえる」というセリフでこの難しさを思い出しました。また、「私が理解だと思っていたこと」は「理解ではなく解釈だった」「理解への壁は限りなく高い」というセリフは、「モンスター」に対してだけでなく、「異文化」ひいては「自分以外のひと」についても言えるのではないかと自省を促された気がします。
言語学や比較文化論に興味がある方はもちろん、語学学習が好きだけど行き詰ったことのある方や旅の醍醐味は異文化コミュニケーションにあると思う方にもぜひ読んでいただきたいです。そして、ススキのかわいさもお見逃しなく!

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Posted by ブクログ

お礼にあたる言葉がなく、食べ物の交換(?)をするところで、人間に貨幣がなかった頃は物々交換をしていたという話を思い出した。物々交換は原初の助け合いであり取引なんだなと思う。
理解しながら読もうとすると大変ではあるが、話しの区切りが1ページずつなので読みやすい。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

今、読んでいる中で、一番オリジナルな作品だと思う。
異種族交流物は大抵宇宙人が相場だが、ファンタジーを持ち込むのは漫画としては珍しいと思うのよ。小説だったら見かけた事は有ったけど、動きの有る漫画でやり出したのはスゴいね。
まぁ、ススキが可愛いンだ。しかも自然の掟の中に生きてるのよな。

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

相変わらずススキは可愛い。他の種族の言語学者が出てきて、センセイの考え方の幅が広がったのが面白い。ご飯をもらって「ありがとう」の言葉がなく、その代わりこちらのものを差し出すコミュニケーションなど、自分の文化圏の常識に囚われてると気づきにくいよなぁと思ったりもした。

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2021年03月28日

Posted by ブクログ

オモロイ。言語異種族学、文化異種族学とでもいうのだろうか。話に起伏の乏しさがあり、やや盛り上がりにかけるがオモロイのです。

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2020年01月18日

購入済み

難しく

主人公がコミュニケーションに困難を感じるようになるが、読者としても難しい。
答えがあったのかどうかが曖昧なまま読み進んでいるが大丈夫なのか・・・

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2024年05月17日

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