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Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズ。
NY地下で拉致された女性は、毒の針で刺青をされ死亡していた。
まずは、殺害方法にいやあな気分になる。
つか、ディーヴァー、こういう感覚を共感させるのが上手いんだよね。上手いくせに、追いつめたりはしないから、もう続き読めないってなったりせずに、むしろさっさと解決を読んですっきりさせたいと思う。
こうなると、テクニックですね。
ライムとアメリアの関係は問題ないのだけど、かつてボーンコレクターに拉致されていた少女パム(長じてアメリアと疑似親子みたいになっている)との関係がぎくしゃくしている。
なんか、常になにか周りで問題が起こってるよね、アメリア。
ライムが基本動けないから、物語の狂言回しの役割として仕方ないところがあるのだろうけど、もうちょっと彼女に平和があってもいいと思うのだが。少なくとも、髪の毛をかきむしる癖は何とかしてあげてほしいよ。
犯人は、どうやらライムの著書を熟読していて、ライムの手の内を理解している。
なんで操作は遅々として進まず。
この壁に蟻の穴をうがつような操作っぷりが、ライムシリーズの魅力だよね。
うん。個々は小さなものだけど、それが重なって連なって、壮大なシンフォニーになる。そんな感じがする。
で、<ドンデン返しの魔術師>と帯に書かれているディーヴァー、こっちもどうくるかと構えて読んでいるのだが、今回はこうきました。
ドンデン返しって、ただひっくり返すだけが芸じゃないのよ。
伏線はしっかりあったし、ん、って思ってもいたのだけど、やられました。
…事件を解決するごとに、ライムとアメリアの周りが人間的になっている気がする。いや、ライムが人間的なことを受け入れているのか。殺伐とした案件の後だから、余計そう思うのかもしれないが、結局のところ<人間>の存在とは何なのかということを、突き詰めようとしている気がする。
面白かった。
Posted by ブクログ
関係のない二つの出来事が、やがてラストで繋がる驚きがあります。完全な、ライム対ウォッチメイカーの対決ではないですが、ライムとウォッチメイカーの会話は天才同士の会話らしく面白いです。
過去作を順番に読んでいた方がたのしめます。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライム・シリーズもこれで11作。『ボーン・コレクター』に続く<コレクター>というタイトルなので、気になっていたのだが、やはり初代リンカーン・ライム登場篇となった『ボーン・コレクター』に誘拐され救出された少女パム・ウィロビーが成長して再登場するという点で、やはり関連付けはあった。そればかりか『ウォッチメイカー』の悪役を務めたリチャード・ローガンもまたこの作品のメインストーリーを縫うようにして存在感を見せてくれるので、シリーズ作品のサービスも充実した十字路的作品に仕上がっているように思う。
本書でも犯罪者側からの視点で描かれる人狩りのシーンは濃厚なインパクトに溢れている。タイトルにあるスキンは文字通り皮膚である。刺青師を伺わせる殺人鬼が突然アンダーグラウンドに登場し、かなりのペースで連続殺人を狙う。狙うと言ったのは、このシリーズには珍しく未遂により逃げおおせる被害者もいるからである。
サックスとライムのコンビネーションはいつにも増して強くタフで、時には甘く、そこに『ボーン・コレクター』からは随分と成長したパム・ウィロビーが加わって、捜査基地は本作ではホームドラマを思わせる一種不思議な空気に彩られる。他にも常連メンバーの一人が窮地に陥り入院と治療を余儀なくされるなど、シリーズならではのバリエーションに満ちている辺りも、シリーズ・ファンにとっては読みどころとなる。
しかし何よりもメイン・ストーリーのツイストの巨きさが、本作の特徴であろう。刺青師による連続殺人と見えるメイン・ストーリーが次々に異なる色に染まって、真実が一体どこにあるのかがわからなくなるほどのストーリーのどんでん返しは、久しく見られなかったディーヴァー節を文句なしに味わえる一編となっている。ディーヴァーのツイストがこれでもかとばかりに謳歌するある意味独壇場。マジック・ミラーのようなプロットに目が回るほどだ。
何よりもツイストのスケールが凄い。犯罪者の動機、被害者選択の方程式などがどこにあるのか、目眩がするほどの転換を開始する後半部において読者が読まされていた世界が思わぬ方向に大転換してゆくこのディーヴァー的快感ワールドこそががシリーズの目躍如たるポイントである。前半には決して見られなかったスケール感が爆発するパワーという点においては、久々にパワフルな読ませ方を強いられてしまった。騙される快感に導かれ、いつの間にかディーヴァー作品の引力に引き寄せられてしまう自分を発見する。
前半のスローな展開を信じるなかれ。あちこちに仕掛けられた罠は後で存分に振り返ることになるだろう。ディーヴァー・パワー全開の作品として代表作的一冊である。おススメ!
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズは基本的にチームリンカーンと真犯人の対決形式が多く
いわゆるどんでん返しも真犯人と思われる人物がひっくり返るのと真犯人の真の目的がひっくり返るのとがあると思うんですよね
今作はそのへんのもろもろが濃いです
そして気持ちよくひっくり返って行きました
そして一件落着のはずがまだページが残ってる!というのがシリーズの醍醐味でもあるわけですが今回は1章まるまる残ってます
果たしてなにがひっくり返るのか?
そして今回あらためて思ったんですが
リンカーンシリーズをしゃぶりつくそうと思ったらやっぱりちゃんとホワイトボード読まないとだめですね
もういっそ自分で書いちゃって見えるところに掛けといてもいいですね
「謎解き」重視派の人は是非やってみて下さい!
そしてどんなだったか教えて下さい!
自分ではそんなこと絶対にやらないと思うので!!
Posted by ブクログ
初めてリンカーン・ライムシリーズに挑戦。
面白かったけど、これほど有名で評価の高いミステリー小説のわりに読みづらくてしんどく感じました。
カタカナの登場人物がたくさん登場するのに、姓名のどちらも使われているので誰が誰だか、というのは海外小説なので仕方ないとして、過去の事件や物語の中の小説が出てきたり、専門用語が多く何のことだかわからなかったり。そして一番困惑したのはこれまで読んだどのミステリー小説よりも鑑識現場などの情景がイメージしづらく感じたところです。
展開はスピード感があり、どんでん返しも面白かったです。
映画も有名なためか、いかにもハリウッド映画らしいシーンを何度も想像しながら読みました。
他のリンカーン・ライムシリーズを今後読むかは悩み中。
Posted by ブクログ
結末が二転三転する素晴らしい良作。てんこ盛りの内容にも関わらず、伏線回収も含め見事なストーリー展開だが、個人的にややスリリングさに欠けるように思えたのは贅沢な要求か。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。連続殺人犯からの国内テロ事件にパムの恋人にやはりウォッチメイカー。ウォッチメイカーが序盤から登場する伏線パムの恋人の伏線がラストまで最大限活用されているのが感心した。
Posted by ブクログ
全てが繋がった。タトゥーの意味と使用した毒はボツリヌス菌だということ。
ウォッチメイカーが立案した計画は捜査員とリンカーンライムに危険が及びそうになる。
色々な事が伏線だった。
やあリンカーンいま、時間はあるかな?
もちろん。君のためならいつでも時間を割くさ。
304ページ引用
当を得た喩えだ。頭の回転の速い相手と久しぶりに話しができて、いい気分転換になったよ、、、ただ、リンカーン、残念ながらそろそろ行かなくてはならない。318ページ引用
Posted by ブクログ
上下とも同じ感想で失礼します。
読んだー!
久々に手に取って止まらなかった。ウォッチメイカーが先!って頭で警鐘が鳴り続けたけど、ダメだった。
つまりはそれだけ、止まれないほど面白かった!
意味がないと一見思われるエピソードに裏があったり、ああもう、これだからディーヴァーは!
星5つにしなかったわけは、ちょっと犯人の動機が薄いというか、その動機で思いが維持できるのか、とか、被害者の選ばれ方とかちょこちょこ納得しきれなかったから。
ただやはり、ディーヴァー すごい!
3時まで読んでそのままネットでシリーズ全部調べて、足りないもの注文したもんね…
ご褒美読書だなあー!
Posted by ブクログ
(上巻より)
アメリアの手術がうまくいったのは良かったが、
今度は、砒素を飲まされたロン刑事の復帰が心配。
ああ、それともちろん、ウォッチメーカーの行方も。
そしてライムとウォッチ・メイカーが、
「時計師なる神」という概念について話していた。
機械時計のような複雑なものは、設計者が、時計師が必要であり、
時計以上に複雑な人間を創り出すためには「神」が必要だと。
なぜ、彼らの発想では、創造者が必要なのかがわからない。
自然や生物の複雑さ、精巧さは脅威的だが
それらの発生がなぜ意図的や意識的でないとならないのか。
風が木々の葉を揺らし、雨が集まって川となることに、
理由や意志は必要ない。
Posted by ブクログ
このミス海外編2016年版1位。リンカーン・ライムシリーズ11作目。自分的にはこのシリーズ読むのは3作目。サイコパス系の連続殺人魔の話。犯人が意外な人だったり、実はその筋書き書いてるのが他にいたりして、かなり複雑。連続殺人自体もライムの推理が勝って未然に防げることが多いがたまには間に合わずに殺人が起こってしまったり。不規則なながれで連続ドラマっぽい作りながらマンネリ化しない工夫がある。犯人が次々仕掛けてくるのをライムがあっさり見抜いてテンポ良く進む。あんまりハラハラしすぎず安心して読み進めることができるのだけどちょっと事件が多すぎたり構成が複雑すぎたりでちょっとしんどくなって進みが遅くなった。最後も全然完結してなくって、次の本読まなきゃなんもわかんないやん、てのがちょっとあれ。
あとやっぱり水道を止めさせるために爆弾を仕掛けるのにわざわざ殺人を犯すのは全然意味わかんねー。ありえなさすぎ。普通に爆薬仕掛けて自分で通報すればしまいですやん。