感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第一話〜三話までは、ただ単に事故物件による怪異現象に思えたが、葵とは何なのか、不幸に陥る女性たちに怖さを感じた。
第四話からさらに怖さを感じた。
そして、第五話。
回収話とわかりつつも、「そうだったのか」と驚きの連続でした。
最後まで読み終え、再度、プロローグとエンディングを読むと、怖さが増す…
面白かったです。
代償
「瑕疵物件」…不動産売買ではこのような表記になるそうだが、本作は『瑕死物件』。
この題名の本当の意味に気付いたのは本作の終盤であった。
一見すると短編集のような様相の本作。
だが、一遍一遍読み進める毎に、毎回のように登場する人物の人となりや、その章での主人公らしき人物達が、それぞれどのような立ち位置であるのかが次第に明らかになってくる。
推理小説を読んでも推理は名探偵にお任せ。
「ほーほーなるほど!」とまるで我が推理が真実に到達したかのような陶酔感を味わうのが常なのだが、本作に限っては先の見えないモヤモヤ感が随分読み進めるまで私の頭を覆っていた。
なかなか明らかにならない真相は、作者のミスリードでは決してなく、じわじわと不安や恐怖が押し寄せてくる、まるで後ろを振り返っても何もいないのは分かっているけど、「もしかすると…」という「…」の部分を存分に読者が楽しむための作者の粋なサービスなのではないだろうか。
きっと私はまた、櫛木理宇さんの作品を読むんだろうな。
何もないはずの背後の気配をどうしても感じたいから。
Posted by ブクログ
読み終わっだがあまりよくわからなかった。
葵は今までの水子たちの霊?怨念?の集合体のようなものだと理解したが、なぜあの4人だけ狙われたのか?
飯村健也、石井芳枝、島崎航希はなぜ羽美に嫌がらせをした?葵が精神を乗っ取ってさせたということ?
エピローグはまた水子(それとも事故死した子供?)の霊が表れたのか?
引越し先のマンションでもまた同じようなことが起こることの暗示?
謎が消化しきれないまま終わってしまった感じがある。
Posted by ブクログ
209号室には知らない子供がいる。
その子供の名前は葵。
葵に取り入れられ、いつしかサンクレールの住人達は、少しずつおかしくなっていく。
幽霊なのか、イマジナリーフレンドなのか、最後はなんだか不気味なまま終わってしまった。
櫛木理宇さんの小説は、いつもなんだか怖い。
この怖さを書けるのが凄い。
Posted by ブクログ
川沿いにあるマンションの住人達。
その場所での話なのか、と思って読み進めていけば
救いがない状態。
驚きながら次々読んでいけば、何となく繋がっていき
最後には…な、きれいに風呂敷たたまれ状態。
それでああいう展開だったのか、と思いましたが
ぞっとする事は確かです。
下手な心霊現象ものより、怖いものがありました。
Posted by ブクログ
ホーンテッドキャンパス以外の櫛木理宇先生の純粋なホラー作品が読みたくて購読.
先生の作品の紹介をいろいろ読んでみると,異分子が家庭に入り込んできて家族を壊してしまうというのが多いみたい.
今回はそうじゃないものをと思ってタイトルで本書を選んでみたんだけれども,そういう作品だった(T T).
けれども面白かったので,結果オーライ(^^).
ホラーで,因縁が明かされるのと明かされないのとではどちらが怖いのだろうとよく考えるのだけれども,今回は因縁が明らかにされる最後の章を読んでゾクリときた.
(葵君が,魔なんだけどなぜ害をなすのかわからないとか,魔なのか単に奇妙な小学生なのかわからないままで終わるとか,よりも怖かったのだと思う.)