【感想・ネタバレ】愉楽にてのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

林真理子の現代版源氏物語!
林真理子のこれまでの人生経験や作品で得たものが、存分に生かされ凝縮された一冊だと感じました。

上流階級の世界の習わしや、情景が浮かぶようなホテル・レストラン・街並みの描写は流石林真理子。
ご本人のお付き合いや、ご経験を存分に活かしているなぁと感服。ただの派手好きではなく、遊びの経験をこうやって仕事にきちんと活かしているのが林真理子の凄いところだと思う。
また、書き分けの難しそうな中年のおじさん二人を見事に描き切ったのもすごい。
特に二人の女性観の書き分けは秀逸で、初対面でファンリンの年齢を田口が全く見抜けなかったのに対して、久坂が写真を見ただけで見抜いていたのは二人の女性経験の差がよく分かって上手かった。

その他にも、経済、漢文、伝統芸能、茶道、外国語、中国文化などの知識も豊富に散りばめられており、林真理子の教養と調査力の高さが伺えた。

何より今なおバリバリとこんなに意欲的な作を描き続けるのが本当にすごい。
色々な意味でパワーを貰える一冊。

0
2021年03月08日

Posted by ブクログ

シンガポールと京都、東京が確か舞台で日本の典型的な財閥企業オーナーとITスタートアップ長者の考え方が知れる面白い本。Voicy で畳み人ラジオの野村さんがお勧めしてて読んだ。

0
2020年04月22日

Posted by ブクログ

家柄·財力·教養と三拍子揃った久坂と田口。50代の二人とその周囲の優雅な日常や女との情事が描かれる。それだけの話なのに読ませるのは凄い。お茶屋遊びや茶道や能と贅沢な遊び振りがキタキタ。林真理子はこの浮世離れ振りを絶妙にゲスい感じで語るのが最高に上手い。教養を鼻にかけて斜に構えた久坂とお坊っちゃまマザコンな田口。後腐れなく遊ぶ久坂と愛を求める割に踏み出さない田口。性格の違う二人が途中から一人の中国人女性ファリンに翻弄される展開なんだけどどうもファリンの印象が夢の中の人みたいで薄い。周りの芸妓とかもテンプレートの様な性格だし。しかしそれは計算の上か。源氏物語の様だ、という感想を読んでなるほど!と膝を打つ。そう解釈しながら読むとまた面白いかも。

0
2020年10月24日

Posted by ブクログ

サイン会にて購入。サイン会は驚くほど、サラリーマンが多かった。日経新聞に連載されていたものだからでしょうか。ですので、この小説は、男性目線で読むとドキドキがまします。ちょっとし夢物語とすれば。それを利用する女子もしたたか。

0
2020年10月18日

Posted by ブクログ

大人の男性がいろいろな関係や経験を通して感じる人と人との関わりと大切さ。
家族の大切さがこの歳で、いろいろな経験を通して分かってくる。
どんな繋がりや出会いだったとしても、大切な人をリスペクトの姿勢で向き合いたいと思わせてくれた本。

0
2019年07月11日

Posted by ブクログ

途中から、私は渡辺淳一を読んでるのか、って錯覚した。女の作家が男の主人公を描くってどんな感じなんだろう。失楽園の凛子は、女性の目から見るとなんともアンドロイドっぽくて、現実感が足りなかった。男は、こんな女性を求めているのか、と思っただけ。どちらの作品にも共通するのは、並外れた文章力と構成力と魅力的な表現で、全く飽きることなく一気に読んでしまうこと。それこそが、もしかしたら本のテーマ以上に大事なんじゃないかと、この頃思う。その意味では大満足。読後に、何かが残っていれば、それでもう、その作品はいいのだから。本書は、最後に男の寂寥が残った。地位も、お金もある不自由ない人生の男たちに、だ。多分、それこそが、人生の真実であると感じさせるだけの筆力を維持したまま、のラスト。

0
2019年07月05日

Posted by ブクログ

女性を遊びの対象として扱える男と、女性を一人のパートナーとして扱う男の対比が面白い。
それでも50過ぎのじじぃでも金持ってりゃそれなりにコネクションがあるというのは羨ましい。むしろすっかりそっち方向に興味をなくした俺はどうすりゃいいのよと思いながらも読みながら想像するのはまだまだ楽しい。

0
2019年05月29日

Posted by ブクログ

大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。
素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。

時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―。

小説を読むときに、ストーリーを楽しむのも1つですが、知らない世界を垣間見る、という楽しみがあります。
私の知っているシンガポールと、久坂さんの目を通して映るシンガポールは全くの別物です。地名は知っているものだけに、その差異というのがとても楽しい。
富裕層の人が生きているのは私にとって、別世界です。それは、ファンタジーの世界と変わらないくらい。遊び方も、しきたりも、何もかもがおもしろい。

私にとってこの本は、知らない世界の空気感を楽しむものでした。登場人物の多くは40代から50代。驚くほどに「男」であり、「女」でした。

有り余るほどのお金があれば、こんな余裕とゆとりのある暮らしができるんでしょうか。とはいえ、どんなにお金があって、家柄がよくて、すべて兼ね備えているようでも苦悩はあるのだから、人間はままならない生き物ですね。

重たくても買いたいと思えて、わくわくしながらページを捲ることができる本があるのは幸せなことだな、と改めて感じたところです。

0
2019年04月28日

Posted by ブクログ

現代版源氏物語。
出てくる方々がみんな40代50代で、まさにその年代の私にとってはとても新鮮な物語でした。
こういう小説もさらりと書ける林真理子さんはやっぱりすごいなあ。
そして、きっと、8割くらいがノンフィクションなんなんだろうなあ。実際にこういうお金もち男性がひっそりといるのが、いまのこの日本。このことも知っておいて損はないと思います。

0
2018年12月24日

Posted by ブクログ

製薬会社副会長、シンガポールと日本を行き来する久坂は53歳。父の会社は長兄が継いだが、妻の多額の遺産で潤う55歳田口。金に困らない男たちが、旨いものを食い、あちこちの女に手を出す、という話。

くだらないと言えば実にくだらない。空虚なのになぜかぐいぐいと読ませる。基本的にここに出てくる女性は、40代から50代しかいない。恋愛(やそれに付随するもろもろ)に関しては、もはや20代が中心だというのはもう古いのかも知れない。少子高齢化社会でもあるので、もっと歳いっても恋しようよというのが作者のメッセージなのかもしれない。

たまに含蓄がありそうな表現はあるものの、基本的には何も残らない、いっときのエンターテイメントに過ぎない。

ただ恋の行方がどうなるかとか、京都で屋敷を買うというのはどういうことかとか、京都で舞妓さんとか芸妓さんとお近づきになるとはどういうことかとか、京都で茶室を作るというのはどういうことかとか、ついつい先が気になり前のめりで読んでしまった。読書に意味を求めない、そんな時間だった。

0
2018年12月19日

Posted by ブクログ

林真理子らしい作品だなあ。この人ってこういう世界に生きたいんだろうなって、いつも思う。というか、もはやこういう世界に生きている方なのでしょうが。

0
2021年02月18日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―。

0
2020年12月25日

Posted by ブクログ

いくらモテるからってね〜。嫌な感じだな。相手のことを都合よく利用してるだけだよね。こちらも利用しているならお互いさまなんだけど。

0
2020年08月27日

Posted by ブクログ

会社経営者の血筋、数十億の資産を持つが経営より学問や風流に傾倒するアラフィフのおじさんたち。能や音楽家のタニマチ、京都のお茶や芸奴遊び。さりげに贅沢な生活、周りの女たち。

リッチなおじさんたちのダンディーでリッチな暮らし。東京も京都も、一般人向けとは違う顔を持つ。日経新聞に連載もなるほど、でした。

0
2020年05月07日

Posted by ブクログ

久々の真理子節。
きっと彼女の周りにいる取り巻きの方々はこんななのかなぁ?
都会の上流階級の話。
オンナも名誉もカネも手に入れても、死への不安は取り除けない、ってことだな。

0
2020年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お金持ちの50代男性のエロティックなことがメインなお話。シンガポールに住み東京と行き来する久坂。友達の田口、京都の芸妓と付き合うと共に再婚相手を探す。二人の恋愛のお話。
富裕層の世界を少しだけでも覗いた気分。さらりとしているけれど、お金持ち層に属さない私としては、なんかピンとこなかったな。地位・家柄がある方もその方々で苦労はあるものだなと感じましたが。読者の所得層によって味わいも変わるのかな。富裕層の性的な刺激の一例を表した物語かしらね、エロすぎず過激にならずに淡々と描いたのがいいかもね。

0
2019年06月30日

Posted by ブクログ

男性は女性のことをこんな風に見ているのか。。。という点では、おもしろく読めました。あと、お金持ちの生活が垣間見られたりしたところもおもしろかったかな。

0
2019年04月23日

Posted by ブクログ

日経新聞に連載されていた新聞小説・・・とくれば
真っ先に思い出すのがあの「失楽園」
いい御歳のおじ様があんなことやこんなことをしてしまうという共通点はあるものの、
「こんな都合のいい女」どこにいるのよ!と叫びたくなった失楽園に対して、
こちらは登場してくる女性たちが実にリアルです。
男たちに遊ばれているようで、
実は男たちを遊ばせてあげている女たちの
計算高さやずる賢さがジワジワと透けて見えてきて
ダンディで遊び慣れたはずのオジ様たちが、なんだか滑稽に思えてしまうのでした。

0
2019年03月30日

Posted by ブクログ

マリコさんのファンなので読んでみました。
が、なーんかイマイチでした。
(っていうか、ファンと言っておきながら確認したら記録を付け始めてから20冊の本を読んでいたけど、☆5を付けたものは一冊も無かった。自分でもビックリ)

本書もね、部分的にはとても面白いんです。
レビューで他の人も書いているけど、現代版宇治十条的なお話といえば分かりやすいでしょうか。
家柄の良い超お金持ちのおじさん二人が主役のお話で、東京や京都や外国暮らし中での遊び方とか庶民には想像できない生活っぷりが興味深く、それに伴って思考回路もやっぱりちょっと普通ではないのだけど、あー、こういう人いるだろうなとすんなり受け入れられる人物像のつくり方はとてもうまいし、中盤で登場する若手IT長者達の、合理的で草食系な今どきの遊び方もとてもリアル。
語学はもちろん漢詩や能の造詣も深く、一朝一夕には身につかない教養がいかにも何代も続くお金持ちだなあ、と、そしてそれを描き切るマリコさんもさすがね、と思ったりして。

でも結局は、興味の大半がイイ女をどうやってモノにしていくかということに落ち着くという・・・それが人間のサガと言いたいのでしょうけど(苦笑)
そして、どんなにお金があって教養があって家柄がよくても、儘にならないのが老い・病だという現実を突きつけながらの唐突なエンディング。
テーマや主題は伝わるし、愛人たちのしたたかさやねちっこさもみごとに表現されていて面白かったけど、濡れ場が多すぎるのと、唐突な終わり方が私には尻切れトンボに思えて☆は減らしてしまいました。
新聞小説の運命なんですかね。しかも日経だし。おじさんの要望にも応えなきゃいけないのかしら。
たまには手放しで面白かった!といえる作品が読みたいよ~マリコさん。

0
2019年03月18日

Posted by ブクログ

初出 2017〜18年の日経新聞

現代版源氏物語なんだろうな。
上流階級の50代の男性二人の情事のはなし。

久坂隆之53歳。製薬会社の創業家御曹司で、弟に社長をやらせ、自分はシンガポールに15億円のマンションを買って、そこで駐在員の妻たち、外資の会社に勤める女性たちとの情事を愉しみ、CAもものにする。IT社長たちと遊んでいた若い美人とも遊ぶが、最後はガンを疑われ、死を意識する。
田口靖彦55歳。同様の御曹司だが三男で子会社の社長。妻を亡くしその莫大な遺産を受け継ぎ京都の芸妓を囲うが、才色兼備の中国人学者ファリンと恋に陥る。これには中国語ができ漢詩にも造詣の深い久坂の助けがあった。
久坂もファリンを誘うが断られ、田口も夫の難病を口実に連絡を断たれる。この辺りの展開は宇治十帖的かな。
でも、あっけなく田口が結婚相談所で再婚相手を見つけた結末には驚いた。

結構な男目線の濡れ場があるが、女性作家さんが書けるのが不思議。

0
2019年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

50代、中盤にさしかかった富裕層の(自分の努力ではなく代々続く資産家)男たちの贅沢な日常。
あまりにかけ離れているお金の使い方なので、絵空事のようにおもえて面白かった。
知性と教養と充分なお金を持っているとこういう生活になるんだろうか…。
性欲に振り回されてこっけいですらある。(ファリンの秘書の不器量で太った広瀬と結ばれる描写は笑えた。)
さんざん、好き放題遊んだ久坂が肺がんの疑いが生じたとこでラスト。

0
2019年01月26日

「小説」ランキング