【感想・ネタバレ】世界を売った男のレビュー

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Posted by ブクログ

香港の作家なので、とっつきにくいところがあるかなと思いきや 全くそんなことないばかりか、好みのタイプの小説だった。香港の街の情景が目に浮かぶ。これ読んだ勢いで、即「13•67」を入手。
初 陳浩基。 

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2020年07月11日

Posted by ブクログ

「13・67」を書いた陳浩基のデビュー作。
香港を舞台にした刑事物ミステリー。
主人公が6年間の記憶をなくした状況で物語がスタートする。いきなり話に引き込まれる。

いろんな伏線を回収すべく物語が展開していき、最後は無事にハッピーエンド?に落ち着く。
主人公の記憶喪失、アイデンティティの喪失など今までにないミステリーの設定(少なくとも自分にとっては初めてだった)や心理学的なPTSDの科学的根拠を踏まえた行動理由など、いろいろ詰め込んであって面白かった。
いろいろ無理筋な感じもあるけど、概ね納得できる内容で読後感も爽やか。
ただ、ヒロインである女性雑誌記者の魅力がちょっと足りないかなと思った。

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2019年06月30日

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ネタバレ

以前読んだ傑作ミステリー「13・67」を書いた陳浩基氏のデビュー作ということで読んでみた。

この方の作品は香港を舞台にしたものが多いが、本作も例に違わず香港が舞台。

朝車の中で頭痛と共に目覚めると6年間の記憶を失っていた警察官が主人公。
先週に起きた殺人事件は解決済みだし、町並みは変わってしまっているしで混乱した状態から物語が始まる。
6年前の殺人事件の取材をしたいという雑誌記者の女性と取材を共にしていくなかで、事件の真相に気づいていく
というストーリー。

主人公が6年間の記憶喪失という設定も珍しく、調査を続けていく中で、主人公自信のアイデンティティーが明らかになっていくくだりは読んでてとても面白かった。

凶悪犯罪者と思われていた犯人以外に犯人がいる。
その真犯人を突き止め、追っていた真犯人が実は主人公自信であるという事実。
そこからさらに新事実が明らかになるという展開。
デビュー作でこのロジックの立て方は見事というほかない。
心地好い騙され方だ。

さらに、心理学やPTSDの科学的根拠を元にした主人公や犯人の行動も納得できる内容であり、隙がない。

最後はハッピーエンドっぽく終わるので読後感も爽やか。

デビュー作とはいえミステリーとしての完成度は高く、今後も期待できる作家だと思う。
新作にも期待したい。

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2019年06月30日

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6年分の記憶を失った主人公の刑事が当時追っていた、現在ではすでに解決済みの事件の真相を再び追う。展開はわかりやすく、しかし山あり謎ありでグイグイと読み進めされられた。ラストはまんまとやられた。最初は主人公が真犯人の閻…と思っていたけど、読んでいくうちに閻は別にいるな…と騙され…、結局閻なんだけど、犯人ではなく、と。 まるで映画を見ているような展開でとても良かった。 最後の、映画の公開で「おつかれさま」という女性…そういうこと、と最初から繋がる最後、綺麗だった。 別の作品も読んでみたい。

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2022年01月16日

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五章あたりでなんとなくという予感があったもののその通りだった場合、ついついしたり顔をしてしまう。だがこの作品はその上に別の伏線が張ってあり騙された! と素直に感心してしまう。
映像化でさらに化ける作品でしょうね。
タイトルの謎も作中で解答はあるものの、作品の内容とあまり関係ないような、でも由来を読めばなるほどと思うがやっぱりサブタイトルでも良いんじゃないの? と首を傾げたことだけは伝えたい。

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2019年02月28日

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恩田陸さんのエッセイ集で知り読んでみた。
舞台が台湾なので地名や街の構造がわからないのだけど、Googleマップで調べながら読み進めたりしてたのしい。
すべてがわかったときに脳みその情報が上書きされて認識していたなにもかもが一瞬で変わるのがいい。

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

 最後の最後で駆け上がり急展開を迎え、誰が誰だか嘘をついているのか本当なのか混乱しながら読み終えました。最後の1行がわからず終えてしまったので他の方のレビューをみながら再読しようと思います。
 個人的には13・67より断然面白かったです。

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2023年02月02日

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こういう構造のミステリーと文章の相性がとても良くて引き込まれているうちになんとなくの結末まで予想しはじめるがそれ以上のところに決着がついて大満足。

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2021年11月28日

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ネタバレ

最後の一行の意味がわからず、皆さんの感想を読み漁って、やっと納得しました。
私のようにわからなかった方は、最初に戻って読んでみて下さい。
全体的に映像向きな面白さでした。もう一作つんでるので、また読みます!

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2020年07月23日

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ひどい二日酔いとともに車の中で目覚めた主人公は6年間の記憶を失っていた。刑事である自分が追っていた事件と関わりがあるのか…? 何とも魅力的な謎で、かつての島田荘司作品のような疾走感。それもそのはず、第2回島田荘司賞の受賞作品なのだ。個人的には解決編が一捻りくらい多すぎるような印象だけど、まさに本格ミステリ。最後の一文には、思わずニヤリとしてしまった。実に見事!

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2020年01月02日

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よく練られたミステリー。若干無理やりなところはあるが、伏線の張り方・回収が見事で、真相にうならせられる。ラストもグッド。そして翻訳がすばらしい。読みづらさが一切なかった。中国人の名前を覚えるのが若干つらかったがしょうがない。

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2019年05月23日

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香港舞台の小説に関心があったので購入。スピード感があり面白かったが、登場人物の名前がややこしいです。最期の結末はさっと読んだだけではちょっと分かりにくい。

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2018年12月16日

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ネタバレ

 2年程前にYahoo!ニュースで紹介されており、気になって購入しました。再読して改めて感じましたが、一言で言うと、いやあすごいミステリ小説だ、と思います。特に後半の展開には驚きっぱなしでした。まるで映画を見ているかのよう。

 刑事の許友一は朝起きるて、気づくとなぜか記憶がない。署に戻ると丁度自分に来客で、6年前にすでに解決したはずの事件について記者の盧沁宜が取材したいという。。。なぜ記憶がないのか、そしてそもそもその事件の真相とは・・・!?あとはご自身でご確認ください笑

 今回の小説のテーマの一つが記憶、です。記憶というのはかなり重要なアイデンティティだと思います。名前や所属団体にアイデンティティを感じることも多いと思いますが、記憶は中でも最も重要なアイデンティティの一つだと思います。そのアイデンティティを失ったとしたらそのインパクトはどのようなものでしょうか。
また、思い込みとか勘違いというは我々の日常にままあることですが、事実と異なる記憶を本物として思いこんだとすると人はどうなるのか。
 これだけで大分ネタを明かしてしまったようで申し訳ないのですが、この記憶の妙を上手に使ったのは本作の面白さだと感じました。

 また本作は筆者が日本文化に結構通じていることを思わせる部分(古畑任三郎や青島刑事等)が散見され、日本人としては筆者にちょっと親近感がわいてしまうところです。また、筆者が香港人ということであり、香港の様子が細々と記述されています。香港に行ったことのあるかた、住まわれたことのある方は懐かしみと共に楽しめると思います。

・・・
 
 まとめますと、非常に面白い推理小説でした。展開も良し、記憶など人間のアイデンティティにかかわる深いテーマも仕掛けられており物語に深みを与えています。香港という土地柄の描写も旅情を誘います。そして最後に大事なこと。アジアの推理小説という新しい世界に出会うことができます。題名が世界を売った男ですが、私には新しい世界がひらけました、おかげで笑

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2021年06月05日

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同作家の大ヒット作、''13・67''よりは読み易さと楽しめる小説でしたが、最後の最後でこんな展開あり? みたいに思う。動機は、どうであれ二重人格でしたってなると何でも出来るし推理の仕様が無い。面白い内容には間違い無いです。

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2021年03月28日

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内容(「BOOK」データベースより)
六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。納得できず香港の喧騒の中を駆ける男の前に、驚愕の真相が。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。「13・67」でミステリ界を席巻した著者の、これが衝撃の長編デビュー作。アジアの鬼才、ここに現る!

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2020年06月19日

Posted by ブクログ

デヴィッド・ボウイの同名曲がモチーフの華文ミステリー。華文翻訳初体験だが、北欧ミステリーに比べ断然馴染み易い文体なのは、やはり原文との言語的相違が少ないからかと思ったり。本編はクールなトーンでサクサク進み、主人公と相棒役が香港の街を練り歩く描写には紀行小説の趣きも。記憶喪失の真相が明かされる中盤以降は緊張感が薄まり、肝心の終盤は盛り上がりに欠けたが、伏線回収を含め、トータルでは綺麗にまとまって好印象。香港映画をノベライズした雰囲気と表せば割としっくりくるかも。話題作となった「13.67」も読むのが楽しみ。

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2018年11月16日

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