【感想・ネタバレ】私が大好きな小説家を殺すまでのレビュー

あなたは、敬愛する人を殺したくなったことがありますか?

突然失踪した売れっ子小説家・遥川悠真。彼の家を捜索すると、同棲していた少女の痕跡が現れた。その少女こそ、この物語の主人公・幕居梓だった――
小学生のときに、自殺しようとしていたところを遥川に助けられた梓。そこから始まる大好きな小説家との生活は、遥川のスランプにより思わぬ方向へ進んでゆく。「小説家・遥川悠真」を救うために梓が選んだ行動とは? そして、梓はその後どうなるのか? 「才能の枯渇」という重く苦しい題材を使い、痛切な感情を描き出した一作です。

作者の斜線堂有紀先生はミステリ・SF・恋愛と幅広く手掛ける作家です。
本作を読んだ後は、同作者の『ゴールデンタイムの消費期限』もオススメ! こちらも「才能の枯渇」というテーマを扱った作品です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

これだけ一気に読み進められた小説は初めてでした。
語り部が一人に絞られていて、視点も変わらなかったのが個人的に読みやすかったです。

なぜ大好きだった小説家を殺さなくてはならなかったのか。 なぜ『殺すまで』という説明的な言葉だったのか。 最後まで読むとそれら全てが理解できて読む終わりは個人的にスッキリしました。

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2024年05月21日

Posted by ブクログ

共依存の二人がやがて関係性が崩れていって破滅する話。しばらく積読してたのだがもったいなかったと思えるレベルの良作。
斜線堂さんの本をもっと探してみよう。

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2024年05月18日

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思っていた話と全然違ってすごく面白かった!短かったのですぐに読み終わりました!今まであまり読んでこなかったジャンルだったので新鮮だったし、すごく印象に残りました。

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2024年04月30日

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ネタバレ

なんて、ロマンチックなお話!鬱々としている物語なのに、情景描写が美しく、切ない。先生と私、それぞれの選択がいつでも必死で、悲しい。心がヒリヒリする。好みでした!しかし、先輩心広すぎんかね。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

最初の書き出しに引かれて読んでみた。
遥川と梓の共依存という雰囲気があり個人的に好きな作品。信仰にすら近い愛があったけれどたった一つの出来事で崩壊していく様子がじわじわと伝わりいたたまれない気持ちになった。(2023.8.10)

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

最初は仲の良い2人が徐々に破壊していく話。
とても面白く話にのめり込んでいきました。
ラストは衝撃で涙が溢れ出てきました。

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2023年05月19日

ネタバレ 購入済み

切ないけど心に刺さる作品

梓と遙川悠真の関係性が素晴らしい。この本を一言で表すなら共依存がいちばん相応しいと感じる。遥川悠真の梓に対する感情の変化を持ちながらも結局愛していた姿も梓の遥川悠真に対する幼い頃から見てきた小説家として姿への執着も遥川悠真に対する期待と愛もとても深くて面白い。人間が相手に理想像を押し付け求め憎悪し妬み、また愛す。その姿が生々しく綺麗に描写されているところが素晴らしいと思う、人間の醜く美しいほどの執着と愛情と嫉妬が詰め込まれている作品。メリーバットエンドが好きな人、人間の生々しい感情が見たい人には是非とも奨めたい

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2022年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『憧れの相手が見る影もなく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。』

この冒頭の一文があらためて読み返すと印象深い。
泥沼のような共存関係から、最後は綺麗なバッドエンドに集束して面白かった。

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2024年06月01日

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ネタバレ

すごい。歪な関係が上手に描かれている。
気味が悪いくらい執着心が強い主人公と、最後まで頭を抱えた先生、良くも悪くも人間らしい話だった。お腹いっぱい。

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2024年05月30日

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ネタバレ

自殺しようとした少女を止めた小説家一緒に住み始めて主人公がゴーストライターになる話。これは、けんごさんという小説紹介をしていて見始めました。最初に見たとき○○○が止まりませんでした。

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2024年05月22日

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人気小説家とその著作で救われた少女の切ない物語でした。お互いに依存し、歪な生活の中で乖離していく関係性が面白いと感じました。成長していく少女が「大好きな小説家」という姿を守るためにゴーストライターになったけど、自分の色に少しずつなってしまっていたことに気づいたところから、展開は早く感じる程良かったです。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

踏切でなかなか、もう一歩を踏み出せなかった梓に声をかけたのは、憧れの人気作家・遥川悠真だった。あの日、死んだはずだったのに…2人の歪な共生生活が始まった。

各々がちゃんと望みを叶えているハッピーエンドですね、周りがどうこう言うものではありません。ラストのミステリーぽい逸話は蛇足かなぁ。

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2024年04月23日

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互いに思いあっているのに、その先にあるのがもう破滅しかない、って1つの信仰の話だと思った。敬愛して崇拝して信仰した相手が、自分の目の前で堕ちていくとき、自分だったら何を感じるのかな。最初から歪んでいたからって諦めきれるものなのかな…

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2024年02月17日

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天才小説家 遥川悠真と、その物語に救われた幕居梓。スランプに落ち込み、世間に蔑まれる遥川。今度は梓が春川のゴーストライターとして救済する。
最初から最後まで苦しい。けれど美しい物語でした。

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2024年01月01日

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読んだ!(2時間ちょっとで読めた)
不器用な2人のしんみり恋愛小説?で終始切なくなりながら読んでいた.この気持ちが汝、星のごとく(流浪の月?)を読んだ時の気持ちに似ている気がする

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2023年10月30日

Posted by ブクログ

「ほんタメ」で斜線堂有紀さんが紹介されていて、
気になって本作を手に取りました。
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十数万字の完全犯罪。
その全てが愛だった。
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読み終わった後、考えがまとまらず、
放心状態に近かったです。

どうしてそっちに行っちゃうの、
その流れは必然なの、
無意識にそっちに行っちゃうの、
どうして止まれないの、
と疑問符だらけで。

助けられた恩人を助けたつもりが、
相手を追い詰めていたり、
大切に想っての行動だったのに、
相手を傷つけていたり。

なんて不器用で、
なんてお互いを思い合っていて、
とても依存していて。

恋愛×地獄は最高というほんタメでの紹介でしたが、
私には刺激が強すぎて、
余韻というか気分を引っ張られちゃうので、
連休とか余裕があるときに読もうと思います。

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2023年10月29日

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憧れの相手が見る影なく落ちぶれてしまったのを見て、「頼むから死んでくれ」と思うのが敬愛で「それでも生きてくれ」と願うのが執着だと思っていた。だから私は、遥川悠真に死んでほしかった。
という書き出しから引き込まれる本ですね。

梓が彼の小説と人格に鮮やかに救われたとしても、それだけで物語はきれいに終わらず、人生は続いていく。
二人が出会った頃のバランスを崩していく様子が切なかった。

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2023年07月15日

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小説家と少女の崩壊の物語
個人的にはどこまでも真っ直ぐな愛と信仰の物語に見える
現実的なところでのツッコミどころは正直多いのですが、
それを補って余りある美しさを感じました
欲を言えばオチにもうひと波欲しい気持ちはありました

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2023年07月15日

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ネタバレ

割とありがちなイメージの設定ながら、斜線堂先生らしい読み味のある作品だった。正直かなり好き。
自殺を考えた少女が、人気小説家に拾われる。成長しても、書けなくなった小説家の家に通う少女・梓。彼のいちばんのファンである彼女が恋文代わりに書いた小説が、全てを狂わせていく。
愛憎や嫉妬が入り混じっていても、先生は梓のことを大切に思っていたんでしょうね。梓も先生のことが大切だったから、あのラストシーンになるんだろうけれど……。
まるで伏線を回収するように、彼との約束を守って踏切を超えるのが、切ない。
印象的な一冊でした。

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2023年05月27日

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どちらがどちらを殺したのか、どちらがどちらに依存していたのか、これは執着なのか敬愛なのか、いろんな思考がぐるぐるしながらも、弱い2人がこんな風にしか出会えず、こんな風にしか共生できなかったことがひたすらに切なく苦しい。
一気に読み終えた。

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2023年05月12日

Posted by ブクログ

タイトルを裏切らない、尖った内容です。中高生にオススメ。いわゆる普通の感性をもつ年配の方は多分なんじゃこりゃ?っていう展開についていけないかも。もともとは「神様の断頭台」というタイトルにする予定だったそうです(後書きより)。なるほど。もう、最初からあり得ない虐待母子出てきてヒリヒリがノンストップです
描写ないものの、ホテルに行ったりするシーンあるので、小学校向きじゃないです。関係の不健全さとかも不向きかな。斜線堂有紀は小説に挑戦状を叩きつけながらしか書かないのだろうか。いつか万人受けっぽいのも書いてみて欲しいなぁ

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2023年04月12日

Posted by ブクログ

敬愛する人と、あるきっかけで出逢い、人生を共に過ごせるとしたら、それは幸せなのか?どんな罪でも姿でも赦せるのであろうか?
と、複雑な課題を突き付けられたような読後感でした。

母親からも見捨てられ、孤独と闇の中で唯一、少女はとある小説家の本を愛し、その本を生き甲斐に日々を過ごす。そして物語は数多くの本と共に少女の成長記録として綴られる。しかし、どこで間違ってしまったのか少女は次第に敬愛と悲哀の間で生き甲斐を見失う。

なんとも言えない愛の形であり結末であり、ページ数は少なめながら重厚感が半端ない作品でした。約一年積読でいましたが、ようやく読み終えた今の気持ちとしては、早く心癒される作品で浄化されたい。いやでも良い作品ですよ♪

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2023年03月09日

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ネタバレ

斜線堂さんの小説が好きでの作家読みだったけれど、この本の中でも同じ作家でも合う作品と合わない作品があると触れられているように、メディアワークスの2冊は自分にはあまり合わなかった。
斜線堂さんの作品だと、「百合である値打ちもない」とか「ミニカーだって一生推してろ」が特にハマって好きになり他の作品も読み漁っています
この作家さん短編の方が没入させる…? 切実な人間関係の訴求が長編2冊からは感じられなくて、設定ありき(人気作家が自殺しかけている小学生女子を保護→スランプに陥ったときに彼女がゴーストライターになる→最後は…)で淡々とキャラ読みできないまま話が展開してしまった。

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2024年06月01日

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話題の本だったので一気読み。
面白かったけど、評判が相当よい理由はどこなのかな?
この本だけにある特別な何かはあんまりなかったように思う。

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2024年05月28日

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悠真はたまたま天才になれた人で、元々天才なのが梓な気がします。天才の梓が書き続けたら、そりゃ成功するので悠真は嫉妬すると思う。けどどんな形ですら、お互い『幸せ』と思う瞬間は味わったと思う。欲ばかり考えてしまうと、愛は崩壊の始まりかもしれない。

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2024年05月04日

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二人の関係性とか性格が、とても切なく、泣けた
本筋も惹かれたが、何より出だしの一文(読んだ人はきっと印象に残っているだろう一文)がとてもよかった!先生を思う気持ちの有り様がぎゅっと込められていると思う
全体的に好きだった

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2024年05月03日

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ネタバレ

中学生に勧められて。
題名の「殺す」がいろいろな形でかけ合わさっていて面白かった。二人が出会ったことで、先生が梓の自殺を止めたことで、家に招いたことで…あったかもしれない様々な選択肢が悪いほうへとどんどんと殺されていって、断頭台へと向かっていく。梓の行動の想像力の無さも、虐待されていた小学生であることで許される。
私は、最後の最後まで梓は先生の小説家としての生き方を殺すのだなと思った。本当は先生自身が書きたかったのに、梓がダメにした二人の物語を、結局梓が書いてしまうのは…。死人に鞭打つ行為だったのではと悲しくなってしまう。

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2024年02月25日

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愛情を適切に受けられずに育てられた少女が代わりに求めた愛はなんだったのか
1人の小説家との出会いが彼女と青年を大きく変えてしまった
親愛や恋愛、家族愛など愛のカタチはその関係性の数だけあり正解は無いのだろうけど、相手に求める理想と現実の差に悩みながらも相手を思わずにはいられない
そんなふたりが破綻するのは予定調和だったのかもしれないが少女の純愛を貫いた姿は胸に来るものがあった

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2023年11月24日

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ネタバレ

ラノベっぽいような、そうでも無いような。
知人に「あなたの作品っぽい雰囲気の小説とは?」というタグで薦めてもらった作品。褒められてるのか貶されてるのかなんなのか(笑)

敬愛なのか執着なのか、私には敬愛なんてないと思っていたけれど、好きな作家が望む作品を出せないなら、人道を外れてしまったら、勝手に抱いている理想と違ったら。それはいなくなってもかまわないと思うかもしれない。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

「才能を愛された人間は、その才能を失った後にどうすればいいのか」あるいは「誰かを神様に仕立ててしまった人間は、変わりゆくその人とどう向き合えばいいのか」
あとがきに作者自身が書かれている、この言葉がすべてですね。

読み終わるとタイトルも納得だし、切ない空気をまとっているように感じました。
ただの恋愛小説で誰かが命を落とすことで、御涙頂戴な話にしないところが私は好きでした。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

タイトル通り。

虐待を受け、親に捨てられ
自殺しようとしていた少女
それを止めた小説家
救われた少女は小説家と暮らし始める。

神様のように作者を慕う少女
素っ気なく振る舞いながらも
愛情抱く小説家(うーん、今書いててもなかなかな奴だなぁ)

警察に届け出てないというのもあるのだけど、違和感をいちいち捉えずに読んでいた。

前読んだ作品の「中学生男子と大学生女子」の関係そうだけど、ギリギリアウトかもしれない関係性で進む話が多い作家さんなのかな?
今回は「小学生女子と社会人男性」
そして毒親も共通項

「感情揺さぶられたい」ということも小説を読む理由の一つなのだが、この話は「タイトル」がまず先にあるので「何故そうなってしまうのか」を追ううち
「なるべく感情を動かさないように読み進めようとしている自分」に気づく

現実にこんなことがあるのかどうかは置いといて、悪いほうに行かないでくれと願い、読み終えないと気持ちが鎮まらない(どうにも心は動いている)
どんどん読み進めてしまう。

相手を好き過ぎて助けようとしている行動が相手を完膚無きまでに破壊し尽くす。
壊していることに気づかないから
「壊れてしまってる」と感じ、愛している者として終わらせようとする。
うまく噛み合わないまま…結末へ

あとがき
作者さん自身が感じた疑問に対する答えを探すための実験のように物語を紡ぐ。飄々と「今回はこんな実験をしました」と語る感じがたまらない。

どうしたらうまくいった?
なんでこうなった?
アイツ一番損してない?
それともコレで良かったの?

読み終わるまでが早いのに
読み終えてから考える時間が長い。
作者の答えを読んだはずなのに
疑問(問い)を引き継いでしまった。

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2023年09月03日

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