誇り高い女学園で繰り広げられる、淑やかで甘美な群像劇。
明確な主人公が存在しない本作の最大の魅力は、女生徒たちが影響しあうことで交錯する心、揺れる気持ちです。
例えば「王子様」と呼ばれる少女・佐伯。昔から同性にも「かっこいい」と言われてきた彼女ですが、学園に入ってからは向けられる視線が少し変わったと感じています。その違和感は次第に増し、周囲の視線や言動によって王子様に「変えられていく」という苦しさに変わっていきました。
そんな佐伯の前に突如現れるのは、滅多に学園に姿を現さない深窓の令嬢・星宮です。窓から飛び降り「ずっと遠くに逃げられるような気がしたのだけど」と言う彼女に、佐伯は一緒に逃げないかと提案。ふたりの少女による、ささやかな逃避行が始まります。
このエピソードはほんの一例で、他にも魅力あるキャラクターが次々にフィーチャーされます。
表紙で本作に惹かれた方も多いと思いますが、作中ではストーリーの深みと相まって、魅了させられるシーンが多いです。
ピンときた方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
感情タグBEST3
面白かっです
最終巻、全編通してとてもよかったです。少し奇妙で神秘的な雰囲気を纏い進んでいた物語。例えるなら、夜の静けさの中しんしんと降る雪のような、綺麗だけど怖さも含んでいるようなお話でした。ただ最後は夜が明けていきなり晴天になります!!そこなまたいいです。あと主人公がそんな雰囲気の中、悩みながらも直向きに進んでいくので勇気をもらえました。一気見をお勧めします。
Posted by ブクログ
読む前は、これで最終巻だと思うと物足りなく感じましたが、最後まで読んで納得しました。確かにこういう最後だったら、10巻以内に終わったほうが綺麗だなと思いました。最後の終わり方が、とても素敵で私は好きです。次回作も、楽しみに待っています。
佳き。
完結。ありがとうございます。再読します。
全巻通し、圧倒的な画力、細密画一歩手前の髪、髪、髪、怖いほどでした。
一方、物語は、純粋すぎる(洗脳された?)少女たちの想いが過去から現在、さらにその先へと溢れて繋がっていきました。
クラッシュアンドビルドの物語、と思っても良いでしょうか。
1〜4巻は表紙絵が2人なのに、5巻と6巻は1人。。。そのこころは。。。
初百合。堪能しました。ありがとうございます。
Posted by ブクログ
雪の中で洋子が華を見つけるシーンが素敵でよかった。
九条さんもちゃんと良い方向へ向かったみたいで安心しました。
洋子と華、2人とも制服を脱いでより綺麗になったな〜
完結お疲れ様でした!!次回作も楽しみです
耽美で儚い女学生たちの物語
出てくる少女たちが皆美しい。思春期の儚さが美しさを更に際立てています。
制服として継承されていく髪。姉妹制度。薔薇香るお茶会など女学院が舞台のお話が好きな方には正に刺さる作品だと思います。
終わりもよく、何度も読み返したい作品です。