【感想・ネタバレ】俗物図鑑(新潮文庫)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2013年03月16日

見た目の厚さの割に一気に読めます。読中はゲラゲラ笑いました。(痰壺評論家はかなりきつかったですが‥笑)俗物万歳!作者の奇才に天晴れ!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

あることをきっかけにヘンな評論家だけのプロダクション「梁山泊」を設立する男。それを取り巻く評論家たち。最初から壮絶な結末まで、男の生き様と強烈なマスコミ社会風刺の長編。

昭和51年発行

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Posted by ブクログ 2012年01月21日

個人的に、『国家反逆』カテゴリーに含めている作品(ほかには井上ひさし「吉里吉里人」、小松左京「日本アパッチ族」、大江健三郎「同時代ゲーム」)。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

平田・細川選。

確か、旧平田邸に転がってましたよね。

うちから誰を推薦します?
俗物は俗物ですけど、なんせ評論じゃ飽きたらんで革命(中途半端に!)やろうとするから…
評論にも客観性がないですし。

まあ、私も書評っちゃ書評してるんでしょうけど。

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Posted by ブクログ 2010年09月17日

うーむ、面白い。気持ち悪い。よしよし、げーしなさいげー。
という感じの小説。筒井先生の本領発揮といいますか。先生の著作には凡作も存在するわけですが、これは読んで損しません。

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Posted by ブクログ 2015年03月17日

いやぁスゴイ。始めはそれなりにまともな人から、嫌悪感を伴う人になり、しまいには犯罪者が集まって梁山泊か。度量が広すぎる。ラストは連合赤軍事件のパロディか。多分事件直後だったと思うのでよく書けたと思う。寛容な時代だったのかな。本作品より5年後くらいに刊行された、井上ひさしの某小説に質感が似ていると思っ...続きを読むた。(こちらもスゴイ)

2

Posted by ブクログ 2009年10月04日

高校の先生に
「お前好きそうだから読め!」
と言われた1冊…
先生はさすがです、鋭い!
衝撃でした。こんな小説があったのか!と高校生のあいこはびっくりでした。そこから筒井にどっぷりハマりました。
汚い話といえば汚いのだろうけど、おもしろい…ありえそうでありえない人たち、そして話の展開がたま...続きを読むらなく好きです☆

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

評論家だけの風変りな“梁山泊”プロダクション出現――盗聴、横領、出歯亀、放火などタブーとされる芸ばかりに秀でている彼ら俗物センセイは、一躍、マスコミの寵児にのし上がる。しかし、彼らの奔放な活躍ぶりは、次第に世間の良識という怪物の反撃に合い、両者の壮烈な戦いが開始された……。人間の隠された悪への欲望と...続きを読む破壊衝動を、豊かなパロディ精神と言葉の遊びで描き出す長編小説

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Posted by ブクログ 2023年11月30日

接待担当課長の収賄、企業の養子社長の苦悩と蒸発(懐かしい。今なら失踪か)などに端を発した俗物的評論家を集めた梁山泊プロダクションを核として、当時のマスコミや急進的女性団体、世相に対する風刺を効かせたドタバタ劇を堪能した。亭主の失踪を追って妻が、俗悪評論家の犯罪行為の疑いを抱いて刑事が、吸い込まれるよ...続きを読むうに梁山泊ビル内に囚われてからの籠城戦が本書の見せ場だ。456から463ページの街頭インタビューは、著者の痛烈なマスコミ・世論批判でもあり壮絶。享介の最期の回想シーンは演劇出身の著者らしい。

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Posted by ブクログ 2017年12月18日

 ドタバタでグロテスクで、読んでいる最中何度か吐き気がした…けど面白かった!エリート意識や選民意識が強くいっぱしの批判を口にする評論家、体面ばかり気にする警察、センセーショナルであればそれでいいメディアと、それを何の考えもなしに面白がるだけの大衆など、あらゆる方面に向けて皮肉がききまくっていて痛快。...続きを読むブラックユーモアに顔をしかめたり笑ったりしながらも、自分が作中に描かれている大衆とどこが違うのか、もしかすると一緒じゃないだろうかと考えてしまう。

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Posted by ブクログ 2010年09月17日

みんな気が狂っています。
が、狂いたいように狂っている人は幸せそうです。

笑える話ですが、読んだ後悲しくなりました。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

評論家っていうと、文学やら現代社会やら、なんだか『ちょっと難しそう』なものを色々とこじつけていて、『俗物』と違うイメージ(笑)
だがこの小説では『俗物』が、それぞれの得意分野を生かし、『○○評論家』となる。
最初は贈答品評論家から始まったものの。

・うまくリベートを取るコツは?!横領評論家
・覗き...続きを読むが生き甲斐、そのためだけにアパート管理人になった覗き評論家
サラリーマン等雇われの身分で地位と上司の顔色がすべてだった『俗物』が、もうやーめた!って感じで『評論家』になっちゃう。
そんな評論家を集めてプロダクションを作ってしまう。
中には吐瀉物評論家なんてのも……

よくもまぁここまで変な評論家を考えたな、ってまず感心した。
ちゃんと『評論』している場面もうまく書けてるし!


『皆の意見を代弁するマスコミ』じゃなく、『マスコミの意見が皆の意見を作る』っていうこの国の状況を的確に、かつ皮肉たっぷりに表している!!
『世の中はいいことと悪いことの2つしかないと考えている』『他人を悪者扱いする人間は自分を悪者じゃないと思い込んでいる』
これぞ俗物じゃない??!
→余談だけどこの考えって中島義道を思い出す(笑)


ただ色々俗物評論家が出てくるあたりは面白かったんだけど。
ラストが滅茶苦茶。
バトロワを彷彿とさせた(笑)
ラストが微妙だったから★4つでw

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Posted by ブクログ 2010年03月31日

おもしろいというか物凄いというか気持悪いというか……
とにかくドタバタ!
下品なんだけど勢いがあって読みやすい本でした

1

Posted by ブクログ 2023年11月12日

風巻機工で営業課長を務める雷門享介は、平松礼子を相手に、取引先の会社にお歳暮を贈るときの心得を説いていました。やがて二人の距離が接近し、オフィス内で不倫行為にいたってしまいますが、社内のさまざまなところに仕掛けられた盗聴装置によって二人の行為が社長にバレてしまい、礼子は馘首になってしまいます。

...続きを読むの後、仕事にかまけて家庭のことを顧みない享介は、息子の豪介に殴られたのを機に、家を出て礼子とともに暮らすことになります。ところが、礼子の兄で出版社を経営している平松景吉が、享介の話をもとに『おくりもの入門』という本を礼子に書かせて、この本がベストセラーとなります。さらに景吉は、享介にも接待の評論家として本を執筆することをすすめます。

その後、享介と礼子の暮らすマンション「梁山泊」には、吐瀉物鑑定家や横領の評論家、のぞきの専門家など、さまざまな評論家たちが集まることになり、享介をはじめこれらの評論家たちがマスコミで活躍し、多くの反響を呼び起こします。同時に彼らに対する反発も高まり、警察、さらには自衛隊が出動する騒動にまで発展していきます。

シュールな設定のなかに、現代文明に対する批評的なまなざしが見られる作品なのですが、あまりにもきたなすぎて食欲が減退してしまう場面もありました。しかし、これが筒井康隆という作家なのでしょう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年03月27日

筒井康孝2作目
僕が生まれる前の作品とかしかもまだ生きているし
もっと若い人なのか勝手に思っていた
でも、おかしいよな
だって星新一とか小松左京とかと同世代なんだもんな
若いわけがない

内容はというと
接待専門のような課長が、社長の情婦と関係をもった所から話が始まる
なんだかんだと...続きを読む家を追い出された主人公はその情婦と暮らすことになる
で、その情婦の兄が出版社を立ち上げるということで、「接待論」とかいう本を出すことになり
これが意外と売れて、そしたら何か変わったことを評論できる人はほかにも居ないかと思ってゲロ評論家などを見つけてきたらこれが大当たり
情婦を住んでいる梁山泊という名前のマンションに声をかけた評論家を住まわせて評論家事務所「梁山泊プロ」としてテレビに出すことに
そこからテレビやら何やらで大活躍?するんだけど
反社会的というか異常としか思えない評論をする人ばかりなものだから問題になって最後はドタバタ劇の末、女性陣と息子を残して全員自衛隊に殺されるという

うーん、説明していて訳わからなくなってきた
この人はナンセンスを描く人らしいんだけど
ナンセンスというのは、意味があることを知りぬいてないと書けないわけで
知っているからこそナンセンスという形の皮肉めいた表現ができるわけで
そう考えてみると当時の社会がどんなものか僕はあまり知らないけれど
こういう風刺をされる世の中っていうのはどうなんだ実際
ていうかこの人の発想力と展開の飛び具合は本当にすごいな
うん、ダメ人間ばかりが出てくるというのも好きだ

違うのも読もう

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

あらゆる俗物を皮肉った小説、とよく言われている。
まあ、俗物といえば俗物だけど、もっと卑小さが欲しいような。

後半のマスコミ論だとか本質と末端だとかの話になるともの凄くおもしろい。
終わり方もなかなかのもの。
後半だけなら★4はいける。
ただ、冗長とも思える部分が少し多いので★3つ。

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Posted by ブクログ 2020年12月18日

夏以降バタバタしてすっかり遠のいていた読書、年間10冊ちょいしか読んでないことに気づいて年末が見えてきた頃に慌てて読んだリハビリ代わりの一冊。「良識」が支配する世の中からドロップアウトした、自己の欲望に忠実な「俗物」たちが立ち上げた各種評論家プロダクションは、やがて「良識」を相手の武装闘争をする羽目...続きを読むになる…。論理を突き抜けた非論理、現実を突き抜けた非現実、ごく普通のサラリーマン物のように始まった物語が自衛隊との衝突の果ての爆死で終わる辺り、難解さはないのに平然と常識世界を飛び越えるのがさすが筒井ワールド。あくまで娯楽的な軽さは固持しつつ、メディア論・マスコミ論としても読み応えのある面白さがある。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「今月号の『シグルイ』が一部読者から「うどんが食えなくなった」との熱狂的好評をもって迎えられたことは周知の事実ですが、『シグルイ』の狂気を数十年前に通過していると一部読者の一部読者から言われているところの筒井康隆先生は、当然読むと特定の食べ物を受け付けなくなる小説を大昔に書いています。それがこの『俗...続きを読む物図鑑』です。」

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