【感想・ネタバレ】現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来のレビュー

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第一章:情報化社会、消費化社会の展開とその必然性、卓越性
第二章、三章:現在の形態の情報化社会、消費化社会が生む限界問題
第四章:情報化社会、消費化社会の転換による問題の克服の探究

とてもわかりやすかったし、自分にとってあまりにも有意な内容であった。現代の市場のシステムをベースとした資本主義社会の展開やその問題性を掴むとともに、当たり前のはずだが、この社会に生きていると忘れ去られてしまっているような前提に気付かされた。

第四章は少し自分には難解であったが、やはり社会全体の理論として結論を求めると、どうしても抽象的で机上の空論に見えてしまうものに終始してしまうと言う印象を改めて受けた。

総じてものすごく興味深い内容だった。
今後何回も読み返すことになるだろうと思う。

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2024年04月12日

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前半は現在の情報化・消費化社会の諸問題を挙げており、後半は前半で挙げた問題の解決の糸口を提示している。
内容もさることながら、文章も難解で一度では理解しきれない部分が多かった。
現代社会(の情報化・消費化)という面について、過去と現在、表と裏、内部と外部など比較や対立を持ちいた表現が多いことが特徴で、読み間違えれば混乱してしまうが、正しく読めれば著者の意図を十分に理解するに足る文章になっていると感じた。

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2021年01月29日

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予言の書みたいだ。20年以上前にこの本が書かれていることに驚愕する。

資本主義がこれまでぶつかってきた限界と課題
① 需要の限界 → 不況と戦争
・モノが人々の手に行き渡り、「必要」を根底とする需要が無くなる。市場が飽和するという限界。
・モノが売れなくなることで不況が発生し、不況を乗り越える(需要を創出する)ために、戦争が発生するという課題

★ 需要の限界は、需要創出を「戦争」以外の方法で乗り越えること、で克服された。
・ケインズ:政府によって、有効需要を作り出す(公共事業とか)
・情報(デザイン・広告・モード):
フォードとGMの例で説明する。
- フォートは、「便利な」車を、単一モデルで、生産ラインを徹底的に合理化・効率化することで、低価格で販売し、市場を席巻した(=市場を飽和させる)
- 一方GMは、車を「デザイン」で売った。「魅力的」なデザインの車を売り、そして定期的な「モデルチェンジ」を行い「新しい」車を売っていった。デザインには、「正解」がないため、需要には、理論上限界がない(ブランド車を複数所有する金持ちとかをイメージするとわかりやすいかと。便利さだけなら一台で良い。「魅力性」を王ならば、理論上需要/欲望は底なしとなる)。そして定期的な「モデルチェンジ」を行うことで、既存の車はどんどん古いものとなり、新たな「新しい」車への需要を創出する。デザインとモデルチェンジを人々に広めるために、需要を喚起するために、広告が活用される。

モードに関してはMEMO
モードのリズムは以下の二つによって構成される
・消耗のリズム(u)
・購買のリズム(a)
モードは、a/u。購買が消耗を上回っている時、モードが存在する。
購買のリズムが消耗のリズムを超えていればいるほど、モードの力が強い。
モデルチェンジと<モードの理論>が消費社会を駆動するメカニズム。
モードは、広告を通じて、自己否定することで、回転を早くしていく。

② 資源と環境の限界 → 資源の枯渇と環境の破壊と格差
・「情報」によって、需要が無限になったことで、大量生産→大量消費のサイクルが回る。
・「大量採取→(大量生産→大量消費)→大量廃棄」という限界づけられたシステムであり、地球の「資源」と「環境」という外部的な制約にぶつかる。
「資源」:エネルギー、鉱物、一次産品、労働力など
「環境」:地球環境

★ 資源の枯渇と環境の破壊と格差は、大量採取・大量廃棄しない、システムを構築することで、克服される。
・本書では、<消費>すなわち「存在それ自体の幸福」的な話になっている。

▶︎ 個人的には、情報(エンタメ)を消費する社会になると考えている。今後は、基本的に「必要」がテクノロジーによって満たされ始めるので、本書に即していうならば、情報(エンタメ)商品としての「消費」する社会になるかと。
<消費>とエンタメ「消費」がメインとなる社会になると思う。

Youtuber、「好きなことして生きる」、生き様コンテンツ、信用経済、諸々これに関連している。見田さん的に言えば、これらは「ソフト」な側面に属するのかと。


最高に面白い本。

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2020年01月04日

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ネタバレ

再読。現代が消費化/情報化社会であるとして、その欠陥点が〈消費〉の概念を社会全体が正しく捉えられていないこととして指摘、その解決を情報化と〈生の直接的な充溢と歓喜〉へと消費の概念を見詰め直すことに見出している。

以下、昔書いたまとめを。

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<一章要点>

・資本主義という一つのシステムが、必ずしも軍事需要に依存するという事なしに、決定的な恐慌を回避し反映を持続する形式を見出したという事、この新しい形式として、「消費社会化」という現象をまず把握しておく事が出来るという事。

・自己否定、自己転回

・デザインと広告とクレジットを柱とする、ソフトなより包括的な戦略、「消費者の感情と動機と欲望に敏感な」システム

・消費社会としての資本制システムが存立する事の前提は、(この労働の自由な形式に加えて、)<欲望の自由な形式>である。

・<欲望の抽象化された形式>、<労働の抽象化された形式>

・古典的な資本制システムの矛盾——需要の有限性と供給能力の無限拡大する運動との間の矛盾、これが「恐慌」という形で顕在化する。

・上記の矛盾を、資本の基本システム自体による需要の無限の自己創出という仕方で解決し、乗り越えてしまう形式が<情報化/消費化社会>。

・自己の運動の自由を保証する空間としての市場自体を、自ら創出する資本主義。

・<情報化/消費社会化>こそ、初めての純粋な資本主義である。

・誘われたままでいる事を享受し、あるいは寧ろ、よく誘惑するものであるか否を、鋭敏な批判の基準として選択する対処の仕方は、1970年代以降の世代達にとっては、平常の基礎的な情報消費社会の内部を生きる事の技法となっている。

・<大衆が消費する事は、それが資本の増殖過程の一環をなすからといって、それが大衆自身の喜びである事に変わりない>

・この社会の固有の「楽しさ」と「魅力性」という経験の現象、それがこのシステムの存立の機制自体の不可欠の契機である



<二章要点>
・「自動的な廃滅化という現代の傾向」

・上記の様に呼ばれているのは、「モードの理論」と同じ戦略によるものである。つまり、<消費の為の消費>を通しての繁栄というシステムの基本の論理そのもの。

・根源的独占は、商品システムというものが、必要を充足する為の他の方法を排除してしまう事を通して、生活の仕方を選択する自由を否定する。それは、自然的な他の共同体的な選択肢を解体してしまう事を通して、商品システムへの依存を強制する。

・農村と都市の構造から家族の形態に至る、日本社会の基本的な構造が変容したのは、1960年代を中心とする、「高度経済成長期」である。日本に於ける「現代社会」の創成期である。

・現在の<情報化/消費化社会>が、自分で自分の無限定の成長と繁栄の為に設定する無限空間——人間達の現実的な必要を離陸する<欲望の抽象化された形式>、あるいは<欲望のデカルト空間>とは、このような<消費の為の消費>、<構造のテレオノミー的な転倒>の、純化され、洗練され、完成された形式である。

・生産の最初の始点と、消費の最後の末端で、この惑星とその気圏との、「自然」の資源と環境の与件に依存し、その許容する範囲に限定されてしか存立しえない。

・現代の情報化/消費化社会は、資本制システムの「自己準拠化」の形式として成立した。

・人間達の「必要」に制約されない無限定の消費に向かう欲望を、情報を通して自ら再生産する。

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<一章>

 現代社会は資本主義社会である。世界恐慌等を経験し、決定的な恐慌を回避し持続的な繁栄を実現する為に<情報化/消費化>した。というのも、<情報化/消費化>は「消費者の感情と動機と欲望に敏感」になる事で、需要の無限の自己創出を可能にしたからである。そして、このシステムが成立するのは、<大衆が消費する事は、それが資本の増殖過程の一環をなすからといって、それが大衆自身の喜びである事に変わりない>事とこの社会の固有の「楽しさ」と「魅力性」という経験の現象によって裏付けられている。

<二章>
 一章で先述されている、『需要の無限の自己創出』とは、必要を充足する為の他の方法を排除してしまう事を通して、生活の仕方を選択する自由を否定する根源的独占と、人間達の「必要」に制約されない無限定の消費に向かう欲望を、情報を通して自ら再生産する事で可能となった。また、先述の日本に於ける『現代社会化』は農村と都市の構造から家族の形態に至る、日本社会の基本的な構造が変容したのは、1960年代を中心とする、「高度経済成長期」に起こった。

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2017年08月21日

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‪三章 南の貧困/北の貧困
すばらし。この人の講義を受けた人は幸せだな。
一つ残念なのは文章が難解で万人受けではないこと。‬全集、まだ読めていません。

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2017年06月05日

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高2の夏休みに課題図書として読まされたときは何が何だかサッパリだった。大学で専門の勉強をした今、再読してみると面白いぐらい引き込まれる。素晴らしい本を紹介してくれた、国語の教科担当の先生に感謝。

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2014年04月23日

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アクチュアルなもの、リアルなもの、実質的なものがまっすぐに語り交わされる時代を準備する世代たちの内に、青青とした思考の芽を点火することだけを願って、わたしはひとつの発端を世界の内に放ちたい(p188)

この著者の願いを、しっかり引き受けていきたい。

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2013年02月14日

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大学時代のバイブルです。最近読み返したら、鉛筆で線がいっぱい引いてあって、無い頭を捻りにひねって考えながら読んだことを思い出しました。

・・・どうやら「構造」というものがあるらしい。それによって世界はまわっていて、「南」の貧困、あるいは「北」のなかの貧困を固定しつつ、様々なリスクを生み出しながら、危ういバランスのうえで、ぼくたちは大学やバイトに行ったり、日々を生きている。


「途上国の8人家族が飢えに苦しみ・・・」というニュースを聞くと、何でそんなに子どもつくるんだよ自業自得!
「コーヒー豆がスタバに買い叩かれるんだ!」と荒ぶる農民をみて、じゃあ別の仕事しろよ依存してるだけやっぱり自業自得!
と辛口評論していた当時のぼくは、見田先生にあえなく論破されたのでした。

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2013年01月25日

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読んでいて、手がとまらない、どんどん先を読みたいと思わせてくれる本だった。社会に対する見方、特に消費/情報に対する考え方がかわった。

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2013年01月31日

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消費社会の問題とその打開、それらをわかりやすく解説してくれる良書だと思います。

ただ単に問題提起だけにとどまらず、それの解決にも触れているところが共感を持ちます(不十分なのかもしれませんが)
現状は情報化社会へと移りつつありますが、それが何を目指していくべきかなどを考える際にも出発点となるのではないでしょうか。

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2011年08月31日

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現代社会は消費社会と情報社会である。資本主義の限界を克服するため、消費する意欲それ自体を自己で生み出す(欲望の創出)。現在ではそれは最も良い社会だと考えられるが、その一方で陰の部分もある。無限の消費の可能性に対して、有限である地球の資源。国内が豊かになるための、後進国の貧困等の、「南北問題」。
消費化・情報化と定義した現代社会の問題点を改めて提示し、今後の方向性を示した良書。

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2011年01月23日

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情報社会は、何のために。



新しい幸せの形の「発見」のために。

消費社会は、「解放」のために。

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2010年12月19日

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冷戦終結後に書かれた「情報/消費社会」についての本。

「情報/消費社会」を肯定的に捉えつつ、そのままでは資源、環境、貧困などの「限界問題」が解決されないことから、その「転回」を主張している。

その主張は現代のSDGsに極めて近いことは、以下の引用から分かる。

"転義としての「消費社会」についてはどうか? 転義としての消費社会(商品の大衆的な消費の社会)もまた、それが現在あるような形ではなく、その可能性について考えられるなら、「限界問題」をのりこえることがあるだろうという見とおしを、私はもっている。けれども、このためには「消費社会」が、原義としての<消費>というコンセプトを軸足として、転回されることが必要だろう。<消費>をその原義において豊かなものとしてゆくための、方法としての市場システムを、破綻なく活性化しつづけるための形式として、「方法としての消費社会」というべきものを、構想しなければならないだろう。このことは「消費社会」が、資源/環境の臨界問題、域外/域内の貧困問題を不可避の影として帰結する現在地の構造からの、解き放たれた展開を獲得するために、基底的に必要な条件であるように思われる。"

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2023年06月08日

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「貧困」の定義について考えさせられた。貧困とは文字通り貧乏ということではあるが、けれどもそれは、GNPが低いイコール貧困という単純な図式ではないということだ。

GNPを必要とするシステムの内に投げ込まれてしまった上で、GNPが低いから貧困になってしまうのである。実際、お金を必要としない村で幸せに暮らしている人々はたくさんいる。人の幸不幸がGNPでは決められないこと、その人が生活している社会のありかたと、各々の社会に敬意を払うべきなのではないだろうか。

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2019年12月27日

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刊記を見ると、初版は1996年。
20年が経過しているので、もう時代遅れになった部分があるのでは、と思った。
たしかに、アメリカの経済状況は、あれからリーマンショックなど、本書では予見できない不況に見舞われたのは事実だ。
むしろ、今、やっと著者の描いた情報化/消費化社会のことが、リアルなこととして感じられる。

限界に達した現代社会を、問題だけ指摘して終わるのではないところも、本書のよいところだと思う。
ただ、バタイユを援用しながら述べる、「生の充溢と歓喜の直接的な享受」を可能にするような「消費社会」がやってくるのかは・・・残念ながら、現状ではそのようには思えない。

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2014年07月24日

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資本主義の登場→初期の資本主義は限界性を内包:供給過多となり、需要と吊り合わないbyマルクス→消費化/情報化社会の登場→消費をモード化する&張り巡らされた情報網→人の無限の欲望を刺激→終わることのない消費→資本主義の限界を克服→外部性、資源の限界→克服可能か??

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2014年03月14日

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消費社会のシステムについて考察している本。十五年ほど前の本なのだが、当時さぞホットだったであろうと、思われる話題が多い。情報社会の語り方が今とは大分違う。エコロジーと消費社会の問題について書かれている所を読んで、ウィーアーザワールドを思い出した。この辺を読んでて、私が小学生だった頃、このような問題についてよく考えていたなあと懐かしくもなった。ちょっとませてた笑(* ´ ∀` )

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2012年04月01日

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勉強になりました。

特に貨幣経済のなかに組み入れられてしまったために貧困になってしまうというのは発見でした。

しかし、言葉遣いをもう少し平易にしていただけなかったのだろうか・・・。

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2012年02月28日

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貨幣、人口問題、福祉についての考察などは深く唸らされた。が、本書が本当の意味で、公害などの外部経済的な問題や南北問題をのりこえて、自由主義に価値を置きつつ、文明論的な転回をはかるのならば、まだ、説得力に乏しいと思われる。著者が後書きで予定しているような続刊の刊行が待たれる。

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2011年05月12日

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ネタバレ

[ 内容 ]
「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根拠とは何か。
同時に、この社会の現在ある形が生み出す、環境と資源の限界、「世界の半分」の貧困といった課題をどう克服するか。
現代社会の「光」と「闇」を、一貫した理論の展開で把握しながら、情報と消費の概念の透徹を通して、“自由な社会”の可能性を開く
社会学最新の基本書。

[ 目次 ]
1 情報化/消費化社会の展開―自立システムの形成(新しい蜜蜂の寓話―管理システム/消費のシステム デザインと広告とモード―情報化としての消費化 ほか)
2 環境の臨界/資源の臨界―現代社会の「限界問題」1(『沈黙の春』 水俣 ほか)
3 南の貧困/北の貧困―現代社会の「限界問題」2(限界の転移。遠隔化/不可視化の機制 「豊かな社会」がつくりだす飢え ほか)
4 情報化/消費化社会の転回―自立システムの透徹(「それでも最も魅力的な社会」? 消費のコンセプトの二つの位相 ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月24日

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一、情報化/消費化社会の展開
二、環境の限界/資源の限界
三、南の貧困/北の貧困
四、情報化/消費化社会の転回

情報化による消費の座標の無限生産 → 無限である欲望ばかりを見ていて、有限である資源の問題が考慮されていない
さらに資本主義というシステムが抱える問題点(環境、貧困)

それらの解決への出発点になるであろう思考が書かれているのではないかと

ただちょい難しい

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2009年10月04日

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「社会学入門」よりよほどおもしろい。おすすめ。10年前の書籍だが、先見の明とはこいうことをいうのだと思った。すごい。現代社会の病巣がすぱん!と切り取られ整理されている。消費のための消費の思想、というのと、相対的な貧困の構造、に感銘をうける。

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2011年06月18日

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情報化で社会の何が変わるのか
情報化ー>消費化=デザイン広告
環境問題として 発展のための農業
公害は米国→米国 →日本 →中国(資源のない国)
情報化による貧困
北 システム化により作られた貧困→システム導入で自給できない
南 強いられた貧困 相対的→絶対的になる
ポストモダン消費 コンセプ
1大量生産による限界に贈与論
2商品価値観の違い

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2016年01月10日

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「デザインの勝利は次のようなことを示す。すなわち車の外見には決定的なものがない。」決定的なものがない、というこの空虚な無根拠性が、「形式の自由な世界を開く」。潜在的に無限の容量をもつ市場を見出したということである。

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2013年10月06日

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見田宗介(1937-)。専攻は現代社会論、比較社会学、文化の社会学。

目次(抜粋):
はじめに
一 情報化/消費化社会の展開 自立システムの形成
二 環境の臨界/資源の臨界 現代社会の「限界問題」Ⅰ
三 南の貧困/北の貧困 現代社会の「限界問題」Ⅱ
四 情報化/消費化社会の転回 自立システムの透徹
参考文献
おわりに

188㌻。1996年、岩波書店、定価700円(2003年第19刷、税別)。

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2012年11月21日

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前にボードリヤールを読んでいたので、はぁはぁこれは消費社会と文明のお話ね、と理解した。
前半はなんだかよくわからない自己満足的な文章が続くが、中盤の環境に関する話以降は比較的読みやすい。
なんか読後感としては、ボードリヤールとバタイユを読みなさいってことかなと。

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2012年08月04日

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初版から16年という期間は、現代社会を考えるうえではあまりにも長い。

リーマン・ショックが無いのは当然のこととして、9.11もなければイラク戦争もない。
ITで言えばWindows95が出て、ようやくインターネットという言葉をみんなが知りだした時代。

もちろん、現代にも通じる内容は数多くある。
あるものの、一つ一つの例示や前提条件がどうしたって古臭さを感じざるを得ない。

干支がひとまわりちょっとするだけであらゆるものが古くなってしまうこのスピード感、これはこれで現代社会っぽい。

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2012年02月06日

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ネタバレ

学部生時代に手にして、途中まで読んでほっぽりだしてしまっていた。


部屋の整理をしたら久々に目にしたので、再読してみたら、当時とは違って読み終えられた。
少しは成長したのだろうか。

四(章?)の、情報のコンセプトの二つの位相という件がよくわからなかった。
何を言わんとしているのか、また寝かせた後に再読したほうがよさそうだ。
自分が成長していることを期待して。


全体を通して、ヴィジョンを提示するというスタンスではなく、軌跡をなるべくコンパクトに理論的にパッケージングするというスタンス。
初版1996年からもう15年程経過しているけれど、そこで語られていることは、今にも相当に当てはまる。
それだけ汎用性の高い理論化だったということの証左であり、かつそれだけ当時から現在に至るまでのわたしたちの社会がよくもわるくも変わっていないということの象徴でもあるのかもしれない。


とりわけ、ここで論じられている水俣病に関する件や、世界的な貧困に関する件は、今の日本社会が抱える「見切り発車であとはどうにかなるんじゃない」的な空気に符合する部分が多分にあるように感じられた。


津田大介氏がどこかで述べていた気がするが、古典と呼ばれるものは、現代にその思想を投影して読んでみることに意味がある(私の曲解かもしれないが)とのこと。

本書が「古典」と呼ばれるほどにtest of timeを経てきたかはわからないが、15年前の思想・理論を現代に援用して読み進められたのが、非常に好印象。

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2012年02月05日

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東京大学名誉教授の見田宗介が、「ゆたかな社会」のダイナミズムと魅力の根源を様々な視点から分析。環境と資源の限界や、各地の貧困の問題を解決すると同時に、私たちはどのような手法で経済を発展させていけば良いのかを考えていきます。背景知識の浅い私にとっては難解だったのですが、情報化・消費化社会に対する見方が大きく変わったことは確かです。更に勉強した後、再度読み返したいです。

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2009年11月30日

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96年に書かれた著書なので、現代とマッチしていないところもある。

格差問題について触れているところはみそ。

消費問題から社会へアプローチしているところは腑に落ちるように読めると思う。

書かれた年がネックになったので、☆3つ。

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2009年10月07日

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