ストリィディア王国トリスヴァル領の領都であるトリスの冒険者ギルドに所属するA級魔法剣士のアレク・ディアは、ギルドマスターのザック・シエルから直々に、メンバーが揃わない難易度Aの依頼への参加を打診される。野宿も想定される面倒なこの依頼に参加してくれるなら、ザックの費用負担でB級魔導士のシオリ・イズミを付けてくれるという。シオリは「家政魔導士」を名乗っていて、低魔力ゆえに攻撃こそできないが、冒険中の家事系雑務を一手に引き受けるらしく、彼女のおかげで最近は支部の依頼成功率が飛び抜けてよくなっているとまで言われ、アレクはその依頼を引き受けるが…と始まるこの作品。
読み始めは「よくある異世界転移系ファンタジーラノベなのかな」と思いきや、主人公は、特別な使命のために異世界へ呼び出されたわけでもなく、異世界で未知の素晴らしい能力として生かせるような元の世界の専門知識があるわけでもなく、おまけに「異世界なのに何故か言葉か通じる」というアレもない、ある日突然見知らぬ世界に飛ばされてしまった、本当に普通の女性。でも、真面目で努力家で気立てもいいシオリが繰り出すさまざまな家事魔法と彼女自身に、アレクや仲間の冒険者は惚れ込んでしまうのですが、本人もどうやらワケありっぽいアレクと、右も左もわからない異世界で生き抜くことに必死のシオリは、さてどうなるのでしょうか。ラノベには珍しい30代半ばの主人公2人が織りなす、異世界冒険ラブファンタジーをぜひお楽しみください!
ちなみに、よくまとまっているコミカライズ版も、読みやすくて非常におすすめです。
感情タグBEST3
女伯爵からしおり指名の依頼が入り、装備を整え冬のシルヴェリアへ。
移民、特に黒髪の女への強いトラウマを抱えていた女伯爵の側近から、はじめきつくあたられるしおり。
しかし根は正直ものの側近はしおりのスープに母の味の温かさを感じ、伝えた言葉はしおりを泣かせた。
女伯爵はこの側近との恋の決着をつけるため冬のシルヴェリアへ来たのだった。
評判の悪い帝国の冒険者に遭遇し困窮する彼らに食糧を分け与えるも、信用できない彼らに警戒をしつつ次巻へ。
要所要所のルリィの活躍が頼もしく可愛いらしい。
失恋したクレメンスのアレクへの意趣返しが笑えました。
面白かった
アレクとお付き合いするようになったシオリの、孤独ではない戦いが見られます。
今回、初めて元の世界の様子もみられて、残された側の家族の辛さもわかりました。
異世界転移ってよく取り上げられるけど、残された家族は突然の失踪に驚くし、その事実に辛くなるよね…
残された人たち
異世界に転生というお話では、元の世界では死んでしまっていたり、初めからいなかったことにされたりする展開が多いと思いますが、このお話は違いました。次元の裂け目に落ち込んだシオリを探し続ける家族。ついにはお母さんは亡くなってしまいます。そう。これは拉致事件と同じです。行き先の検討すらついていない頃の、何処に行ったのか、何故いなくなったのか全く分からなかった頃の拉致被害者家族の皆さんの姿を思い浮かべてしまいました。何故か異世界で元気にしている姿が夢に出てきて、一人残ったお兄さんの心が少し救われたことは、本当に良かったと思います。
Posted by ブクログ
女性画家である貴族の旅の護衛、シルヴェリア編前編。シオリとアレク2人のパーティーでの初仕事です。同行するのがナディアとクレメンスなのでそれぞれの過去話も出てきてボリューム満点。
旅の目的でもある女伯アンネリエからのプロポーズを平民でもあり生まれの複雑な側近デニスは遂に受け入れハッピーエンド♡2人の幸せを間近に見ていたシオリとアレクの気持ちが今後どう変化するのか…?後編が楽しみです。
スライム、ルリィとぺルゥの日記はとても面白い。毎巻日記を読むのも楽しみです。
素敵です
アレクが素敵です。肉食系(笑)頑張れ~
でもお互いに思い合って、少しづつ近づいていくところが凄く素敵…
まだ旅の往路なので、復路の4巻楽しみに読みます
Posted by ブクログ
シルヴェリア編の前編にあたる三巻。恋人同士になってからの初遠征。もうクレメンスが不憫で不憫で(笑) でも仕方ないですね。個人的にはザックが好きだけど、二人共ヘタレでしたし。
今回の道中で遭遇した帝国のパーティと、復路でもひと悶着ありそうな雰囲気ですが、そこはまて次巻!らしいです。
早く読みたいですね〜。
Posted by ブクログ
A級冒険者アレクと、異世界に転生し少ない魔力を活用して「家政魔導士」として必死に生き抜いてきたシオリ。2人が想いを通わせ、冒険者の活動をお互いが組んでおこなうことにした最初の依頼で、旧知のナディアとクレメンスも一緒に、探索護衛に向かう。護衛対象者の女性貴族と側近もなかなかに癖のあるキャラクターたちで、色々問題もありつつ、お互いを大切にしているあたたかい人たちなので、問題も改善に向かいだんだん微笑ましく見えてくる。番外編もあたたかいお話でよき。
描かれる視点の切り替えが分かりにくいという部分は相変わらずあるものの、丁寧に描かれるので徐々に脳内補完がスムーズにできるようになってきた。
シオリをひっそり想っていたクレメンスが、アレクに地味な嫌がらせをする場面がまだあって、地味におもしろかった(笑)