【感想・ネタバレ】アルツハイマー病 真実と終焉“認知症1150万人”時代の革命的治療プログラムのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月03日

アルツハイマーのメカニズムと治療方法について書かれた本です。著者は、テレビの「世界一受けたい授業」にも出演した神経変性疾患の世界的権威と言うことです。本は2017年に出版され、元になった論文は2014年に発表されました。2017年の段階で500名ほどの患者で顕著な効果があると言うことです。

ただ、...続きを読む治療法(アコード法)は特別な薬を飲めば良いと言うものではなく、36ある要因を検査で特定し、それにあった生活習慣(食事、運動、睡眠)改善と薬やサプリメントを摂取するというものです。

生活習慣としては、GI値の低い低炭水化物の緩やかなベジタリアンで、12・3(twelve・three:夕食から朝食までの12時間断食し、夕食は寝る3時間前にとる。)を守り、座り続けるのを極力へらし、睡眠は8時間、ストレスを減らし、脳トレを1日30分週3日やるというものです。

医師にも有用な様に、医薬品の名前がどんどん出てきて、素人の私には、中々読みづらかったですが、アルツハイマーのメカニズムなど、説得力のある内容でした。

60を越えれば、症状が出ていなくても実行すべき内容という事です。実行はなかなか難しいけど、悲惨な自分の親の状態を思い出すと、やらないといけないなと言う気になります。

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Posted by ブクログ 2018年04月07日

アルツハイマー病は癌などと違い、治療法がないとされていた。しかし、著者が示すリコード法は進行の予防や回復が見込めるという画期的な手法である。その中身は栄養、睡眠、運動に気をつけ、抗炎症するという所謂アンチエイジング、健康法の延長のように見え、また十二分な二重盲検試験なども行われていないため、医学界で...続きを読むも承認がされていないようだ。

しかし、評価記載時点で薬物などで進行を食い止めることすらできない現実から考えると明らかに患者にとっては福音になるのだと思う。惜しむらくは、国内で受け入れられる医療機関が極端に少ないため、患者やそのご家族が本書を理解しないと進められない点かと思う。本書自体は栄養学用語がある程度理解できないと読み下せないかもしれないが、その福音に期待を寄せる方々、将来的な予防に興味のある方は一読をお勧めする。

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Posted by ブクログ 2019年05月25日

思ったより日常に落とし込める内容。
早速食事の改善と必要なサプリを計算してます。
予防という意味で順調そうなら家族にも水平展開していこうと思います。

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Posted by ブクログ 2019年02月13日

大仰なタイトルに半信半疑ながら読んでみたが、著者が提案する「リコード法」によって、患者の約9割に回復が認められたと報告しているのには驚いた。

アルツハイマー病の治療に用いられるアリセプトは、コリンエステラーゼによるアセチルコリンの分解を阻害する作用を持つ。それによって、シナプスは少々長く機能する可...続きを読む能性があるが、アルツハイマー病の原因や進行を抑えることはできないし、脳はさらにコリンエステラーゼの産出するようになる。

ApoE4はアルツハイマー病の遺伝的危険因子として知られており、日本人の9%が保有している。この遺伝子を持たない人のリスクは9%だが、ひとつ保有している人のリスクは30%、2つ保有している人のリスクは50%以上になる。

アルツハイマー病患者の脳には、アミロイド斑と神経原線維の変化が見られる。アミロイド斑を構成するアミロイドβは、ニューロンの受容体と結合して栄養のシグナル伝達を阻害し、ニューロンを死に至らせる。アミロイドβは、ニューロンの依存性受容体であるアミロイド前駆体蛋白(APP)に由来する。APPがネトリン1によって1か所で切断されて2つのペプチドができると、シナプスとニューロンの健康を促進し、アルツハイマー病を抑制する。APPにネトリン1などの栄養が供給されなかったり、アミロイドβが結合すると、3か所で切断されてアミロイドβを含む4つのペプチドができて、アルツハイマー病を進行させる。つまり、アミロイドβはプリオンのような悪循環を作り出す。脳は、生き残るために必要な機能を保存し、必要ない記憶の形成にはエネルギーを費やさないようにする。APPは、新しい記憶を維持するために必要なシナプスを形成するための栄養素が十分ではないという情報を受け取ると、自分自身のシナプスを削減する。そのため、新しい記憶は犠牲になりやすく、最も古い記憶が削除されるのは最後になる。

アルツハイマー病は、炎症、栄養素の欠乏、毒物への暴露に対する防御反応であり、不要になったシナプスの破壊と、現状のシナプスの維持や新しいシナプスの生成のバランスが悪くなった状態である。APPがアミロイドβを含む4つのペプチドに切断される要因を脳に与え続ける生活を送ることによって発症する。したがって、アルツハイマー病を誘発する要因を最小限にすることによって予防できるし、進行を止めることも、回復させることもできる。

高インスリンと高血糖は、アルツハイマー病の最も重要な危険因子。人間の体は、1日に15g以上の砂糖を処理することはできない。グルコース高値は、慢性定期なインスリン高値をもたらす。働き終えたインスリンを分解するインスリン分解酵素(IDE)はアミロイドβの分解も行うが、インスリンが慢性的な高値の状態ではアミロイドβの分解ができなくなる。また、グルコースは多数のタンパク質に接着して、その機能を妨げる。ヘモグロビンA1cは、そのような変性した分子を測定したもの。グルコースが生化学反応によって終末糖化産物(AGE)を産生すると、それが接着したタンパク質が異物とみなされて抗体がつくられ、炎症の引き金になる。また、血管を傷つけたり、フリーラジカルを生成してあらゆるものにダメージを与える。空腹時血糖値は90以下、インスリン値は4.5以下、ヘモグロビンA1cは5.6%未満にすべき。

コレステロール値は低いと認知機能低下に関わる。総コレステロール値が150未満になると、脳萎縮を患う可能性が大きくなる。

ビタミンDは、900以上の遺伝子のスイッチをオンにする。その中には、脳のシナプス生成と維持に不可欠なものもある。銅が過剰で亜鉛が少なすぎることは認知症に関係する。亜鉛不足になると、インスリンシグナル伝達が低下し、自己抗体値を上昇させて炎症の原因となる。ビタミンEは、フリーラジカルを除去して細胞膜をダメージから保護する。臨床試験でも、多少ながら認知機能低下を遅らせることが示されている。ビタミンB1は記憶の形成に必須だが、紅茶、コーヒー、酒、生魚によって低下するおそれがある。

マグロ、メカジキなどの体が大きく長生きする魚には、神経毒である水銀が大量に含まれる。養殖魚よりも天然魚の方が、オメガ3/6比が優れている。

腸内細菌の餌となるプレバイオティクスとして、クズイモ、タマネギ、ニンニク、長ネギなどがある。

睡眠によってアミロイド形成が減少し、成長ホルモンが増加して新しい脳細胞が産生される。また、細胞内で損傷した部品をリサイクルする自己摂食プロセスが細胞の健康状態を改善する。

<リコード法>
炭水化物が足りなくなると、肝臓が脂肪を分解し、ケトン体を産生するケトーシス状態になる。軽いケトーシス状態が認知機能には最適であることが明らかになっている。ケトーシスを促進するには、低炭水化物食、適度な運動、12時間の絶食を組み合わせる必要がある。中鎖脂肪酸オイル、オリーブオイル、アボカド、ナッツなどの不飽和脂肪でもケトーシスが促進される。

緩やかな菜食主義として、非でんぷん質の彩り鮮やかな野菜を、調理しないものと調理したものを混ぜて摂る。タンパク質は、体重1㎏あたり1gを摂るとよい。

夕食と翌日の朝食の間を12時間空け、就寝前3時間は何も食べないようにする。以上が「ケトフレックス12/3」

運動は、インスリン抵抗性を減少させ、ケトーシスを促進するほか、海馬を大きくする、血管機能を改善する、炎症の引き金となるストレスを軽減する、睡眠を改善するなどの効果がある。1日あたり45~60分は取り組みたい。一方、座ることは、認知力や心血管系の健康に致命的であるという研究結果がある。瞑想やヨガは、コルチゾールを低下させ、海馬の委縮を防ぎ、大脳皮質の厚みを増やす働きがあるほか、強力なストレス軽減法でもある。

アイスクリームの代わりに、ココナッツミルクアイスならGIが低い。ダークチョコレートもGIは低い。

本書監修者の白澤氏は、アルツハイマー病患者のホモシステイン値とビタミンDの値が低い人が多いことを指摘している。ホモシステインは、ビタミンB6、B12、葉酸の摂取で治療でき、改善すると生まれ変わったようになる患者が多いと報告している。

<考察>
昨年読んだ『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』より詳しく、取り組む項目も多いが、高血糖がもたらす高インスリンが最も危険であるという点で同じ方向の内容と理解した。大規模な臨床試験は現在実施中のようだが、多数の回復例があるとの報告は朗報だ。リコード法のプログラムのすべてを実行するのは難しいだろうから、ケトフレックス12/3と運動から始めて、少しずつ項目を増やしていけばいいのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2022年11月06日

第1章
・アルツハイマー病は予防できる
・アルツハイマー病に付随して起こる認知機能の低下は、多くの場合、回復できる
・ApoE4を保有していたとしてもアルツハイマー病の予防対策を講じて、低下した認知機能を回復できる
・40歳を超えたすべての人に有効なプログラム、リコード法

第2章
・アルツハイマー...続きを読む病は、脳が次の3つの代謝と毒物の脅威から身を守ろうとするときに起きる
脅威1 炎症(感染、食事またはそのほかの原因による)
脅威2 補助的な栄養素、ホルモン、その他脳の栄養となる分子の低下や不足
脅威3 金属や生物毒素(カビなどの微生物が産生する毒物)などの有害物質

第4章
・脳の炎症を予防する、低下させる
・炎症の原因であるトランス脂肪や糖の摂取は避ける
・グルテン含有量が高いものを避ける
・リコード法の最重要部分は、インスリン抵抗性を低下し、インスリン感受性を回復し、血糖値を低下させ、それによりたいしかを最適に回復することになる
・ホルモン、栄養素、栄養物(食品)を最適化する
・毒物を除去
・アルツハイマー病の予防法(40歳以上の方すべてに有効) 36個ある、脳のアルツハイマー病誘発要因の数を最小限にするように生活する
・すでにアルツハイマー病が始まっていても、進行を止める方法、すでにアルツハイマー病を本格的に発症していても回復させる方法 自分の遺伝的状態と生化学的状態を評価し、自分の認知機能がどれくらいかを判定する。その後、特定された要因、ひとつひとつに対処する

第7章
日本でのリコード法の主要検査が可能な機関、お茶の水健康長寿クリニック

第10章
リコード法をうまくやり遂げる13ヵ条
1. 早く始めるほど、より完全に回復し、保護できる可能性が高い
2. 少なくとも6ヶ月は「プロトコルで生活する」
3. 「何」がいけないのか特定する、むやみに治療しない
4. 最適化し続ける
5. 臨床検査値に熱心になる
6. できることをする、プロトコルの前後のパートに、必ずしも従う必要はない
7. プロトコルを微調整したら、次の数日や数週間は、認知力がよくなったか、悪くなったか、どちらでもないかに気をつける
8. 「次善の策で満足せよ」はやってはならない
9. 認知力の状態を文章で記録すれば、自分の今の状況や、改善したとき、および調整が必要なときが把握できる
10. ソーシャル・ネットワークを利用する
11. 治療で何かをやめるときに、依存習慣を急に断ち切って反動が来ないように注意すること
12. プログラムを続ける
13. 一度に全プログラムを始める必要はない。段階的に行っていけばよい

11章
・ステビアは人口甘味料のなかでは安全

あとがき
・ホモシステインとビタミンDの穴が放置されている可能性が高い、ホモシステインは、ビタミンB6、B12、葉酸の投与で治療できる
・脳を回復させたければ、コレステロール値は高いほうがいい
・プサラ研究所

感想
希望もあるが、なかなか大変だなという気持ちにもなった

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Posted by ブクログ 2020年05月26日

副題は日本で作られたのと考えられる
前半は最新の研究報告で 症状の原因として分かってきたものが挙げられている 36の要因があると著者は説く
後半はアルツハイマー対処方法治療法予防法は記載されている
要点は36要因を悪化させない発症させないようにするためには 何が必要ということである
薬物ではな...続きを読むく栄養プログラムが説明されている サプリメントを摂取する食事メニューは制限する 日本の状況と大いに異なるところである

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Posted by ブクログ 2019年04月09日

個人的にはガンよりも恐怖している病気。
膨大な情報量の本なので、発症していなくても覚えるのは無理です。
確かにアルツハイマーは怖くて嫌だけど、まだ健康体と思っているうちは、実践する気にすらならないほどに多岐に渡る対策が書かれています。それらすべてを実践するのではなく、自分を正しく診断して必要な対策を...続きを読む取りましょう、という趣旨ではあるけど。

今、まだ記憶があるうちにこの本の存在を覚えておいて、不安を感じた時にしっかりと読んで、必要な対策を取れるようにしよう、と思った程度でした。

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