【感想・ネタバレ】ハックルベリー・フィンの冒険 上のレビュー

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Posted by ブクログ

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アメリカ文学を代表する、マーク・トウェインの名作。
岩波文庫の上下二巻。
世界中の少年たちの憧れ、『トム・ソーヤーの冒険』の続編です。
前作の最後で財宝を見つけたうえ、富豪未亡人の養子となったハックルベリー・フィンは、しきたりだらけの文明的生活にやはり馴染めず、ろくでなしの親父の登場とたかりもあり、自由を求めて家出。
それをトムが連れ戻そうとして前作は終わりますが、本作品はまさにそこからストーリーが始まります。
再度の家出で逃亡奴隷のジムと一緒に筏でミシシッピ川を下り、目指すは自由の町ケーロ。
富裕な大地主のグレンジャーフォード家に保護されたかと思えば、敵対するシェパードソン家との抗争に巻き込まれたり、途中で出くわしたペテン師の公爵やら王様やらに振り回されたりと、破天荒な旅を続けます。
本作品の焦点は、相棒ジムの逃亡を助けることに対するハックの葛藤。
奴隷制度が残る時代に、虐待を受ける奴隷への同情と、逃亡奴隷を助ける罪悪感との板挟みに苦しみます。
そしてハックといえば、やはり外すわけにはいかないトム・ソーヤーの再登場!w
悪ガキ二人の悪戯が、やがてストーリーをクライマックスへと進めます。

アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイが、エッセイ『アフリカの緑の丘』でこう評しています。

 「あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊から始まる」

『トム・ソーヤーの冒険』は楽しい物語ですが、この『ハックルベリー・フィンの冒険』は奴隷制度や人種差別、南部の無法状態などに触れており、現代でも論争をが続けられているアメリカ文学の大作です。
ミシシッピ川の雄大な情景が、読んでいて目に浮かびます。

ニン、トン♪

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2012年10月07日

Posted by ブクログ

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滑らかな語りに想像を誘われ、つりこまれるように読んでいった。けれど、この「冒険」には(主題・教訓・筋書を見つけようとする者は酷い目にあえ(意訳)という前書きに配慮し野暮なことは書くまいが)奴隷制が放置されるままに跋扈していた時代の空気がかなしく流れているように感じられた。ひとつひとつの描写が、訳のうまさもあるだろうが、びっくりするほど豊かで巧みなので、いっそうそれを感じてしまうのだ。下巻はどうなるだろうか?

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2022年04月29日

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