【感想・ネタバレ】夜空の呪いに色はない(新潮文庫nex)のレビュー

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Posted by ブクログ

正しさとは、罪と罰、大人と子供、選択すること、など、いろいろと考えさせられました。大人でも答えを出すのは難しい。大人になるということをああいう風に定義するのならわたしはきっとずっと大人になれない。情けないなぁ。
なんども胸を打たれて、泣きそうになりました。
大地くんの問題が思いのほか根が深く、壮大で、最初の頃には思いつきもしませんでした。謎がすこしずつ暴かれて、解決して。これからさらにどうなるのか気になります。先代の魔女の話は切なくて悲しかった。安達だけがまだ謎ですが、どう動くのか。
真辺と七草の距離が近づいてるのにそれ以上へ進まないのがもどかしいですがほんとうにかわいらしくて愛しいです。現実も階段島の方どちらも。ちがう形でどちらもしあわせになってもらいたいです。

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2020年02月16日

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◎時任と堀の攻防、魔女を手放した理由、七草と真辺の捨てたものとは

「心を穿つ新時代の青春ミステリ」である「階段島」シリーズの第5弾。
今回は謎めく郵便配達員・時任の物語が中心に構成され、現実世界に戻った七草も登場する。

前回までのおさらいになるが、七草が現実世界に興味・関心を寄せる理由は一人ぼっちでいる少年・相原大地が、現実世界の本人から捨てられてしまったことに起因する。大地は何を捨てざるをえなくて階段島に送られてきたのか、ということを、トクメ先生(現実世界では大江先生)へのアポイントをとることで解決に導きたいという意図があった。
しかし、七草がそこで現実世界に戻ってしまうことは堀や真辺にとって動揺を隠せないことの一つでもある。
また、七草が現実世界の自分と対するということは、現実の自分が捨てた「今の自分」とは何かということを知るということにもなるし、真辺が何を捨ててここに存在するのかということを知るということにもなる、と七草は気づいていた。

時任が抱えている苦しみ、堀に魔女業を受け渡したわけとは。
七草・真辺の捨てたものとは。

2019年に完結編が刊行された。それを待ちきれないほどの内容にもなっている。様々な伏線・謎がここまでで回収されてくるところも見ものである。

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2019年10月06日

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展開がすごい!
いろんなことが起きすぎて頭の中を整理するのが大変だったけれど、圧巻だったなぁ。
それぞれがそれぞれの理想を持って、それを叶えようともがく人と諦めた人。
これからを望む人と緩やかな未来を作ろうとするもので。
次が最終巻って噂もあるから、楽しみにしてる!

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2018年12月07日

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ネタバレ

なるほど、この階段島シリーズは、成長の物語だったのね。「大人の階段の~ぼる~♪」ってやつですね。本書は階段島と現実が入り乱れる第五弾。

うぅ、「やっぱり私が、国語の成績悪かったのわかるわ」ってくらい、なんか押し問答のように長々と続く、登場人物の会話についていけない。
―「やっぱりあなたはAね」
「いえいえ、私はA’(エーダッシュ)よ」
とはいえ、Bとも言えなくない・・・

みたいなやり取りに、頭の回転が悪い私はもうどっちでもえぇわ!と、物語の本質を根元からなぎ倒してしまうであろう感想を何度抱いたことか。落ち着くんだ、私。彼ら(登場人物)は、昔の薄っぺらくペラペラだった私とは違って、若さゆえの葛藤に、大人へと向かい変わっていく自分や周囲への葛藤に、真摯に向き合っているのだ。しっかり読むのだ!

七草がどうにも不思議で、「諦める」とか言いながら、一番粘着質そうな性格で、どうして七草がそんなにも他人(真辺や堀)に固執するのかまだよくわからないんだけど、その七草がやっと自分に少しこだわったところがちょっとあって、嬉しかった。
(あ、前作か前々作かで、「け、なんだ、結局七草と真辺はお互いを見つめているだけね」という安易な感想を書いたことは素直に間違えだと認めよう。堀のこともあるし、七草に言わせれば、これは単純な愛や恋ではないのだ、たぶん)
大地の問題にどう踏み込めばいいのか、踏み込んだとしてどう責任を取ればいいのか・・・成長していく葛藤と共にここら辺がうまく絡み合っているなと思った。

そして、今唯一の郵便局員時任の過去が明らかになる。そのことにより時任と大地の関係が分かってきて、より一層物語の真相に近づいた。

責任、成長、決定、諦め、変化、理想・・・

この階段島シリーズは、なんかやっと掴んだぞ、なんかわかったような気がするぞ、と思えばすぐに、あぁ、やっぱりわからない、私は何か大きな勘違いをしているのではないか、いやいやそもそも読解力がないんじゃないか、ま、待って、やっぱそういうことよね、と、つまり、捉えきれてなくて気になる存在。

大人の時任に責任をとってもらって、子どものままで魔法を借りる形で大地の問題は解決するのか、階段島はどうなるのか、次、最終巻!

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2023年02月02日

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子供はいつか大人になる。
この巻は、“大人"というものに対する描写が印象的な巻。トクメ先生の言葉が胸を打つ。

「世の中には二種類の大人がいます。一方は子供でいられなくなり、仕方なく大人になった人たちです。いろんなことを諦めて、自分自身のほんの狭い経験を現実のすべてのように語って、子供のころに大切だったものを捨てる言い訳に大人という言葉を使っている人たちです。
(中略)
未来を創る義務を負う覚悟を決めたのが、正しい意味での大人です」
(中略)
実のところ、私は自分がどちらの大人なのか、よくわからないのです。(中略)わからないから、意地を張るのです」(中略)「私は自分の意思で大人の役割を引き受けているのだと、言い張っていたいのです」

私はどうだろう。未来を創る義務を、私はちゃんと負えているのだろうか。

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2022年06月26日

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シリーズの1冊目と同じくらい面白かった。
前半は、うだうだしていて、ちっとも話が進まないんだけど、
最後の50ページくらいで、その迷いとか葛藤とかすらも原動力に変えて、進んでいくのが気持ちがいい。
こういう終わり方の物語が好きだな、と思う。

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2021年11月26日

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階段島の七草と真辺の関係性がとても好き。大地くんの問題は気になってたけど、ここまで物語の中心に関わってたとは

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2021年05月27日

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思っていた以上に難しい話になってきて、全体の流れについていくのが結構大変になってきた。あと、子供と大人という視点が中心になってきて、そういう風に視点を持っていくんだなぁ、と思ったりする。これで次巻は最終巻ということで、最後にどうなるかが楽しみでもありつつ、ちょっと寂しさもありつつ、といったところ。

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2021年01月16日

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ネタバレ

階段島の始まりに迫る一冊です。同時に、大地の問題を解決するために、現実側と階段島側の両方で様々な動きがあります。
悲しい話も多く、胸が苦しくなりました。成長とはなんなのか、捨てるか獲得するか、選択とはなんなのか…。私たちが生きていれば気が付かずに行っていることの意味を改めて考えさせられました。
最終巻が楽しみです。

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2020年05月17日

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ネタバレ

時任さんの過去が明らかとなり、安達と堀の関係も明かされる。
前巻よりも理解しやすく、だんだんとクライマックスに向かっていく感じがした。
次巻が楽しみ。

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2020年04月06日

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ネタバレ

「階段島」シリーズ5
そもそも魔女は時任。そして、大地の母の状態もわかる。
大人になる中で失うものは何か。不要な自分を抜いてしまえばよい、そんな簡単な話ではない。から、時任は傷を抱えている。
魔法を貸して。責任はあなたがとって。オトナと子供の在り方。
ライトノベル的な装丁なのだが、テーマはライトじゃない。といって重苦しくもない。久々アタリの本だとも思う、久々じゃないけど。

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2020年06月18日

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だいぶ煮詰まってきた。前巻までに階段島の秘密が明らかになって、今回で大地の秘密もほぼ明らかになった。次が最終巻。どう決着がつくんだろう。

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2018年06月23日

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信頼とは愛情よりも尊いのかもしれない。

主人公の少年少女の間に交わされる会話やその寄り添い方は、表面的には信頼だ。根っこにはお互いへの深い愛情があるのだろうが、それをいわゆる男女愛ではなく、信頼の形で付き合えるのはすごいし、羨ましい。

階段島や魔女の始まりが語られ、大人と子供、責任と覚悟の在りようが語られる。階段島という区切られた空間の中だが、描かれる命題は普遍的だ。

幸せになるために決断をすることは、誰かを傷つけることかもしれない。魔法をどのように使い最適の幸いを目指すのか、続巻が楽しみ。

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2018年05月16日

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 階段島シリーズ5巻目。
 島での唯一の郵便局員にして元魔女の時任さんメイン回。

 堀から魔法を奪うべく真辺を魔女にしようと画策する安達だが、そうなると困る七草は堀の側に立つ。
 七草は大地の事実を堀に聞き、大地がなぜ母を嫌う自分を捨てたのかを知ることになる。
 しかし、現実の七草に会った時に、島の七草は拾われる。
 七草のいなくなった階段島で、時任は堀から魔法を再び戻すことにした。
 大地の母親の過去には、時任が深く関わっている。

 現実と島での人格が微妙に違うから分かりにくくなってきたのに加えて、現実での話も増えてきてややこしい。

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2018年03月17日

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シリーズ5作目。
謎が解き明かされていろいろなつながりが見えてくる。
大人になるってどういうことかを考えさせられる。未来に尽くすことなのか?
登場人物それぞれの成長が感じられてよかった。

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2024年01月21日

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これもしかして途中から読んでしまったか、、?
全然意味がわからなかった。

なんとなく独特の雰囲気はあったが笑

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

前回からだいぶ時間が経ってから読んでしまったので内容を忘れていた部分もあって理解が難しい部分もありましたが…

魔女になることで不幸が証明されて、でも魔女でもそうでなくても自分に出来ることが限られていることがとても悲しいと思う。
最前を尽くしたつもりが結果他の人にとっては真逆の最悪の結末になってしまう。

誰も悪くないけれど、誰かの責任である。
とても悲しくて、切なくて、割れやすく薄い硝子のような世界と人々のお話。

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2020年07月11日

Posted by ブクログ

魔女に取っての幸せとは何か、人は何かを捨てると幸せになれるのか、など階段島の本質を問う内容で、いよいよクライマックスが近いと感じます。
レギュラーメンバーそれぞれが抱える悩みやジレンマ、大地の母親に関する物語など、苦しい内容が多くて疲れました。
できるだけ責任を持たず、楽な仕事で最低限の収入を得て、静かに読書をしながら過ごすような人生が理想じゃないかと言う七草君に同意したくなります。

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2020年06月24日

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展開はスローテンポで、しかし着実に階段島や大地の問題について進展した。前任の魔女・時任の過去と大地との関係性、七海自身の拾う・捨てるの問題、真辺にとっての七海という存在について、主に書かれていた。

時任が大きく問題に関わりを持ち始め、大地の問題は進展していく。大地の捨てたものが判明し、次巻では核心に迫る。また、現実の七海と階段島の七海は相容れなかった。成長した現実の七海、しかし階段島の自身を見て羨ましくも思う。

読めない展開に、読んでいて楽しかった。
真辺と七海の関係性はどうなっていくのか楽しみ。
そして、階段島の存亡やいかに。楽しみ。

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2020年06月22日

Posted by ブクログ

階段島シリーズの5冊目。

いつの間にやら7年前に捨てた自分を階段島の七草が拾っていたり、魔女を巡って構図が七草・堀vs.真辺・安達になっていたり、ややこしいなぁ…。
よって七草は“堀を愛して真辺を信仰する”七草となったわけだが、その七草を現実の七草がまた拾い、2作目で『時々訳の分からない独り言ちがあったりして、その存在がどうも謎だな』と書いた時任の過去が明らかになったり、大地の母の秘密が明かされたり、お話としては結構面白い展開だと思うのだけど、筋の運びがどうもね…。
今回のお話としては、成長(大人になるとは)何か、決断する(何かを捨てる)ことの重さ、集団と個の関わりについて、などなど深淵なテーマがぶち込まれているように思えるのだが、前々巻あたりから感じていたまだるっこしさが勝ってしまって、私の悪い頭ではどうにもうまいこと繋がらない。
★★★にしたけど、まあ、3.5って感じ。

ここまで読み終えてシリーズはあと1冊なので、結末が見たくてこのまま突き進むと思うが、どうなることやら。
だけど、いつも行く中古本屋にはいつ行っても最後の巻が置かれてないんだよな。
まあ、比較的最近の本だし、映画もやってるし、暫く出て来ないと思ってはいるが、見つかる頃にはそれまでの話を忘れているんじゃないかとかなり心配。

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2019年12月01日

Posted by ブクログ

最終巻が出たということで、積んでいた山から引っ張り出して一気読み。1年も積んでいたことに驚き。ラストに向けて伏線とか、いろいろと繋がってきました。内容を忘れてしまう前に次も早く読まないと。
トクメ先生の大人の話が好きでした。

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2019年06月09日

Posted by ブクログ

階段島シリーズ第五弾。複雑すぎる物語と世界観に少々胃もたれ気味。もう少し簡素にと思ってしまうのは年のせいだろうか。
あらすじ(背表紙より)
郵便配達人・時任は、階段島での生活を気に入っていた。手紙を受け取り、カブに乗って、届ける。七草や堀を応援しつつも、積極的に島の問題には関わらない。だが一方で、彼女は心の奥底に、ある傷を抱えていた…。大地を現実に戻すべく、決意を固める真辺。突き刺さるトクメ先生の言葉。魔女の呪いとは何か。大人になる中で僕らは何を失うのか。心を穿つ青春ミステリ、第5弾。

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2018年10月28日

Posted by ブクログ

善悪を割り切る正しい真辺が筋違いの自惚れだけれど磨いてきれいにした昔の自分みたい。現実の七草と階段島に捨てられた七草の対話を始め概念をそのまま現実の出来事に落とし込んだような世界に引き込まれる。硝子みたいに儚くて透明で内面を覗き込むような攻撃でない研ぎ澄まされ感。大地の事情の理由の罪と救いも刺さる。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

ミステリ要素が薄く文学作品のようになってきた。展開がまどろっこしいし、意味がないシーンや台詞も多く感じる。
物語は佳境になり色々な人間関係が分かってきた。オチだけは見ようと思う。

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2018年08月16日

Posted by ブクログ

今のところ最新刊。
大地の問題を、どうしたって解決出来なさそうな子供たちがどうするんだろう?と思ったらこういう落としどころが付いてきたのかという展開。そうか、両親もこの世界の人なのねぇ。個人的には死んでしまったとはいえ父親も悪いよねぇ、という気がしなくもない。

悪い人が居ないってのはある意味読んでいてしんどい感じ。いや、悪い人は居るけれども悪い人を悪いと言っても問題が解決しないというのが、うん、難しい。そんな中で魔女の力と魔女を同一視しない真辺さんにちょっと一目置きました。今まで読んできて彼女のあまりにも近視眼的なものの見方にはヘキエキしてたんだけど(まあそう言うキャラだから仕方ないんだけれども)本質を見る子なんだなってのが。というか彼女があまりにも感情を後回しにするので人間的ではない感じが苦手だったのかもしれない。(とは言え正しくない事を正そうとするというのはある意味感情的なのかもしれないけれども)

七草君は最初は堀さんと一緒に居るために、二度めは真辺さんと一緒に居るために自分を捨てたって考えると結構な色男なのかもしれない。

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2018年05月09日

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