【感想・ネタバレ】新釈 走れメロス 他四篇のレビュー

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Posted by ブクログ

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5つの名作を森見登美彦が現代に置き換えて書いた短編集。自分が読む前からは元ネタを知っていたのは二作品のみ。「藪の中」は読んだ後原作が気になって、原作も読んだ。そういう楽しみ方をできるのも良い部分だと思う。

特に五作品目が面白かった。
五つ目の作品の主人公森見と他の四作品の主人公達が屋敷で偶然出会う。が、森見と比べて圧倒的にキャラの濃い主人公達を目の前にして、森見が自分の充実していないっぷりに居た堪れなくなって逃げてしまう。

4つ目まではキャラクターの濃い主人公達の物語を面白おかしく読めるのに、5話目になって目立たない自分がその中に混じってたら、というとんでもないifを突きつけられた感じがした。5話目の主人公がいてもいなくても変わらない掛け合いや、途中変に悟って逃げちゃう弱い部分が、やめてくれって思うほどリアルだった。

物語的には、それらを全部フリにして鹿島さんの狂気さを描いているけど、それよりもそのフリの部分であまりにも突きつけられてしまった。

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2021年10月27日

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日本の古典文学をパロディ化した新釈。登場人物や舞台が既読の話しが、その深みにはまっていく。森見作品は超好きか・超嫌いかの2極化したが理由が分かった!奇抜な女性の登場があるかどうかだった。走れメロスのパロディでは須磨女史が超インパクトで出てくる(詭弁論部に在籍することわずか二ヵ月でほぼ全員の男を悩殺)。森見さんの独特な雰囲気には奇抜の女性が嵌る;黒髪の乙女(恋は短し)、須磨女史(この本)、大塚女史(恋文の技術)。友人を裏切ろうと逃走し、ブリーフ姿で踊った男性のロマン、悲哀、熱き思いが爆発し、爆笑した。④

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

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受験前で少しナーバスになっていた時期に『夜は短し〜』を読んでしまい、フワフワさ加減にムカついてから一時期読めなくなっていたのだが(まぁ呑気に本なんか読んでるお前が悪い、という話なのですが)、今再読するとやはり面白い森見節。この機会にレビューを書いておく。本作は名だたる文豪たちの作品5つを、京都の町を舞台にしていつもの腐れ大学生達を主役に置き換えた、というもの。

読んでいて楽しかったのは、やはり『走れメロス』。友の期待を裏切らないために、断固として「戻らない」!
  “俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ”
一方で、テイストがガラッと違うのが『藪の中』、『桜の森〜』だろうか。『走れ〜』が陽なら、こちらは差し詰め陰といったところか。特に、『藪の中』がお気に入り。登場人物達の微妙にズレる物語が、不気味さ・奇妙さを生んでいる。

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2022年08月22日

Posted by ブクログ

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森見さんらしく京都の大学生を題材にした歴史的な文学作品のオマージュ。

夜は短し〜…も読んだし、この作品も読んだがそこまで自分には刺さらなかった。ユーモアのセンスもわかって愉快なのだがそこまでな感じがしてしまう。

この作品も面白かった。走れメロスの詭弁論部のアレコレは笑ってしまいました。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

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森見ワールド全開!
表題の走れメロスが一番好き。なるほどこれは新釈。キレイでスバラシイ友情なんて証明してやるもんかと京都中を逃げまくる主人公、原作とは真逆の関係のままお話がきれいにまとまっていてすてき。

他の小説とも世界が繋がっているので森見さんが好きな人は好き、入り込めない人は入り込めないのかなと思ったりした。

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2023年10月13日

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