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Posted by ブクログ
闘ガン生活の中で描かれたとは思えないクオリティ、宇江佐真理最晩年の作品。この短編集に出てくる登場人物たちでもっと作品を描きたかったのだろうな。まだまだ広がっていく奥行きのありそうな舞台設定である。
江戸を舞台に現代にも通じる問題を描く、小さいけど明るい幸せを描くとともに、挫折や悲しみも描く。
救われたい時は宇江佐作品。これからは全て再読になってしまうが、まだまだこれからも読み続けることになるだろう。
この本もきっとこれから何度も読み返すんじゃないかな、とそういう予感がする。
Posted by ブクログ
宇江佐先生が体調不良のなか書き上げた本だと思うと有り難くて涙が出ました。いつも江戸市井に生きる庶民の暮らしを生き生きと描写され主人公のみならずその他の登場人物にも愛着が沸くような先生のお書きになる小説が大好きでした。叶う事なら、この為吉の物語に出て来る岡っ引き田蔵も近所の人々から神様と呼ばれている霊験あらたかな力を持っているその女房のおつるもそれぞれ主人公として小説を書いていただきたかったなという思いでいっぱいです。
Posted by ブクログ
宇江佐作品のうち、残された貴重な未読本。
舞台設定も登場人物も申し分なし。
シリーズで続けてもらいたいような内容であったが、終わり方を見ると、これはこれできれいな形で終焉を迎えさせていたのかな。