【感想・ネタバレ】ここは今から倫理です。 7のレビュー

皆さん、「倫理」の授業の記憶はお持ちでしょうか?
私は比較的鮮明で、当時ほどには無いにせよ、大まかに記憶はしています。私が教わった倫理の先生も、このマンガの高柳先生ほどでは無いですが印象的な人でした。
主人公は題名にある「倫理」を教える教師、高柳。クールで、特に目立った印象を受ける人物ではなく、生徒からの覚えも普通。そんな彼が、生徒と向き合い、問題を解決していくという作品。
高柳は熱血教師でもなく、また面白い授業をするタイプの教師でもありません。そんな彼ですが、きちんと芯を持っており、生徒に向き合って諭していきます。
個人的には、「合コン」のくだりの先生が人間くさくて魅力的。
「倫理」の記憶がある方も無い方も、今一度「倫理」の授業、受けてみませんか?

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Posted by ブクログ

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「こんな教科書の言葉も“ 倫理”では無い、
私が語る言葉も“ 倫理”ではない。
でもここで話したことだけは忘れないで、今ここにいる皆さんこそが“倫理“ だった。」

「何故」この問いだけは忘れないで__

「じゃあ僕が“ 先生”になったあとでも、僕は先生の“ 生徒”でいいんですか」
「お前が俺の事を先生と呼ぶ限りはな」

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2022年11月27日

ネタバレ 購入済み

何故、なぜ。

倫理は、常に何故?どうする?と問うてゆく事を教えてくれる。そこから人は決断を続けてゆく。

高柳先生は、次の学校へ異動してゆき、そこでまた新たな『問うこと』の種を蒔いてゆく。次の授業が楽しみです。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悩める生徒に倫理・哲学の言葉でもってアドバイスしたり一緒に悩んだりする漫画の第7巻。

今巻は授業で「なぜ人を殺してはいけないのか」を生徒たちに話し合わせるのがみどころ。
「法律で決まっているから」という点を皮切りに、なぜ法律で決まっているのか、昔の時代はどうだったのか、戦争で人を殺すほど称賛されるのはなぜか、自分が殺したいと思うときはあるか、あるならなぜしないのか、殺し合いが続いたら国が成り立たないといったさまざまなトピックが展開されていく。

最終的に「良心の呵責」というキーワードから、殺人にかぎらず悪いことをした心の痛み、罪悪感を感じるように人間はできている。殺したくない、だから殺さない。そういう世界がいいという方向に話が進んでいく。そしてまとまったきれいな答えに整える前に授業は終了する。

哲学の原点たる「対話」を、高校生なりの言葉を使って、それもバカっぽい生徒から賢しらな生徒までを織り交ぜた、いかにも現実にいそうなキャラクターでもって描いているのが出色。
たとえ倫理で学んだ用語や人名を忘れてしまっても、ここで語ったことは生徒たちの心に残り続けるのだろう。自分もこういう授業を受けてみたかった。


作中では「良心」の存在を重要ワードとしてあげているけれど、個人的にはなぜ人間は良心という機能をもつに至ったのかについても突っ込んでみてほしかった。まあしかしそれは生物学の範疇になるだろうか。

自分について照らし合わせてみると、自分は父親に早く死んでほしいと願っているが、死ぬ「べき」であるとは思わないし、殺したいとまでは思わない。
それは、父親はとっちゃん坊やではあるが彼なりに家族のことを思っているのは疑っていないし、温和な家族に育てられた自分が争い事を好まない性格であるから。もちろん法律だってある。平和な世の中で暴力を使うことの後ろめたさだってあるだろう。
そういったもろもろの、いわば愛とか規則とか環境だとかの総体が、良心として自分の衝動的な行動に歯止めをかけているのではないだろうか。

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2022年07月26日

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