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Posted by ブクログ
戦前戦後を大学教授という知識人として、またキリスト教の預言者として、活発に活動をされた矢内原忠雄さんの生涯とその思想を分かりやすく書かれています。生い立ちから少年時代、次第に学問への道へと向かう人生と、そのほかに人生に大きな意味を持つ信仰。迷いなくその道を進む姿は驚きで、何をもってそのようなエネルギーを持つことができるのか。戦後の東京大学で、教養学部をいまの形に築き上げたエネルギーの源は何なのか。知識人という、今はほとんど見なくなった人間の生き方を学ばせていただいた気がします。
またその知識人を、周囲も肯定的、批判的であっても認め、その周りに集うこと。知識人の言葉を聞こうという姿勢、そこに価値観を認める、その時代の空気は、いまはもう無いような気がします。あるべき姿を背中で見せる、矢内原さんの背中を見ることのできる内容だったと思います。
Posted by ブクログ
「戦後を生きていたはずが、戦前の気配がただよっていた。
そのことに気がついたとき、長い間読んできた矢内原忠雄という知識人の軌跡が、新たな意味をもって迫ってきたように思う。」
と「あとがき」に著者は書いている。
私も著者と同じように感じ、矢内原忠雄の著作をぼつぼつと読み返している。
矢内原忠雄が何を語っていたか、訴えていたか、簡単だが、この本を通しておおくの人に知って貰えたらと思う。